皆既月食+天王星食(2):天王星も地球の陰にならない?
皆既月食+天王星食を眺めていて,ふと考えたことがありました。この現象は,太陽-地球-月-天王星が一直線に並んで起こることです。月が地球の陰になっています。その先に天王星があります。天王星も太陽の光により見えているのです。今,天王星は地球の陰となる位置にあります。だから「天王星も暗くなってしまうのでは?」と思ったのです。しかし,冷静に考えると大丈夫です。月から見て地球は太陽よりずっと近くにあります。太陽は断然大きいのですが,近くにあるものは大きく見えます。だから地球が太陽を隠してしまうのです。天王星はずっと遠くにあります。遠くから地球と太陽を見た時(ただし,強力な望遠鏡が必要でしょう),両者の大きさの比は実際に近くなります。したがって,天王星から太陽と,その前の地球を見ると,大きな太陽の中に小さな地球があるだけです。つまり,天王星からは太陽のほとんどの部分が見えていることになります。だから暗くはならないのです。明るさは,{(太陽の断面積)-(地球の断面積)}/(太陽の断面積)≒1(ただし,“断面積”は中心を通る断面積)でほとんど変わりません。ちなみにわずかには暗くなります。これは,遠い恒星に惑星が回っているか確認する方法になっています。