石炭はCO2の排出量が多いと言われていますが,プロパンガスと比べてどの程度多いのでしょうか。0℃の水を沸騰点の100℃まで加熱するとき何リットルのCO2を発生するか考えてみました。これに必要な熱量は100 kcal=418 kJです(損失がないとして)。
石炭は炭素と考えて良いので,石炭の燃焼の熱化学方程式は次の様になります。
この熱化学方程式から,394 kJの発熱当たり,1モルのCO2が発生することが分かります。418 kJを発生させるときのCO2量は比例計算から1/394×418モルとなります。1気圧,0℃での体積はその22.4倍ですので24リットルのCO2を発生します。
一方,プロパンの燃焼の熱化学方程式は,
この熱化学方程式から,2219 kJの発熱当たり,3モルのCO2が発生することが分かります。418 kJを発生させるときのCO2量は3/2219×418モルとなります。1気圧,0℃での体積は22.4倍して,13リットルのCO2を発生します。
まとめると,石炭で0℃の水を沸騰させる時,24リットルのCO2を発生し,プロパンの場合は,13リットルのCO2を発生します。プロパンでは石炭の約半分のCO2を発生させることが分かりました。半分とは言え,プロパンでも多くのCO2を発生する訳です。