先ず,トリマによるあられ組の方法を述べます。ここではトリマにφ8 mmのストレートビットを使います。基準棒を,その左端がビットから8 mm右になるように置き,両面テープで固定しておきます。トリマビットの高さは木材の厚さと同じにします。木材Aの右端を基準棒に当て,垂直に固定します(木材の後に移動できる垂直板があるので,クランプで固定します)。そして,木材Aを移動できる垂直板と共にずらして,回転しているトリマビットを通り過ぎると,切り込みが入ります(図左)。次にその切り込みを基準棒に挿して,同様にトリマにより切り込みを入れます(図中央)。すると残った部分と,切り込まれた部分の幅が同じ8 mmの切り込みができます。
次に,木材Aを裏返して,切り込みを基準棒に挿します。その左に木材Bを当て固定します(図左)。そして,木材Aは取り除きます。これで木材Bの右端から基準棒の左端までの距離が8 mmになります。上と同様にしてトリマで削ると木材Bの右端に8 mm幅の切り込みが入ります。その切り込みを基準棒に当て同様に次の切り込みを入れます(図中央)。トリマビットが木材から外れるまで繰り返します。
この様にして出来た木材A,Bの切り込みを向かい合わせて表示させると下の図のように突起と切り込みが一致します。直角に差し込むとあられ組となります。
上の説明ではトリマビットと基準棒との間の長さがトリマビットの径と同じである必要があります。そうするための基準棒のセットの仕方を述べます。下の写真の垂直の板とそれにつながっている水平の板(このセットを以下,移動部と呼びます)はトリマに対して奥行き方向に直線的に移動できます。最初に,トリマを回して,移動板をトリマビットに通します。これにより「φ8のトリマビットを通した跡」ができます。このトリマ跡の水平の部分に□8の角棒を挿し,その右端に同じ大きさの角棒を当て,更にその右に基準棒を置きます。基準棒の下には両面テープを貼り付けておいて固定します。基準棒の幅が8 mmのままだと,木材を抜くとき両面テープが剥がれやすいので,基準棒の右側をヤスリで少し薄くしました。この後,左の2つの角棒を外せば,基準棒が,トリマビットの右8 mmのところにセットされます。
上の角材が歪んだりしていると正確に8 mm右にセットできません。もしずれてしまった場合はどうなるか考えてみました。下は,基準棒が1 mm余分に右にずれてしまった場合です(1 mmずれることはまずありませんが,結果が誇張して見えるので,このずれ方で検討してみました)。
その木材Aを用いて木材Bの最初の位置を決めた後,同様に切り込みを入れます。
このようにして切り込みを入れた木材AとBを合わせてみると下の図のようになります。突起部の幅が切り込みより広くなるため,挿すことが出来ません。実はこんなにはずれていないが少し幅が広くなってしまった状態で作った切り込みを,木槌で強引にたたき込んだところ,木材が割れてしまいました。
次に,トリマビットと基準棒との間隔が8 mmより狭かった場合(ここでは強調して7 mm)を考えてみます。これで木材Aを加工したのが下の図です。
上の工程でできた木材Aを基準にした,木材Bの切り込み過程を下に示します。
上の場合の木材AとBを向かい合わせて表示させると,下の様になります。挿りますが,ゆるゆるです。
木材は多少変形が可能ですから,わずかに(紙1枚程度)きついくらいだと,木槌でたたいて入れても割れないし,きちっとつながります。いずれにせよ,慣れるまでは基準棒をセットした後,試し切りして適当な きつさ になるようにする必要があるようです。今回,試しては切り込み部分をのこぎりで切り落とすことを3回くらい繰り返して良いところを見つけました。基準棒は取り外さなければ,以降,試し切りをしなくても使えるでしょう。