-出力電流を調整するための回路-
先の記事で,最初に決めた回路定数では6.5 Aしか流れず,8 A以上にするための方策を考えるとしていました。当初考えていたのは,R(E)に並列に抵抗器を付け足すことです。計算した結果,付け足す抵抗器の抵抗値,ワット数を考えると,希望のものは単独では入手できないことが分かりました(組み合わせれば可能)。
次にV(Z)の値を大きくすることを考えました。希望通りのツェナー電圧のものはやはり入手できません(たくさん購入して,ばらつきの中から選べば見つかるかも知れません)。実現可能な方法としては,整流用ダイオードの順方向電圧を利用することです。Zに直列に順方向にダイオードを足します。
ここまで考えてきて,いっそのこと電流を可変で調整できるようにしようと考えました。この定電流回路では,電源のプラスとベース間の電圧を一定にすれば,定電流が流れます。その電圧を変えれば電流値が変わります。そこで,電源プラスからみた電圧を一定でかつ可変にできる回路を付けることにしました。下に考えている回路図を示します。ツェナーダイオードと1 kΩが直列になっていて,ツェナーダイオードの両端の電圧が6 Vで一定となります。そこに半固定抵抗器が入っていて,(プラス端子)-(ベース)間が0 Vから6 Vの範囲で可変となります。この電圧は,負荷をかけると変動してしまうので,エミッタフォロワを入れて出力とします。