カメラを用いた透光度の簡易測定  | 技術日誌

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ここでは,電子工作,木工などの趣味での記録を書いています。
なお当初はKMK研究所のメインテーマであるSPSのノウハウを書いてきましたが,順次SPSノウハウのページに複製を作っていきます。

 カメラを用いた透光度の簡易測定法を紹介します。簡易法でありながら,完全透過から1/1000程度の非常に透光度の低いものまで測定可能です。
 この測定のために,光源を入れた箱を作りました。箱の底部にはLEDが二次元的に配置されているLEDモジュールを取り付けました。そこより少し離した上に乳白色のオパールアクリル板を置きます。これにより二次元的に並んだLEDの点が均され面光源的になります。上の面にはガラス板を置いてあります。


 ガラス板の上には,中央に四角形の穴を開けた黒い紙を置きます。これとは別に,黒い紙の四角形の穴よりすこし大きな黒色のプラスチック板にポンチで試料のペレットサイズより少し小さな穴を開けたものを用意します。種々のサイズの試料に対応するため,何種類かのサイズの穴の開いたプラスチック板を作っておきます。これを黒い紙の長方形の穴の上に載せます。


 ここで,穴だけと,穴の上に試料を載せたものを撮影します。


 このときカメラの測光モードをスポット(画面中央の1点の明るさで露出を決める)に設定します。


 撮影されたjpegファイルをエクスプローラーで見ます。画像ファイル上にマウスカーソルを置き,右クリックして「プロパティ」を選びます。下の画像はプロパティウインドウの詳細タグを選んだものです。ここで露出時間と絞り値の値を控えます。ちなみに,ISO感度は,「穴だけ撮影」と「試料を載せて撮影」とで同じ値にしておきましょう(カメラの設定を変えなければ大丈夫です)。「穴だけ撮影」のシャッター速度,絞り値をそれぞれSS0,B0,「試料を載せて撮影」のシャッター速度,絞り値をそれぞれSSS,BSとします。


 透光度は下の式で求めることができます。絞り値を二乗にするのは,光量がレンズの径ではなく,面積に比例するからです。


 カメラの性能からは1/1,000,000位までの透光度を測ることができます。