高温のSPSでは必ずカーボンフェルトを付けよう | 技術日誌

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ここでは,電子工作,木工などの趣味での記録を書いています。
なお当初はKMK研究所のメインテーマであるSPSのノウハウを書いてきましたが,順次SPSノウハウのページに複製を作っていきます。

 下の写真はダイが赤熱している様子です。赤熱しているダイからは赤外線が放出されていて,周りはそれにより加熱されます。チャンバーの金属部分は,内部に冷却水が流れているので過熱することはありません。ただし石英窓には冷却水が流れていません。このSPS装置では,石英窓は正面の観察用と側面の放射温度計用があります。特に正面の石英窓はダイに近いためかなり加熱されます。石英が加熱されると真空をシールするためのゴム製のOリングがだめになります。私どもの失敗例として,実際にOリングが変質してしまったことがあります。


 カーボンフェルトを付けてSPSを行うと,カーボンフェルト部分は赤熱しません。ですから赤外線の輻射も少なくなり,石英窓が過熱されるのを防ぎます。