下記記事でとりあげたスペーサーの作り方を紹介します。
ベークライト板やプラスチックから正方形に切り出すにはカナノコを,木材から切り出すにはのこぎりを用いれば簡単にできます。また内側の切り込みも,辺から内側に切り込む(下の図のイとロ)のは楽です。残った奥の部分(ハ)を切り出すのは意外と大変です。
1 mm厚以下のベークライト板やアクリル板の場合は次の様にします。アクリルカッターやカッターナイフで裏表直線の傷を入れて折り割ることにより,目的の幅の細長いものを作ります。更に同様にして傷を入れ折り割り正方形の板を作ります。次にイとロの部分はカナノコで切り込みを入れます。最後にハの部分はアクリルカッターやカッターナイフで両面に傷を入れて折り割ります。
木材や,厚いベークライト,アクリル板では,傷を入れて折り割ることができないので次の様にします。先ず,正方形に切り出すには,木材はのこぎり,ベークライトやアクリル板ではカナノコを用います。イとロの部分も同様にして切り込みを入れます。ハの部分はのこぎりやカナノコを入れられません。また傷で折り割ることもできません。私はフリーウェーコックッピングソーを使います。これは糸鋸の一種です。通常の糸鋸は切り進む方向は一方向のみです。刃の奥行きが短いので切りながら向きを変えやすくなっています。これを使ってもハの部分を何とか切ることができます。一方,コックピットソーは360度どの方向にも切り進むことができます。ですから,刃をイまたはロの切り込みからハの部分まで差し込みハの部分を切ることができます。
しかし,糸鋸やフリーウェーコックピットソーではなかなか直線的に切ることができません。できればやすりで平らにしたいところです。ところが,ハの幅が狭く,入るやすりは細かいものになってしまい,効率的に平らにするのが難しいです。私はカナノコの刃を3枚程重ね,刃の取り付け穴をビスで留めたものをやすり代わりに使っています。
パンチより太いドリルの穴を開けることができる場合は次の様な方法もあります。先ず,パンチより太いドリルで下の図のハのような丸い穴を開けます。次にカナノコなどによりイとロの切り込みを入れます。上とちょっと異なった形状ですが,パンチの断面は円形ですのですっぽりと入ります。