K様 ポルシェ996がエンジン不調で入庫しました。
1気筒死んでいる感じで調子悪いです。エンジンチェックランプも点灯しています。
アイドリングもばらついていますが3000rpmをしばらくキープさせると治ったりします。
テスターで見てみるとNo5シリンダーミスファイアと出てきます。
IGコイル、プラグ、インジェクターを入れ替えても症状は変りません。
後期のバリオカムプラスで割とよくあるタペットの油圧アジャスター不良っぽいですね。
本来はエンジンを降ろしてアジャスターを全部交換ですが、今回はなるべく安価でというお客様からの要望によりエンジンを降ろさずにNo5シリンダーのインテーク側アジャスターのみ交換することにしました。
996/986用のエンジンタイミング調整用のSSTです。
エアクリーナーを外してクランクを上死点で固定します。
右側のマフラー、エキマニ、マフラーステーを外します。
IGコイルも外します。
カムシャフトの固定ツールを取り付けます。
ヘッドカバーを外しました。エンジンオイルを替えたばかりなので今回は再使用します。
抜かずにカバーをあけたらオイルが4L出てきました。
カム固定ツールを外して無理が掛からない程度にカムシャフトをずらします。
No6は余裕でアジャスターを外せます。No5はぎりぎりですね。No4は無理です・・
左2個が新品で右2個が外した物です。真ん中の部分が引っかかっていて完全に戻らない状態でした。
これですとバルブが完全に閉まりきらないですね。
アジャスターを交換してプラグホールのシールも新品に交換します。
ヘッドカバーは綺麗に洗ってから
専用の液体ガスケットを塗って組み付けます。
カムのサービスホールのシールも交換しました。
オイルポンプのOリングも交換します。
全部元に戻しました。
液体ガスケットが乾くのを待つ間にFスラストロッドを交換します。
社外品で少し厚さが違います。ブレーキダクトを少し加工して取付けします。
治っているはずですが実際にエンジンを掛けるまではドキドキです。
結果は完治して非常に調子よくなりました。
アニバーサリーはハイパワーキットが組んであるので、完調ですととてもパワーがあっていいです。
ところがエンジン右後ろからオイル漏れが発生しました。
オイルポンプあたりから漏れています。
Oリングがずれて組んでしまったかとよく確認してみると合わせ目でなくポンプ本体から漏れてます。
外して漏れている部分を磨いてみると穴が開いていました。
ちょっとした穴ではオイルが漏れることはありません。どこからオイルが来るのか???
Oリングの裏側にも穴があるのを発見しました。この2箇所の穴が繋がっていました。
製造した時の鋳造時の巣のようです。
外す前まではOリングが穴を隠すようにはまっていたので漏れなかったようです。
穴に2液の接着剤を流し込んで塞いでから
液体パッキンを多めに塗ってOリングを組みました。
オイル漏れは止まりました。
その後、車検整備をして陸事持込や試運転で乗りましたがオイル漏れはしなかったので
大丈夫と判断しました。
ポルシェでもこういうパーツ不良があるんですね。