野菜の価格に関する記事が出ていたので、抜粋して紹介します。
(5月9日 日本経済新聞)
国産野菜 育たぬ値上げ力
~02年比3割高、9割高の果物と差~
~ブランド化・海外開拓難航~
「近年値上がりが著しい果物に比べ、野菜の価格上昇が鈍い。東京都中央卸売市場での2023年の野菜の平均卸値は 1kg 271円と、東京都のサイトで遡れる02年と比べ3割高だった。一方、果物の23年の平均卸値は 527円と02年比で9割上がった。果物のように高単価化が難しいうえに、対照的な海外市場との関連性が背景にある。」
「価格上昇幅の差が大きい根底には、果物と野菜の”位置づけの違い”がこの間に明確になったことがある。専門家は”果物は嗜好品として食味などの付加価値を高めたが、野菜は調理が前提で料理の具材などとしての位置づけが変わらなかった”と指摘する。」
果物の例として、ブドウ「シャインマスカット」が挙げられています。
「野菜には、こうしたブランド化の大きな波はなかった。キュウリとキャベツの23年の卸値は02年比でともに 1.3倍だった。 野菜でもブランド化する例はある。例えば、トマトは”フルーツトマト”といった果物のような捉え方が広がり、個々の産地や生産者が栽培方法や品種を工夫し販売単価を上げる動きがある。 サツマイモも焼き芋ブームを追い風に、糖度を高めたり、ねっとりなど食味を工夫したりした品種が増えて需要を創出している。」
「野菜は日持ちがしづらく”他国産とも差別化が難しい。輸出した際、日本産の利点を訴求しにくい”。さらに不作時には加工・業務用を中心に安価な輸入野菜が増える。(例として、23年のニンジンの輸入量が挙げられています)」
「野菜は”価値”を上げられないか。専門家は”食生活の必需品である野菜は、ブランド化で単価を上げても消費はついていきにくい。安定的に手に入ることに価値がある”と指摘する。」
「”値段を上げたくても上げられない”(都内の青果卸)野菜。日々欠かせない野菜の値上がりは家計に直結する分、消費者も価格の変化には敏感だ。農家が消費者の声に応えつつ収益力を高めるには、生産性を高めて安定的に量をつくる仕組みを磨くことが欠かせない。」
趣味で家庭菜園をやっている私にとっても、最近の農業資材(肥料やビニールなど)の値上がりは痛いです。野菜農家は、生産資材が上がって販売単価は上がらない、という二重苦で大変でしょう。海外からの輸入野菜も気になります・・・。