建築少年の時々日記 -23ページ目

狭小住宅のはなし2

いよいよわが人生最小の狭小住宅が上棟します。

本当に小さくかわいらしい住宅になりそうです。

ここまで狭小になるといわゆる当たり前の寸法がまるで役に立たないとプラン段階か

ら予測されたのですが、実際現場の骨組みの中に身をおくとその判断は間違っていな

かったのが確認できました。


この住宅に関しては通常の住宅のプログラムはまったく通用しないので

視覚的にも機能的にも身体に馴染みのよい寸法を見極める必要がありました。

なぜかというとくどいですが狭いからです、狭いからといってただただ天井を高くす

れば広く感じるという事でもなくそこを居心地のいい気持ちよい空間をつくるにはそ

こに重心がないと非常に落ち着かない空間になります。目に見えない拠りどころとで

もいいましょうか、他にも様々な要素はありますが落ち着くというう感覚の重要な要

素であるのは間違いないです。


これは狭小住宅に限らずどんな住宅にも当てはまります。日本の住宅建築家の良心と

もいうべき吉村順三先生の受け売りではありますが、ここに単純に建材の性能だけで

は片付けられない、心から気持ちよいといえる住宅建築をつくる難しさやら楽しさが

あると思います。高性能な住宅を科学的な建築とするならばこの住宅は極めて動物的

な建築といえるような気もします。

もっともっと目にも心にも 気持ちよくて居心地もよくて愛着のわく早く家に帰りた

くなる住宅を追求していこうと改めて思いました。

攻める建築

毎月数冊の建築雑誌を読んでいるのですが、今月の「住宅建築8月号」は久しぶりに

読み応えがありました。竹原義二さんの近作が取り上げられていたのですが、非常に

刺激を受けました。10年ほど前から色々なことをその作品から学ばさせていただい

ていたのですが、数年前に竹原さんの自身の自邸を発表されてその強烈な印象と力強

さに感動を覚えたのですが反面この自邸を超える作品はもうないのではないかと寂し

さのような物を感じたのですが、今回はそんな戯言を払拭してくれそうな新たな構想

の住宅建築でした。もうそろそろ還暦をお迎えになられようかというにもかかわら

ず、その攻める姿勢に感動しました。漫画家の手塚治虫さんが年齢を重ねても構想は

無限にわいてくるという言葉を思い出しました。 


また建築の素晴らしさに熱くなりました。

収納のはなし

新築の依頼があると必ずといっていいほど「収納はたくさん作ってくださいね」

というご要望をききます。具体的にどのくらいの収納が必要なのか?

その目安にに収納率といったものがあります。住宅の場合8%~15%といわれてい

ます。が、実際どうなの?という疑問が残ります。

こういう数字の指標があれば人を納得させやすいといえるのは間違いないでしょう。

しかし、収納率というのは収納面積を床面積で割っただけの単なる数字でしかないの

でいわゆる使い勝手とはまったく別の話になります。

ただただ広いウォークインクローゼットや納戸があっても十人十色の生活パターン

やそれぞれの場面によって適当な場所に適当なサイズの収納がないとあっという間に

物があふれかえってしまう、もしくは物を取るのにジャングルをかきわけていかない

といけないといった具合になるのは必然でしょう。



そもそも日本の家には物が多いといわれています。

食生活にしても和、洋、中、と言った具合でさらにそのための調理器具、食器

といったものがそもそも多いのです。

単純に物が片付く設計がされていないという人もいます。



単なる数字の収納率とやらに惑わされずきちんとそれぞれの場面や行動パターンを

推測した痒いところに手が届く住宅建築を作っていかねばと思います。

あとはいらないものは買わない、買ったものは長く大事に使うという

当たり前なんだけど最近忘れられつつある物を増やさない質素な暮らしみたいなもの

が重要なのかと思います。



屋根の家のはなし

3f360b6c.jpg以前ここで紹介した大きな屋根の家の足場が取れましたので

ご紹介します。

ほとんどの部分が平屋で2階には1部屋といったなんともうらやましい住宅ですが

この住宅は高気密高断熱住宅で気密テストも優秀な成績でクリアしあと少しで完成を

迎えます。今まで約100軒あまり建ててきたのですが、その中でも指折りの施工何

度の高い住宅でした。内部はほとんどが杉の野地板が化粧の現しでしかもそこを高性

能グラスウールを充填し気密シートで包み込むといった方法なんですが。

口で言うのはたやすいのですが、通常の3倍から5倍の手間のかかる仕事でした。

あと1ヶ月弱この住宅にかけた苦労と情熱が無駄にならないようにがんばります。

超長期住宅先導的モデル事業のはなし

平成20年度 第1回超長期住宅先導的モデル事業にSE構法と

その他各分野の専門メーカーがコンソーシアムを組んで共通の

「200年住宅」仕様の開発と地域ビルダーに対しての資材供給を

含めた総合サポートシステムが採択されました。



今回は603件の応募の中から40件採択されました。

まだ最終決定には至らないようです。



長寿命化に資する住宅として標準的なものというよりは

先導性を示すメッセージが具体的かつ明確であることに

評価の重点をおかれたようです。以下は内容の一部を紹介します。

「可変性の高い木質ラーメン構法を使用することを軸に、

各分野の企業がコンソーシアムを形成し、中小工務店に対して、


設計、資材供給等総合的にサポートするもので、耐震性、

維持管理容易性、修理点検履歴等のデータベース保存、

コールセンターでの施主への対応など、総合的に提案。

構造計算書を含めた記録の保存、施主に対するコールセンターの設置など、

主に維持管理への取組みにより、中小工務店を支援する取組みを評価した。」

(建築研究所ニュースより引用)



上記のように仕組みに対する評価で非常に大きな話なんですが

我々のような中小工務店は大手ハウスメーカーと競合していくには

このような仕組みの支援があってこそいわゆる中小ならではの

個性を発揮できるのだと思います。やはり認知度、規模、

洗練されたカタログ、展示場も含めてあらゆる面でハウスメーカーには

かないませんでしたが、よく言う対応のきめ細やかさや、融通性、

本来的な意味での自由設計、地域密着、また来年から施行される

瑕疵担保履行法ではハウスメーカーも我々も全く同じ保証をすることになります。

ですので 明快な建築の性能と保証と仕組みづくりで

中小の弱点を克服できうると思います。

まだまだ中小ビルダーにもチャンスはたくさんあると思います。

SE構法のはなし

金物工法と呼ばれるもので使用される接合金物は

300~400種類あるといわれています。

その中でSE構法だけが唯一準ラーメン構造

(半剛性フレームシステム)として大臣認定されている工法です。

何が違うのかといいますと通常の接合金物は在来木造の

接合部の断面欠損が少ないといううだけで在来木造と

なんら違いはありません。

木造2階建て住宅の97%は構造計算されていない

というのが現実で、いわゆる壁量計算がされているのみです。

壁量計算とは実にあいまいで筋交いの向きや位置、

強度に関する部分は極端に言えば職人任せ的なもので

公的機関の検査でもそれ以上の追及はできないのが現状です。

設計事務所によってはきちんと構造計算をしていて

構造耐力の確認ができていても壁量計算もしなくてはならない

という矛盾もあります。SE構法においては構造計算のみでOKです。

あと建物を設計する上で非常に大事なのが

バランスの問題です。強弱が偏っていては

地震など大きな外力がかかったときには

結局弱い部分に力が集中し壊れるというものです。

従来の算定方法ではそのバランスを裏付けるのがあいまいな状態です。

ではそのバランスがよい建物の構造計算書があっても

難しい計算式が羅列されていて何がなにやらさっぱりわかりません。

そこでSE構法では構造計算書とは別に明快により具体的に

誰が見てもわかるように示しています。

一生に一度の買い物で、家族の命を守る家ですから

具体的にどれだけの構造耐力があるのか知った上で

安心して暮らしたいです。

集成材のはなし

最近では当たり前のように使われている集成材ですが、

その歴史は以外に古く1927年にデンマークの

コペンハーゲン中央駅舎で本格的に製造されたといわれています。

その建物は今も現役で接着集成材の強さが認められています。

当然無垢材は樹種によって強い材弱い材また同樹種でも

強い部分弱い部分があります。

集成材はといいますと、柱などは均質な強度のものを集成します。

梁材は材の上部と下部には硬い部分を使用し、その間には

やわらかいものを使用しより粘り強さをひきだしています。

鉄やコンクリート等色々な構造部材があるなかで

もっとも軽くて粘りがあり強い材はやはり木です。

そこに工業製品として構造計算をできる均質さが加わることで

大規模の木造の建築物が可能になってきています。

三重県の海の博物館を集成材で設計された

内藤廣さんは接着剤の寿命は実際のところよくわからないから

力が圧縮場に働くようにアーチ構造で設計したとのことです。

できるだけ接着剤に負担をかけないで安全側で設計している慎重振りでした。



これほど巷で当たり前になってきた集成材も非常に奥が深いものです、

どういう製造工程を経てどんな材が使われているのか

というのも今後住宅を建築するにあたっては

重要な性能の選択肢のひとつになると思われます。

リノベーションのはなし

短期決戦の美容室の工事が無事昨日の夜10時くらいに完成しました。

今日からの営業にもかかわらず、ギリギリまで作業をさせていただいて

ありがとうございました。


これ以上空間を利用できるところはないと言い切れるくらいスペースを

使い切りました。

最近では小さい部屋をつぶして大きい空間を獲得するというリフォームが

主流にはなっていますが、今回のように実際に使う人がこれなら使えるという

建築常識的な寸法を覆す目からうろこの発想で仕上げました。

しかし使うとこれがなかなかのもので、ちょうどコタツの周りに日常使うものが

手の届く範囲にレイアウトされているといったイメージです。

身体的な寸法に納まっていたということなんでしょう。

身体的な寸法には今後の住宅建築の中でもこだわっていきたいところです。



お店が完成して効率化され明らかに以前の問題点も改善したと思える、

これこそリフォーム、リノベーションの原点だということを再認識しました。


サーチエンジンのはなし

タクトホームにもホームページがヤフー神戸で家を建てるの検索ワ

ードで1ページ目に表示されました。それも上のほうで!

これだけでもとてもうれしい限りですが、その反面もっともっとホームページを充実

させていかなければならん!と奮起しております。


見やすく!楽しく!わかりやすく!


お手本にすべきHPは多々ありますが 

タクトホームらしい手作り感の漂うHPにしたいです。

そういうのを目指していきます。

本日より垂水駅前の美容室の改修工事が始まりました。

何度も経験しているものの、短期決戦の店舗工事は緊張します。

半日たりとも無駄にできないので非常に緊張します。

緊張ばかりですが、こういうのが大事なのだと思います。


スタッフの皆さんは日ごろなかなか連休が取れないそうなので

これを期に皆さんで旅行に行ってはります。


帰ってきたときには仕事がしやすくなったと言っていただけるように頑張ります。







IKEAのはなし

最近テレビ番組などで頻繁に取り上げられみなさんも良くご存知の

スウェーデンの大手家具店のIKEA神戸店の盛況ぶりもすこぶるでしたが、

驚かされのが住宅設備機器メーカの売り上げがIKEAが開店したエリアは

軒並みダウンするだろうという事でした。



すべての家具がノックダウン式でデザインの種類も豊富で商品デザインと

物量とその価格とあの混雑振りを見てそれもまんざらではないと思いました。

IKEAに行けば住空間に関するものはすべてがそろう、しかも「きちんとデザインされ

たものが低価格で」こういう認識がすぐに定着するのだろうなと思います。



インテリアコーディネイトが不得意な人でも簡単にイメージできるように多種多様な

生活スタイルを想定したのショールームも効果絶大だと思います。夢が広がるショッ

ピングになりそうです。ついつい買いすぎてしまいそうですね。


間違いなく関西地区の住宅インテリア産業業界の構図が変るとおもいます。



もうひとつ気になったのがIKEAのこの巨大店舗にある大量の商品がいずれはごみにな

るのかと思うとぞっとしました。

やはりクラフトマンシップあふれる高級家具に比べると間違いなく長持ちしないもの

も多いと思います。

割と早いサイクルでごみになることが考えられます。

商品が非常に安いので「壊れたら修理しよう」ではなく「また買えばいいや」という

感覚に陥りやすく、さらにものを大事にしない風潮が加速されるのないかではと思い

ます。

いわゆる日本人の美徳であったり美意識は失いたくないものです。