■講義前に「郷校」を訪ねて孔子様に敬拝を捧げた理由とは!*´ヮ`)/ | 韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

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ポッドキャスト韓国語マガジン“サランヘヨ・ハングンマル”の編集長が、韓国と韓国文化の見つめ方を伝授します。

セミナー5日間の最終日が私の講義で、しかも私だけ午前と午後4時間を任されました。

 

 

●講義前に「康津郷校」を訪問したわけ

 

今年最も思い出に残った全羅南道康津郡への講演紀行、続きは2日目のいよいよ講義の日の様子です!♪ヽ(´▽`)/

 

今回招請してくれたのは「成均館儒道会康津支部」だったわけですが、そういう所で講義をする者のたしなみとして、朝ホテルを出るや、会場に向かう前に「康津郷校」を訪問しました。基本的に初めて儒道会に呼ばれて講義する時にはそうするのですが、その理由は、「郷校」が単なる地域の昔の教育施設である以前に、孔子を祀る宗教施設でもあるからです。

 

日本では儒教というと単なる学問ですが、韓国では孔子を教祖とするれっきとした宗教でもあります。つまり、講義を聴く人々の多くが儒教信者であることが多いため、しっかりと講義の中で、「郷校に寄って孔子様に敬拝をしてきた」というのといわないのとでは、参加者の聴く姿勢がまったく違ってくるわけですよね。たとえるなら日本で「神道」に関する講義をするのにその地の神社をお参りしたか、しなかったのかの違いに近いかと思います。

 

もちろん、聞く人がみんな「儒教徒」であるかというと、それはそうでもなくて、今回、私を呼んでくださった役員の中にもカトリックの信者の方がいらっしゃいましたが、けっこうキリスト教徒や仏教徒で、教養として学びに来ているという方もいらっしゃいます。あと、少し前の記事に、「聞く人たちには女性もいるのか」という質問がありましたが、各地の儒道会には「女性儒道会」という組織があることも多く、もちろん女性の方たちもいらっしゃいます。

 

ただし、その比率は地域によって違っていて、今回の講義では圧倒的に男性が多くて、女性は2人しかいませんでした。でも逆に、私が毎年呼ばれている忠南保寧市の南浦郷校の講座では、毎回女性が8割、男性が2割くらいです。なぜそうなのかというと、南浦郷校は文化センターの教養講座のように運営されているためであり、それに対してここ康津のような場合は、専門性が高くて、はっきりいってメチャクチャ博識な儒教の学者たちの集まりのようになっているためなのでした。儒教の学者というのはさすがに男性が多いわけですよね。(^^;)

 

 

●海南名物「サツマイモ・パン」に感動!

 

ということで、前日に案内してくださった金世鍾さんと一緒に朝早く「康津郷校」を訪れたのですが、郷校は基本的に山の麓のようなとても美しい場所にあります。構造としては入口に鳥居のような赤い「紅箭門」がある場合が多いのですが、その横には馬から下りることを命じる「大小人員皆下馬」と書かれた「下馬碑」があります。その門を入ると、まず「太極」が描かれた「外三門」があって、必ず右側の入口を通って入る(出る時は逆)のですが、中には左右に「東斉」と「西斉」があって中間に儒教を教える講堂である「明倫堂」があります。その奥にまた太極が描かれた「内三門」があって、それをくぐると、左右に「東廡」と「西廡」があって、一番奥に孔子を祀る正殿としての「大成殿」があるということになります。

 

ただ、この康津郷校は今「大成殿」が工事中で、たぶん「40億ウォン」と聞いたと思うのですが、高額な費用を投入して建て直しをしていました。この現代にさらに建て直し工事をしていることからも、この康津がどれほど儒教が盛んであるかよく分かると思います。それで、本来「大成殿」の中に祀られている、孔子をはじめとする各聖人の位牌は、今だけその下の「明倫堂」の中に移されているということで、いちおう、その前で「クンジョル(敬拝)」を捧げました。(講義の中で話すためだと書いた立場で申しわけないですが…)(^^;)

 

ということで、今回の講義は「2023年度儒林忠孝・礼節教育」と銘打たれて、5日間、午前2時間、午後2時間で10講座がなされたのですが、講師の数は私を入れて9人。唯一私だけが最終日の午前と午後、2講座を任されたのでした。ちなみに1日目の午前中の講義はドラマなどで有名な俳優の金炳朝(キム・ビョンジョ)さんだったということでしたね。

 

反応はとてもよく、終了後に郷校の校長である典校さんの部屋で役員の方々からもったいない讃辞をいただくことができました。それらを一言でいうと「噂どおりでした」みたいな話だったのですが、いったい私の講義に対するどういう話が交わされていたのかはまったく定かではありませんね。(((°`∇´°;)))

 

ということで、帰りは羅州駅からKTXに乗ったのですが、列車の中でお土産にいただいた、海南名物の「サツマイモ・パン(고구마 빵)」がとっても美味しくて感動しました。お隣の海南(ヘナム)から駆けつけてくださったという女性の方がくださったのですが、本当にお菓子好きな日本人の私の心を捉えた最高のお土産でしたね。ありがとうございました!ヾ(≧∇≦)〃♪

 

 

 

朝早く訪ねた康津郷校の「外三門」。必ず右側の扉から入ります。出る時は左。

 

 

手前は「明倫堂」。「内三門」も見えますが、その向こうの「大成殿」が工事中です。

 

 

こちら側に「明倫堂」の入口があります。向こうは「東斉」。

 

 

「大成殿」が工事中なので「明倫堂」の中に迎えられた孔子様の位牌に敬拝。

 

 

位牌に「文宣王」とあるのは死後に歴代の王から与えられた封号ですね。

 

 

孔子の弟子たちや以降の儒教の聖人たちの位牌も周りに並んでいます。

 

 

ということで会場となった儒林会館。

 

 

館内を見学しました。ここは市民の通う書道教室。なかなかの作品が揃っています。

 

 

ということで始まりました。

 

 

偉い学者の方々をはじめ地域の知識人たち、儒道会の役員たちが揃っています。

 

 

午前の部は日韓の文化比較。午後は日韓の歴史と宗教の比較をしました。

 

 

中間にいただいたお昼ご飯です。

 

 

美味しい「ソンジ・ヘジャングク」でしたね。

 

 

午後の講義です。本当に皆、熱心に聴いてくださいました。

 

 

帰りは羅州駅まで車で送ってくださいました。

 

 

KTXに乗る前に少し早めの夕食をいただきます。「アッパ・コムタン」。

 

 

羅州名物の一つはやはり「羅州コムタン」なんですよね。

 

 

無難な水準ですが、基本がとても美味しい料理です。(*´ヮ`)/

 

 

海南(ヘナム)から参加された方にいただいた「海南サツマイモ・パン」。

 

 

見かけはサツマイモ。

 

 

パンではなくふわふわのお餅でしたね。これは私の好みです。

 

 

中にサツマイモの餡が入ってめちゃくちゃ美味しかったです。ヾ(≧∇≦)〃♪