■6・25戦争72周年迎え分断の悲劇の本質考えさせてくれる名作!´▽`)/ | 韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

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ポッドキャスト韓国語マガジン“サランヘヨ・ハングンマル”の編集長が、韓国と韓国文化の見つめ方を伝授します。

「必死の脱出、私たちは必ず生還する!」

 

 

昨日は、歴史的な韓国戦争勃発の日である6/25でしたね。韓国では、朝からそれを記念する6・25韓国戦争第72周年式典が、韓国と国連軍の参戦勇士の方々が参加する中で開かれ、テレビ中継されて、国連参戦国と医療支援国24ヵ国国旗の入場に始まり、平和を願う舞踊や歌の公演、参戦勇士への感謝の言葉を伝える各界各人の映像、勲章の授与などが行われました。(*´ヮ`)/

 

そういう中で、今日、ご紹介する韓国映画は歴史的な事実をもとに演出された、キム・ユンソクさん、チョ・インソンさん、ホ・ジュノさん主演の映画『モガディシュ~脱出までの14日間(原題:모가디슈)』(リュ・スンワン監督)です。日本では今週7/1から劇場公開もされているということを知ってご紹介してみようかと思いました。韓国では昨年夏に上映されたのですが、その後、第42回青龍映画賞で作品賞、監督賞ほか5部門を受賞し、大ヒットを記録しましたよね!ヾ(≧∇≦)〃♪

 

韓国が南北に分断されて、本来は国内の南北の衝突として、南は北がソ連の傀儡政権に国土を侵略されている状態として憲法に記し、北は南が帝国主義米軍の傀儡政権に侵略されていると規定した中で、韓国戦争も「6・25動乱」と呼んでいたわけですが、1990年にはすでに互いに動かしがたい分断の中で、自分たちの政府が半島を代表する国家として国連に加盟するということを目指していたわけです。

 

映画では1990年、そのためのアフリカ諸国の票集めをするために、ソマリアの首都モガディシュで、ロビー活動と妨害工作や情報操作の外交戦争を行っていた南北の大使館員たちとその家族たちが、突如勃発した内戦の激戦に巻き込まれて、結果、生き残るために同族として助け合いながら必死の脱出劇を繰り広げるようになるという、実際にあった事件を描いています。以降は、翌年の1991年に南北両方が国連に同時加盟する結果となり、「6・25」も「動乱」ではなく「戦争」と呼ぶようになるわけです。

 

前のほう、3分の1くらいまではほとんどコメディであって、いかにもさえない当時の外交合戦が面白おかしく描かれるのですが、それ以降、一気に深刻な事態に様変わりし、そうなってくると前半のコメディ的な笑い要素は、逆に悲劇を引き立てる痛みへと切り替わっていきます。そのあたりの光と影の演出はさすが、『ベルリンファイル』や『生き残るための3つの取引』のリュ・スンワン監督です。

 

ラスト近くで2回涙を流したのを覚えているのですが、一つ目は、彼ら南北の外交官と家族たちが一緒に銃弾の降り注ぐ中を走ってイタリア大使館に飛び込もうとした時に、韓国大使が走りながら叫んだ「We Are KOREAN!」という言葉です。それまで一緒に助け合いながら逃走してくる中で芽生えた連帯感によって、その一言を叫びながら、その瞬間、南北民は一つの民であるという実感を訴えた感動的な場面でした。

 

もう一つが最後です。両国の外交官家族を乗せた飛行機が、ケニアのモンバサ空港に到着した時、地上で待っている韓国の安企部要員たちや北朝鮮の要員たちを意識して、飛行機の中で、韓国大使が「飛行機から降りたら絶対、互いに知らないふりをしなければならないので、皆さん、別れの挨拶をここで交わしましょう」といって、皆で涙をこらえながら最後の挨拶を交わすシーンです。

 

実際、両国の政府関係者がいる前で、互いに少しでも通じているようなそぶりをするならば、それだけで互いの国の反逆者、スパイ嫌疑をかけられて、逮捕されたり、たいへんな拷問を受けたり、投獄されたりということが充分にあり得たわけです。人間同士として互いに生死を懸けて助け合っただけなのに、それ自体が逆に命を危険に晒すような罪となるということを思う時、そんな政治など、そんな「国家」など、いかに馬鹿げた幻想だろうか。それが悔しく悲しくて、このシーンは思わず嗚咽して泣いてしまいましたよね。(>_<)

 

ということで、6・25戦争の72周年を迎えて、今一度この悲劇の本質を考えさせてくれる映画『モガディシュ(모가디슈)』、エンターテイメントとしても最高でありながら歴史と国家というものを実によく感じさせてくれる傑作としておススメです!個人的には韓国大使夫人役のキム・ソジンさんの大ファンなので、彼女のラーメン・パーマ姿が見られて本当に嬉しかったです!♪ヽ(´▽`)/

 

 

【あらすじ】 韓国が国連加入のために東奔西走した時期、1991年、ソマリアの首都モガディシュでは一触即発の内戦が起きる。通信も切れたそこに孤立した大韓民国大使館の職員と家族は、弾丸や砲弾が激しく飛び交う中で、生き残るために一日一日を耐え忍ぶ。そんなある日の夜、北朝鮮大使館の一行が助けを要請して門を叩くのだが…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


映画『モガディシュ~脱出までの14日間(原題:모가디슈)』(リュ・スンワン監督)予告編。

 

 

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