■仁川上陸作戦成功の真の英雄は平均16歳の学生兵たち!´ぅ_ ;`) | 韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

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ポッドキャスト韓国語マガジン“サランヘヨ・ハングンマル”の編集長が、韓国と韓国文化の見つめ方を伝授します。

「歴史をひっくり返した戦闘、忘れられた772人の記録」

 

 

●歴史の陰に隠れた本当の英雄たち

 

今年最も心が痛んだ、キム・ミョンミンさん主演の歴史映画『長沙里:忘れられた英雄たち(장사리 : 잊혀진 영웅들)』(クァク・ギョンテク監督)です。1950年の6・25韓国戦争の時に、北朝鮮軍によって一気に釜山まで追い込まれた韓国軍が、間一髪で大逆転をはかることができた、マッカーサーの国連軍仁川上陸作戦は有名ですが、その英雄的作戦を成功させるために、実は捨て身の陽動作戦を行った、歴史の陰に隠れた本当の英雄たちがいたという話です。(´ぅ_ ;`)

 

それは、まさにそのDデイに備えて、仁川から北朝鮮軍を離れさせるために、仁川とちょうど対角線上にある浦項の北の長沙里におとり部隊を上陸させたという作戦なわけですが、その作戦を遂行したのが、なんと、戦闘経験もまったくなかった、平均満16歳にしかならない少年学生兵たちを中心にした772人であったわけです。

 

その子供たちの一人ひとりの心情と事情が情深く演じられ、そのすべてがいとおしく、またその少年たちをいとおしむがゆえに責任を持って部隊を率いるしかなかったイ・ミョンジュン大尉の心情があまりにも胸痛いです。

 

 

●故郷の幼馴染と敵として殺し合う

 

大雨の悪天候の中で、北朝鮮軍の集中砲火を浴びて、ほとんどが上陸することすらできずに海のもくずとなったわけですが、それでも愛する家族のために命を懸けた勇敢な捨て身の戦闘によって長沙里を奪取します。そして、北朝鮮軍の援軍が続々と集まってくることになるわけですが、その事実はその陽動作戦の成功を意味すると同時に、彼らの絶望的運命を意味するわけで、その絶体絶命の状況にいかに立ち向かっていくかという姿を描いた映画になります。

 

何よりも心が痛むのが、北朝鮮軍もつい5年前までは、同じ国民であったという立場での同族相殺の戦闘であるということです。特に衝撃は、戦場で故郷の親しい幼馴染と敵同士として出会うという場面ですが、しかし、今は敵同士であり、相手を殺して戦争に勝たないかぎりは自らの家族を守ることができないわけです。

 

北朝鮮軍の軍服を着てスパイ作戦をするシーンも出てきますが、どう考えてもまだ分かれて間もない同じ民族同士であるのに、何を信じてその任務を遂行しなければならないのか。その悲しみの世界というものは、どんなに嘆いても、どんなに訴えても、どんなに癒そうとして、このように映画に描いてみても、決して晴らすことができないものであろうと思います。まさにこの時の国民的なPTSD(心的外傷ストレス)を癒すために、韓国映画には、血を流す残酷シーンがとても多いということを考えざるを得ません。

 

 

●日本人としての個人的な心痛む思い

 

そして最後に、映画を観ながら、日本人として個人的に最も心が痛んだことは、このすべての状況が、決して韓国人独自のゆえではないという事実。もちろん、6・25韓国戦争は北朝鮮軍によって起こされた悲劇であり、北が攻めてきた理由は、何より暴力をその革命手段として唱える共産主義国だったからであり、共産主義国だった理由はソ連が北朝鮮を占領して傀儡政権を立てたからなわけですが、その、ソ連が北朝鮮を占領した理由はというと、朝鮮半島が当時、韓国ではなく日本であったからなわけです。

 

ソ連は韓国という国を攻める理由などなかったのであって、あくまで日本に宣戦布告をし、そこが日本領土だったから北海道と朝鮮半島の北まで攻めてきたわけですが、日本が分割占領をまぬかれて国連の手にゆだねられたのに対して、植民地であったほうの朝鮮半島のほうが、とうとう解放されることなく分断の悲劇にいまだに見舞われているのでした。

 

そのような、愛し合うべき同じ民族同士が、イデオロギーのゆえに互いに銃を向け合い殺し合うしかなかった、人類の最大の悲劇について、今一度考えさせられるとともに、今も北政権の捕虜となっているような北の国民たちのことをはじめ、その対立によって犠牲になったすべての無辜の人々に深い追悼の思いを捧げたい映画でした。(>_<)

 

 

【あらすじ】 仁川上陸作戦D-1。イ・ミョンジュン大尉が率いる遊撃隊と、訓練をたった2週間だけ受けた戦闘経験のない平均17歳の学生兵772名を乗せたムンサン号は、仁川上陸作戦の陽動作戦である長沙上陸作戦のために長沙に向かう。悪天候の中、雨のように降りかかる銃弾を受けながら上陸を試みるのだが…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


映画『長沙里:忘れられた英雄たち(장사리 : 잊혀진 영웅들)』(クァク・ギョンテク監督)予告編。

 

 

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