■待ち続ける家族たちと助ける人々 | 韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

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ポッドキャスト韓国語マガジン“サランヘヨ・ハングンマル”の編集長が、韓国と韓国文化の見つめ方を伝授します。

待ち続ける家族たちの待機場所。医療ボランティアが健康診断を受けるよう呼びかけている。


今日も必死の捜索作業が続きましたが、ダイバーたちのブリーフィングによれば、接近性が高く人が多いことが推定される場所を優先して捜索しているため、まだ面積では船全体の50%にも満たないそうです。客室は111室のうち35室だけ完了とのこと。視野確保が容易でなく浮遊物が多くてそれをよけて進むのが困難だということです。



●「オンマが来たよ!起きて!」


新聞報道によれば、待ち続け憔悴した家族たちは、遺体が引き揚げられ、体型、髪の長さ、服、所持品等の特徴が掲示されると、「私の娘だ!私の娘!とうとう見つけた」とまるで生還でもしたかのごとく泣き声交じりの叫びが起こるいっぽう、「うちの子はまたいなかった」というため息と泣き声が起こるそうです。


中にはそれだけの情報では分からないと、「耳は見ないのか?うちの娘は耳に小さなイボがあるのだが」「うちの息子の足には湿疹があるんだけど、靴下は脱がせないのか?」という質問が起こるそうです。しかし、密閉された空間がないため、服は脱がせず、詳しい身体特徴は病院で医師が確認するとのことです。


また、安置所では痛哭の声が途切れることがなく、ある母親は「あっ」という悲鳴を上げ、「私の娘、体があまりに冷たいじゃないか!オンマが来たよ!起きて!」と大声で泣き、また別の母親は「うちの子の時計が10時20分で止まっている。事故当時、水がすぐに入ったんだ」といいながら泣き出したということです。



●生徒証を握り締めている生徒も


韓国では、フランスの某放送局がそのまま放送して物議を醸した、引き揚げられた生徒たちの遺体の映像や、新聞に載せられた犠牲者家族の「我が子の遺体があまりにもきれいで、まるで眠っているようだ」という証言などから、それらは水死ではなく酸素不足による窒息死ではないか、最近まで生きていたのではないかなどの声が出て、さらに皆の胸を痛めてます。


さらにニュースサイト『ニューシス』は、生徒たちの遺体が手に携帯電話を握り締めてることが多く、潜水士たちが「どれほど家族に連絡したい思いが切実だったか」を感じていると伝えています。また、同じく『TVデイリー』は、生徒証を握り締めている生徒も多いため、死を覚悟して自らを見つけられないことがないよう準備したのだろうと伝えてます。


そのうちの一人、キム・ジュアちゃんのご両親も「娘は生徒証が入った財布を両手に固く握った状態で発見された。私たちが探すのに苦労すると考えてそうしたのではないか」と話しています。ジュアちゃんは一度甲板まで出て、救助されることもできたのに、部屋で倒れたキャビネットの下敷きになって「助けて!」と叫ぶ友達の声を聞いて、船室に戻ったことで残念ながら亡くなったのだそうです。



●韓国版「おくりびと」たちの活躍


そのようなあまりにも悲しいニュースの中で、いっぽうでは少しだけ心が救われるようなニュースも聞かれています。日刊紙『京郷新聞』によれば、現場で働く心理治癒専門家であり、精神科医師であるチョン・ヘシン博士が、韓国版の「おくりびと」ボランティアの方々の優しい姿をツイッターで紹介しているということで話題です。


チョン博士によれば、「現在、現場では行方不明者の家族の数の3~4倍のボランティアたちが活躍しているが、その中で最もヒーリング的な仕事をしているボランティアは、実は、自分たちのような心理相談士たちではなく、カトリック光州大教区から来られた葬礼指導士たちだ」というのです。


「その方々は、事故後から今までずっと、引き揚げられる遺体を真心を込めて拭いてあげてこられました。『父母が自分の子供であるかを確認できなければならないので』といいながら、その方々が、子供たちの手の指、足の指まで、どれほど真心を込めて拭いてあげているか分かりません」


「まさに、生まれたばかりの赤ん坊をお風呂に入れてあげているようであり、嫁に行く前日に娘と一緒にお風呂屋に行ったお母さんのようです。最後に子供たちは皆、きれいになりました。子供たちは、ありがたい大人たちにこの世を去る時になって出会ったようです」



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