韓国では、日刊紙『京郷新聞』が伝えた記事が話題になっています。船内の捜索活動をしたダイバーの一人が、同紙のインタビューに答えて伝えた、互いを紐で結んだ男女生徒の遺体を発見した経験です。以下に翻訳してみました。
9日目セウォル号救助作業は、今日が潮の流れが弱まる小潮期の最終日として作業に拍車が掛かっているそうです。生徒たちが多くいると考えられる3、4階船首客室を集中捜査するということです。また、俳優キム・スヒョンさん（26）が壇園高の犠牲者に3億ウォン（約3千万円）を寄付したと話題になっています。
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
■ライフジャケットの紐を互いに縛ったまま…一緒に逝った二人の子供
・男女生徒遺体、セウォル号船体内部で並んで発見
・潜水士「水中で、驚き胸にこみ上げた瞬間…涙」
沈んだ旅客船セウォル号の船体内部から、ライフジャケットの紐でお互いを縛った男女高校生の遺体2体が発見された。これらは発見当時、転覆したセウォル号右舷通路階段を見上げる形で沈んでいた。上下にそれぞれ1本ずつ下がったライフジャケットの紐のうち、上の紐はそれぞれ自らの腰に縛っていたが、下の紐は互いに結ばれていた。
22日、これらを水中で初めて発見したKさん（58）は、「幼い生徒たちが、（死の恐怖の前で）どれほど恐ろしく、たいへんで、つらかったろうか。自分たちなりに一緒に恐怖に立ち向かおうと、生きようと、互いの体を紐で結んだのではないだろうか」と推し測った。
潜水経歴35年目であるKさんは、この日5回も潜水した。水深37mの海に、北東方向に斜めに転覆して横たわっている、セウォル号に閉じこめられた失踪者を捜すためだ。3回目の潜水の時だった。
「生存者を一人でも探さなければ」と、荒々しい急流に物干しの紐のように飛んでいく体を立て直しながら、5分をかけて救命用ロープ（ライフライン）の端の部分になんとか止まった。その地点で彼は、持って入った25mのロープをつなぐ作業をして、捜索範囲を広げていった。
Kさんは、新しい紐をつかんで、船体右側を捜し始めた。サーチライトを点けたが、視界30～40㎝に過ぎなかった。目の前に手の平を広げてもよく見えないほどだった。
手探りで船体をたどり、30分あまり探し回っていると、船体の中に体がすっと押し流されて入っていった。水流がほとんど静まった空間が現れた。よく見たら、乗客たちが通る通路だった。上側には逆さになった階段が見えた。
しばらく息を整えた後、体を中の方へ回したその時、靴が2足目に入ってきた。浮遊物を皆押しのけてみると、男子生徒の遺体が現われた。ジーパンにライフジャケットを着ていた。今回の救助作業で出会った初めての遺体だった。
彼は目をつぶって両手を合わせ、故人に対する礼を示した後、遺体収拾の慣行どおりに男子生徒を押しながら船の外に出ようとした。ところが、重たい感じがした。長さ1mほどになるライフジャケットの下側の紐に何かが繋がっていた。紐を繰り上げると、素足状態の女生徒の遺体が現われた。
Kさんは、潜水時間が10分あまりしか残らない状況で、二人をいっぺんに引いて出るにはとても重く、結ばれた紐を注意しながらほどいた。男子生徒を先に船の外に押し出した後、女生徒を連れて出た。
Kさんは、「その瞬間、一生で一番、驚くべきで、胸にこみ上げる瞬間を、水中で迎えた」と伝えた。
いったいどうしたのか、男子生徒の遺体が、水面のほうへと浮び上がらなかったのだ。彼は、「ふつう、遺体は水中では浮び上がるものと決まっている」といいながら、「『この子たちが離れたくなくて、そうなのか』という思いがして、涙が出た」と語った。
彼は、「あまりにも胸が痛く、頭が呆然となった」といい、「急に全身の力が抜け、二人を水中に置いてまた水面に出るしかなかった」といった。彼は後輩ダイバーたちを呼んだ。そして、彼らが二人を収容する間、泣き出してしまった。
彼は、「水中で見た場面は、一人では背負いきれなかった。娘に電話をかけ、『元気でいるだろう？胸が痛いんだ』といいながら水中で出会った二人の話を伝えた」と語った。
この日の午後、彭木港に移された二人の遺体は、家族たちによってそれぞれに安山に移送された。Kさんは、「二人が平安な心で亡くなったたならどれほどいいか」と語った。
[原典] 구명조끼 끈 서로 묶은 채… 함께 떠난 두 아이
☆｡.:*:･'☆'･:*:.｡.:*:･'゜☆｡.:*・'゜☆
韓国情報ランキングに、現在参加中です。
↑上のバナーをクリックするだけで、一票が入ります!
更新を願って下さる方は、よろしくお願いいたします。