韓国は、近代化の過程で日本とは対照的な道を来ますが、近代化というのは、中世ヨーロッパで始まった二つの革命、文芸復興と宗教改革によって生まれた精神を元にしています。日本が前者の流れである近代合理主義を西洋化の中心精神として韓国を支配したのに対して、韓国が独立運動の精神として受け入れた西洋化とは、後者の流れであるキリスト教精神でした。
もちろん、それが理由だ、などというのは短絡的過ぎますが、とにかく韓国では、人の命を救うために自らの身を投げ出すような、いわゆる「殺身成仁」のニュースが日常的に聞こえてきます。最近も1/18、坂道でブレーキの故障で動き出したバスを背中で受け止めながら、前にいた高校生たちを逃がして、自らはバスの下敷きになって亡くなった、光州市のキム・ヨンインさん(53)のニュースがありました。
ということで、私がよく韓国文化紹介の講義で紹介する、感動的動画をご紹介します。これはソウルの安岩駅で起こった、高校生キム・デヒョン君の勇気ある善行を、その時の実際の地下鉄構内CCTV映像をそのまま使って、通信会社KTFがコマーシャルにしたものです。
[訳]0.3秒の真実
0.3秒、瞬きする間の時間
線路の子供を見た体が先に
飛び込んだ勇気の時間
“考えを移動しろ”KTF
「刹那」という言葉がありますが、人間の脳が行動を命令してから体が動くまでの時間が0.3秒なのだそうです。何も思わなければ限りなく短く過ぎ去ってしまうまさに「刹那」の時間ですが、その瞬間に世界を変える人もいます。
お母さんがうっかり目をそらしたすきに線路に落ちた子供。大騒ぎするお母さん。電車は目の前まで迫っている。線路の反対側でも人々が驚いて呆然と立ち尽くす。
その瞬間――。
人々の後ろに立っていた高校生、キムデヒョン君の体が弾丸のように飛び出しました。遠い二本の線路を、たったの三歩で飛び越える驚くべきその運動能力は、まさに「思い」それ自体が行動になったものであり、向かいの線路から子供を救い出して、元いたホームに戻り、人々に子供を渡した直後に、反対側のホームには電車が入ってきました。まさに生と死を左右した瞬間の出来事でした。
この後、表彰され、インタビューに答えたデヒョン君は話しています。
「線路に落ちた子供の姿だけしか見えなくて、電車はまったく目に入っていませんでした。後から『危なかった』と聞いてびっくりしました」
2001年1/26に東京の山手線新大久保駅で、線路に落ちた酔客を救うために最初に線路に飛び込んだ李秀賢さんも、まったく同じ気持ちだったのだろうと思って、今日のこの日にご紹介してみました。
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