■チャンチ・ククスの深い世界! | 韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

ポッドキャスト韓国語マガジン“サランヘヨ・ハングンマル”の編集長が、韓国と韓国文化の見つめ方を伝授します。

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セマウル食堂(새마을식당)の美味しい「ミョルチククス(멸치국수)」!



韓国には年越しそばがないという話は書きましたが、去年の年末は年越しそばの代わりに、妻に頼んで「チャンチ・ククス」をつくってもらいました。


「チャンチ・ククス(잔치국수)」の「チャンチ」は「祝宴」の意味で、お祝いの席で食べる麺という意味。日本でいうとただの素麺なんですが、別名「ミョルチ・ククス(멸치국수)」ともいうように、「煮干(ミョルチ)」でだしを取った温かいスープで食べるんです。


この、一見極めて単純な料理が、韓国に来た私の大の好物になってしまったんですが、その理由がなんだったか。実はそのスープに秘密があるんです。


以前、「サランヘヨ・ハングンマル!」の放送中に、韓国料理は「煮る」料理だという話をしましたが、韓国人はとにかくいろいろな素材を煮込んで、新しい味を創造することが大好き。それを私は韓国料理は「掛け算の料理」だと表現したのでした。


私が初めて、妻の「チャンチ・ククス」を食べた時、あまりの美味しさに、なみなみとした大量のスープがそっくりそのままお腹に入ってしまったのですが、でもその味の正体が分からない。頭の中で分析してみても、せいぜい煮干と昆布のうまみしか分からなかったんです。


不思議に思って台所をのぞいてみたら、なんと、大きな鍋の中には、煮汁を全部取り出した後の、大きな大根の切り身数個と、玉ネギ丸ごと、長ネギが何本か、ニンニクのかたまりがいくつか、さらに大きな昆布とたくさんの煮干、さつま揚げまでが入っていたのでした。


結局、私が「おいしい」と感じていたのは、これだけの大量の野菜の煮汁だったのです。この後、その長時間煮込まれてそのまま食べても美味しいだろう材料たちは、無慈悲に捨てられていきました。これ以外、化学調味料などはいっさい使っていないそうです。


ただの素麺にしては、とことん贅沢なつくり方ですよね。


韓国人は、美味しい素材も、それだけでは食べずに、とにかく組み合わせて「煮込む」ことで、あるいはキムチのように「発酵させる」ことで、究極の味を創造しようとします。


キムチが美味しいのは、唐辛子にニンニク、大量の牡蠣やエビや魚の塩辛など、それだけでも美味しい豪華素材がぞろっと入る上に、それを発酵させ、熟成させて、まったく新しい味を創造しようとする「掛け算の料理」だからです。


そして、その味が生まれる瞬間のためには、「待つ」時間を惜しみません。


いっぽう、日本料理の贅沢はそのまったく逆で、美味しい素材の、その最も美味しい旬の時期に、そのまた、最も美味しい部分だけを、できるかぎり素材のまま生かして食べる、「引き算の料理」だから。これまた究極的に美味しいですよね。


かくして、私のような、韓国と日本の間で両方の美味しさを経験できるうらやましい食いしん坊が、一番、贅沢な人生を送ることになるのでした。(*´ヮ`)/



※我が家の近所にも美味しいチャンチククスの専門店がありますが、どこにでもあるチェーン店で、外れのない味が味わえる、セマウル食堂(새마을식당)の「멸치국수」もお勧めです。3000ウォン(210円)ですから、気軽に食べてみてください。ヾ(≧▽≦)ノ"♪


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