勝手生え

2021年09月26日(日)

テーマ：: ベランダの一鉢

神戸の街中のマンション6階のベランダ。
鳥が運んで来るのか？風に舞って来るのか？
植えた筈の無い植物が良く生えてきます。

多分何処でも、
様々な植物の種は飛んで来ていても、
雑草として引き抜いてしまうのだろうけど、
ちょっと葉の形状が変わっていたりすると、
これは何やろう

。。。と言う好奇心を抑え切れず、
取り敢えず分かるまではと、

そのままにしておいたりする。
自分で手に入れて植えた植物よりも、
何処からともなく飛んで来た植物の方が、
枯れることもなくほぼ確実に育つのは、
一体どうしたことなのか。。。
そんなことを考えたりするのも楽しんでいる。

そんな勝手に生えてきた中のひとつ。

いつのまにか生えてきたものは。。。

発見したときには、こんな状態でした。
２枚の本葉がふた葉のように開き、
中央から３枚目が開き始め、

小さな毛がたくさん生えていた。

そして。。。
その後から出てくる本葉には毛がほとんど無くて、
色もやや明るい緑色で、葉脈が目立っていた。
さて、何やろう？と思いながら、
しばらくベランダの隅っこに放置。

昨日、ふと見ると。。。

たくましい生命力でどんな環境でも、
自らの命を育む環境を作り出していました。

あらっ　これは、また風流な。。。

植木鉢の中から顔を出しているのは、ミズヒキだよね。

うまく撮れたことないけれど、カメラを向けたくなる。

小さな小さな花なのに惹きつけられる。。。

とっておいて良かった　
きれいに咲いてくれてありがとう

ミズヒキ（水引）　

タデ科　イヌタデ属
細い花茎を伸ばし、小さな赤い花をつけます。
名前の通り、祝儀袋などに使う「水引」に似ており、
夏の終わり頃から晩秋にかけて、
林やヤブのふちで見かけます。

どちらかというと、
日陰で小さな花を咲かせるので目立ちません。
それに加え、
日頃はほとんど雑草として扱われている花のひとつ。
しかし、目立たないからこそ、
主役を引き立たせる名バイプレーヤーとして、
茶道では好んで飾られる存在だ。
小さくても、存在感がある。

４枚ある花被片のうち、
上３枚は「赤」く、下の１枚だけ「白」。
なるほどね。。。

この姿を水引の紅白に例えたのか。
これなら納得やねぇ～

小さな星型の花が輝いて見える
花の直径４ｍｍ強だ。。。
こんなに小さい花のことを
昔の人はしっかりと見てたんやね、
その観察眼の凄さに感心する。

ずっと疑問に思っていたことが
なるほどって思う瞬間が

植物を見ているとよくある。

まず名前を知って、

それからその生き方を知る。

ルーペで覗くと。。。

雄しべ５本、雌しべは２つに分かれているのが分かる。

子房や雄しべの基部の辺りは、妙にでこぼことしている。

何でもね、図鑑によると。。。
４枚の花弁の様に見えるのは萼片だそうで、
花は閉じることはあっても散ることはない。

そうそう。。。

山を歩いていると、
夏の終り頃からずっと、
あちこちの野山でミズヒキが目につく。

並んでいる赤い米粒のようなものをよく見ると、
とってもおもしろい形をしている。

さてこれは花なのか、それとも何だろうか
水引ででよくわからないのが。。。
つぼみなのか？花の後？かだ。。。

何だか正面から見ると、

蛇が舌をチョロチョロしてるみたい（笑）

よし、この際だから観察してみよう。。。
外側を剥いでみよう。。。

　　
出てきたのは、若い種子だ。
。。。ということは、
やはり　これは花が終わった後の姿だ。
　　
咲き終わると開いていた萼片が閉じて、
重ね合わさって米粒のようになるんやね。
つまり、これは萼に包まれた果実だった。
その先から雌しべが飛び出しているわけね。

　　
果実が成熟すると雌しべはぐっと伸びてくる。

2裂した先が曲がり、

蛇が舌を出してでもいるように見えたのは、コレだ。
見た目は弱々しそうだが案外固くしっかりしている。
これで動物の毛などに引っかかって種子を散布してもらう作戦だ。
しかし鉤に返しが付いていないため容易に落ちてしまう。
あまり遠距離まで運んでもらうつもりは、無いのかな～？

。。。となると、蕾はどれなんだろう。。。と探してみる。

これか　

花茎の先端の方を見ると
小さな赤い爪のようなものが並んでいる。
どうもこれが蕾のようだ。

今まで、パッと見でどっちがどっち状態だったけど。。。
見ただけでこれが蕾だなと理解できるのは、不思議だ。

ベランダに勝手に生えてきた水引で、
疑問を２つも解消できたよ　