勝たなくていい。 | 渡辺清乃の「生きる」とは「表現すること」〜可能性のドアを開き続けよう~

渡辺清乃の「生きる」とは「表現すること」〜可能性のドアを開き続けよう~

キャリア理論・ポジティブ心理学・レジリエンス・マインドフルネスをベースに、「あたま・こころ・からだ」のすべてにアプローチ。人の可能性を最大限に開き、未来を創るアクションにつなげます。

今日は、新型コロナウイルスのことについて。

私は医療従事者ではないし、ウイルスの専門家でもないので、そこに関しては申し上げる立場ではありません。

あくまで、この環境下、自分の心がけとしてこんなことを考えています、というお話です。

とくに、キャリアコンサルタントとして、ソマティックワークをやる者として、というスタンスで話しますね。

 

まず、「アフターコロナ」より、「ウィズコロナ&アフターコロナ」という認識で、日々を生きていくことが重要だと思っています。

「我慢すればいつか、これが終わる。前に戻れる」「早く元に戻って欲しい」ではなくて、「刻々と変化する、前進する環境にどう関わっていくか」というスタンスです。

 

とはいえ、すべてを新しいものに変えなくてはならない、というわけではなく、これを機にあらためて、見直すべきことは見直し、継続すべきことは継続する、という取捨選択のキッカケにした方がいい、と思っています。

狭義のキャリアに置き換えたら、「コロナを機に転職!」「人生を根底から変えよう!」なんてことを性急に考えなくても良くて。(それでもいいけれど)

この時代の変化の渦の中で、自分は何を大事にして、人生の歩みを進めていくのか?そのためにはどんな技術がこれから必要で、どんな経験はもう不必要なのかを、精査していくことが役立ちます。

そしてもしかしたら、これまでの生き方は違った!となれば大きく変えたっていいかもしれません。

 

先の見えない毎日、ただただ不安に飲み込まれるのではなく、目の前にくる新しい話題に脊髄反射的に飛びつくのでもなく、周囲の動きをただなんとなくマネるのでもなく。

あらためて、足を地につけて、歩みを進めることが肝心だと。

 

 

もうひとつ。「コロナにうち勝つ」必要はないのではと思っています。

これも、「ウィズコロナ」というフレーズで語られることがありますが、専門家のご意見では終息・根絶にはかなりの時間を要するとのことですよね。

 

先述の通り、私は専門家ではないので終息時期に関して確信を持った意見を述べるのは難しいのですが、そもそもソマティック的に言って、「勝とう」つまり、「戦う」モードは、私たちにとってかなり負担の大きい在り方です。

戦いは、勝つまで終わりませんので。

 

 

コロナショックがはじまってから、ビジネスパーソンの方々からお聞きする話のひとつに、「こんなに疲れているなんて、気づいていなかった」「こんなに不安を抱えていたなんて、気づかなかなった」という声です。

そう。顕在意識では、まあまあやれてるな、とか、そこまで不安じゃないな、この変化も楽しいな、と思っていたとしても、動物としての人間に立ち返った時、今現在は、ただでさえ戦闘モードに入りやすい環境です。もちろん、私も含めて。

 

かからないように、うつさないように気をつけなきゃ。というだけで過敏になるのに、それがいつまでなのかハッキリとしたゴールも見えず。

その上に、働いている方ならいつもとは違う環境下、使うツールも違う。人との関わり方も違う。家族が家にいる方でリモート中、なんていう場合は、ケアをする範囲が多く、もっと神経を消耗します。


この環境下、新しいことにチャレンジしたり探索したりするのはワクワクすることでもありますが、過剰なアドレナリン系の興奮(がんばる系)を長く続けるのは危険です。乗り切れたように見えて、突如疲憊期が訪れることもおおいに考えられます。


「私よりももっと大変な人がいるんだから、泣き言を言ってはいけない」なんてもらした方もいました。でも、辛さなんてものは、比較できるものではないし、今自分が辛いのだから、誰かと比べて自分を抑え込む必要もないんです。でも、そう思わざるを得ない社会、文化的背景もありますよね。

 


……っていう環境の中で、「負けちゃダメだ」「勝たなきゃ」っていうのは、相当疲れる。疲れます。(二回言った。笑)


 

顕在意識で「勝たなきゃ」って思ってなくても、からだは誰しも、少なからず戦闘・警戒モードです。

だからこれ以上、「勝たなきゃ」「負けちゃダメ」って思う必要はないんじゃないかな、って、私は思っています。

 

 

今は亡き免疫学者・多田富雄さんのご著書が好きで、少しずつ読むのですが、免疫の中には「寛容」という働きがあるそうです。

免疫は、自己ではないものを異物として排除する働きですが、免疫の中にはある一定の条件下において、非自己である異物を「寛容」すなわちゆるやかに受け入れていく、という振る舞いを示すことがあるのだそうです。(抗原が生まれた時に入った場合、抗原が微量か大量に入った時など)

免疫学は歴史がまだ浅く、解明されていないこともたくさんあるようですが、この「寛容」の働きを知った時は、衝撃を受けたものです。

(新型コロナウイルスの劇症化は、免疫の暴走が影響しているかもしれない、というニュースもありましたね)

 

 

「うち勝とう」と排除すればするほど、戦闘モードになればなるほど、逆にからだの調子は悪くなります(自律神経のバランスが狂うと免疫は下がるので)

ウイルスに寛容に、とは言えないけれど、適度な距離を持って、ゆるやかに受け入れていく方が生きやすいのかなと思っています。

(これは私見。「寛容」という働きを応用的にみて思うことです)

 

 

自粛期間が5月末までに延長されました。

がんばろう、勝とう、乗り切ろうとすると、ちょっとへこたれたりするかもしれません。

自粛が明けると、タガが外れて油断してしまうかもしれません。


ご自分のビジネスが相当厳しかったり、医療福祉の領域の方々は日々過酷な環境や神経を使う状況にさらされていることと思います。

(私自身も、基本は三密の仕事なので、ビジネス的にはかなりの打撃をうけてはいます)

こんな記事をみかけ、本当に胸が痛むとともに、この局面のあるひとつの決断の形だと受け取って読みました。


 

毎日を日常ととらえ、日々心身にやさしく過ごしていけたらと思っています。

あとね、大笑い!一日一爆笑が家訓です。

(これはコロナ前から。笑)

 

 

 
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