先週、Verona(ヴェローナ)郊外にある街Cerea(チェレーア)で開催されている「ヴィー二・ヴェーリ」の試飲会に行ってきました! 私たちの扱っているワインがたくさんあるので、ひとつのスタンドで長話をしてしまい、時間がなくなっていつも焦ります。つくり手のみなさんとお話をするのはとても楽しい! 情報収集と新しいヴィンテージの試飲など、盛りだくさんです。ヴェローナから電車で30分ほど、会場は駅から歩いて5分程度なので、電車で行くのが便利です。
まずは「Il Pendio(イル・ペンディーオ)」。いつも取引しているMichele(ミケーレ)の息子さんが2年前から加わり、彼も喜んでいることでしょう。さっそく1か月前にボトリングしたばかりだという「Il Contestatore(イル・コンテスタトーレ)」の2016年ヴィンテージを試飲。出荷は9月ですが、すでに素晴らしい酸と風格。さらに、すでに私たちも扱っている「イル・コンテスタトーレ 2015」「Trait d'Union(トレ・ドゥニオン) 2014」「Sebino(サビーノ)2020」も試飲。
続いて、友達のスタンド「Oasi degli Angeli(オアジ・デリ・アンジェリ)」へ! Eleonora(エレオノーラ)とMarco(マルコ)が「Kupra(クープラ)2019」と「Kurni(クルニ)2020」をサービスしてくれます。「クープラ」のエレガントなこと! カフェやシガーの香りが初めのインパクトですが、タンニンはとにかくきめ細やかで優しい。クルニはヴィンテージを見て予想したとおり、しっかりとした存在感があります。タンニンがこなれるのにもう少し時間がかかりますね。しかし、このワインたちは、いつも期待を裏切らない安心感と貫録があって圧巻。通常、エノテカでは試飲会をしない彼らですが、私たちがお店を開けたとき、クープラの垂直試飲とクープラの垂直試飲を2度も企画してくれました。また、今年エノテカでいっしょに試飲会をしたいと言ってくれて、感無量! しかし! 共同経営のセバが、彼が行った二日目、彼らが手掛けた蒸留酒を試飲した!?と。 私はエレオノーラと30分くらい、いろいろなことを話し込んでいたので忘れた!? エノテカで試飲会をするときに、持ってきてもらいましょう。写真・左がエレオノーラです。
続いて「Vodopivec(ヴォドピーヴェッツ)」のスタンドへ。vitovsca(ヴィトスカ)種だけを生産するこだわりのつくり手さん。「Origine(オリジネ)2019」「Vitovsca(ヴィトスカ)2019」「 Solo(ソーロ)MM19」「 Vitovsca 2018」毎年試飲していますが、毎年思うのが「オリジネ」は深淵で、ヴォドピーヴェッツのワインでは、いちばん私の好みだな~、と。「ソーロ」は個性を発揮。すべてクリーンで美しいワインたち。
私は「Ronco Severo(ロンコ・セヴェーロ)」のスタンドに行くと、ついついたくさん質問してしまうのですが、うんざりした顔もせず、我慢強くいつも親切丁寧に応えてくれる優しいStefano(ステファノ)💕 1999年、彼がマチェレーションした自然派ワインを作りはじめたころ、だれも相手にしてくれず、ワインがまったく売れなかった、という話をしてくれました。たしかに、当時は自然派でマチェレーションした白ワインなど、あまりなかったと思いますので、周りから認められるのは、かなり大変だったと思います。「Pinot Grigio(ピノ・グリージョ) 2020」「Ribolla Gialla(リボッラ・ジャッラ) 2020」 「Friulano(フリウラーノ) 2020」 「Schiopettino di Prepotto(スキオペッティーノ・ディ・プレポット) 2019」 「Refosco(レフォスコ) 2020」 「Merlot(メルロー) Riserva(リゼルヴァ) 2018」を試飲。彼の「メルロー」は丸くてフルーティーですべての人にウケるようなメルローではなく、エレガントでちょっぴり焦げてカリッとした食感を残す、ひと味違うエレガントなメルローなのです。
ステファノと話していると、後ろからステファノのお友達が「日本人の生産者がいるよ」と声をかけてきました。さっそく「Domaine des Miroirs (ドメーヌ・デ・ミロワール)」へ。私もミラノでお店を経営しておりますが、鏡さんもフランスのJura(ジュラ)で奥様とワインづくりを頑張っていらっしゃいます。母国でなく、さまざまな困難が伴う他国で認められる人たちがいると思うと、感無量。私も頑張ります! 試飲会場で、いちばん列が長かったスタンドでした! 素晴らしいですね~。「Vin de France Chardonnay (ヴァン・ド・フランス・シャルドネ)2016 」「Vin de France Savagnin(ヴァン・ド・フランス・サヴァニャン) 2016」を試飲。
「昔からの製法を伝えたい。ランブルスコは甘いものばかりではない」と、語るSaetti(サエッティ)氏。「酸化防止剤を添加しないでワインをつくるので、ブドウが健康であることが大切なんです」と熱心に説明してくれました。「Il Cadetto IGT Rosato dell’Emilia(イル・カデット・イージーティ・ロザート・デッレミリア) 2021」「RossoViola IGT Lambrusco dell’Emilia(ロッソ・ヴィオラ・イージーティ・ランブルスコ・デッレミリア) 2021」「RossoViola IGT Lambrusco dell’Emilia(ロッソ・ヴィオラ・イージーティ・ランブルスコ・デッレミリア) 2020」「Rosso dell’Emilia IGP Lambrusco dell’Emilia Fermo(ロッソ・ヴィオラ・イージーティ・ランブルスコ・デッエミリア・フェルモ)」 ランブルスコは早飲みだと思われるかもしれませんが、彼のランブルスコは、1年たっても若々しい。いつもすぐに飲んでしまうので、このヴィンテージは3年くらい寝かせたものも試飲してみたいです。
コロナ前に、収穫を手伝いに行こうと思っていた「Antoniotti Odilio(アントニオッティ・オディリオ)」のアンテプリマ「Bramaterra(ブラマテッラ)DOC 2019」を試飲しに行きます。パパ・オディリオと息子さんMattia(マッティア)のファミリー経営。収穫の最終日は午前中で収穫を終わらせ、その後は友達と畑で踊ったり食べたりして過ごすのが伝統なので、最終日に収穫に来なさいとパパが招待してくれたのですが、なんとその年、エミリア・ロマーニャから来たコントロールが入り、私が収穫に行く前に罰金を科されてしまったのです! 楽しみにしていたのに、行けませんでした(泣)。ここ10年くらい、取り締まりが厳しくなり、ブドウの収穫をするには、正式に契約しないと、参加できないようになりました。私のように、まったくお金はもらわず、1日だけ収穫を手伝うという経験を得たいと思っている人には本当に厳しい状況。この収穫最終日の習慣は、昔から続いている文化なのに、ワイナリーだけでなく、収穫していた人も罰金を科されたそうで、ひどいことです。15~20年くらい前は、まったく問題なかったのですが、不正にお金を払う人が増えたので、こんなことに・・・。写真は息子さんのマッティア。パパはちょうどご飯を食べに行っていたようで、会えず。残念!
「Excelsior(エクチェルシオール)」で店長をしていたときに入荷していたオーストリアのワインを改めて試飲。「Nikolaihof Wachau(ニコライホーフ・ヴァッハウ)」はビオディナミ農法。ブドウの種などを使って化粧品もつくっています。Grüner Veltliner(グリューナー・ヴェルトリーナー)種とRiesling(リースリング) 種、合わせて10本試飲させて頂きますたが、「Riesling Klause 2014」は、イタリアで言う idrocarburi(イドロカルブーリ)の独特な香りが立ち、素晴らしい熟成をし続けています。
試飲したワインたち。
AISの同僚Alessandro(アレッサンドロ)が、「なん年か前に、とても美味しいMuscadet(ミュスカデ)の生産者がいて、今年も来ているようだから、いっしょに試飲しに行こう!」ということで、「Le Haut Planty Muscadet(ル・オー・プランティ・ミュスカデ)」のスタンドへ。時間が無くて、赤は試飲できず。ミュスカデとベスト・マッチのカキを持参していていて、これはずるいですよね~。とてもひょうきんなつくり手さんですが、ミュスカデの生産者仲間たちといっしょに、毎年ブルターニュの海岸で、カキとミュスカデのスタンドを出しているそうです。行きたいな~ブルターニュ❤
いつも親切なスロヴェニアのつくり手「Slavček(スラヴチェック)」、フランクのところへ! 奥さまとともに、いつも親切な対応をしてくれます。私たちが扱っているのは、スプマンテ「Penina Viktorja Bela」とスティル・ワイン「Sivi Pinot 2020」 ピノ・グリージョ種ですが、このほかにも私の好きなワインが。「Rebula Riserva 2018」。去年も飲みごたえがありましたが、今年もよくて、さすがです。さらに8種類のワインを試飲。5月にワイナリー訪問できたらと思っています。
続いて「Pedrotti Gino(ペドロッティ・ジーノ)」のスタンドへ。Giuseppe(ジュゼッペ)に会いに行くと、Vino Santo(ヴィーノ・サント)になるブドウを持ってきていて、どの粒がボトリティス・チネレアの菌が付いているのか説明中。当然、ブドウも試食。
「Chardonnay(シャルドネ) IGT Vigneti delle Dolomiti(ヴィニェティ・デッレ・ドロミティ) 2020」は、とくに気に入って、このヴィンテージは複雑味があってとくにいいね、と言うと「うん、普通のシャルドネと違っているから、名前を変えようかと思っているんだ」と。彼のマチェレーションはとてもよく計算されていて、心地よい。最後に、「1986年のVino Santo(ヴィーノ・サント)」を試飲させて頂きました! おじいさんの代ですから、歴史を感じます。ほかにも、7種類のワインを試飲。
電車の時間が迫ってきました。最後になんとか「Bea Paolo(ベア・パオロ)」を駆け足で試飲。「Arboreus Umbria(アルボレウス・ウンブリア) IGT Bianco(ビアンコ) 2018」「SanValentino Umbria (サンヴァレンティーノ・ウンブリア)IGT Rosso(ロッソ) 2016」「Pagliaro Montefalco Sagrantino (パリィアーロ・モンテファルコ・サグランティーノ)DOCG Secco(セッコ) 2016」「Cerrete Montefalco Sagrantino(チェッレーテ・モンテファルコ・サグランティーノ)DOCG Secco(セッコ) 2015」 今年も充実した試飲会でした! Salute!(サルーテ!)乾杯!
*「ニコライホーフ・ヴァッハウ」と「スラヴチェック」のワインは、日本語を入れず、オリジナルの名前だけ記載しました。
<Contact*>
【SNS】