繰り返し期待値の法則(2) | 不動産鑑定、統計学、文系人間のための数学など

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上野山清久のブログ
 「不動産鑑定と統計学」(同名のホームページも公開中です。)、数学その他に関する日々の学習成果等について「学ぶ側の視点」で綴っていこうかと思います。

 末石直也(2015)「計量経済学」(日本評論社)によると、

 

equation が成り立つならば、equation が成り立つ。

 

なぜなら、

繰り返し期待値の法則  equation  と

 

定理A.1.2  equation  より

 

 equation

equation

equation

が成り立つためである。

 

とのことです。

 

 ここで、共分散の定義から、

 equation だから、なるほどふむふむと言いたいところですが、残念ながら私の実力ではそうもいかないので、共分散の定義式を展開してみます。

 

 equation

equation

equation

equation

 

 よって、

 equation

equation (繰り返し期待値の法則を使いました。)

equation (定理A.1.2を使いました。)

equation (上式の下線部は0より)

 

 前回(「繰り返し期待値の法則(1)」)と同様に、だからどうしたんだという感じですが、こういうのを地道にやっておくと後で思わぬところで役に立ちます。

 

 実はいまクリギングについて勉強していて、そこでも

 

equation

 

という感じで共分散の展開式が出てきます。

 

 結局、こういう重要な概念はいろんなところに顔を出すので、一度理解しておくといろんなところで役に立つということだと思います。