1981年の香港映画。監督は袁和平さん。武術指導は袁家班。
袁信義さんがフラフラになりながら、炎天下、元秋さんを荷台に乗せて歩いています。2人は夫婦。
ようやく見つけた屋外の飲食店。しかし、何か変な雰囲気。2人が警戒していると、複数の店員が刀を取り出し、彼らに向かってきます。ノブさんたちは犯罪者で、店員の袁祥仁さんたちは捕まえようとしていました。
ノブさんと元秋さんは強い。彼らを倒していきます。しかし、妊婦の元秋さんは不意を突かれ、殺されます。激怒したノブさんは袁祥仁さん、袁振洋さんを倒し、元秋さんの遺体を抱えて、立ち去ります。元秋さんの足首にかかっている鈴の音が印象に残りました。
場面は変わり、街の中。洗濯屋の店員 元彪さんは臆病者。客に驚かされたり、脅されたりでなかなかお金の取り立てができません。更に洗濯物を押し付けられる始末。これが姉にバレたら、大変なことに・・・。
高飛さんが弟子と華麗な獅子舞いを演じていると、ノブさんが訪ねてきます。高飛さんは道場「獅吼堂」を経営している立場。義兄弟のノブさんと関わりをもつのを警戒します。高飛さんはお金を渡し、劇団に身を潜めるよう助言します。
元彪さんの恐れる姉とは李麗麗さんでした。李麗麗さんに集金がうまくできなかったことがバレ、竹刀みたいなので襲われます。怖~。
黃飛鴻こと關德興さん。高飛さんがライバル視している存在です。彼のところに山怪さんがやってきて、治療をしろと言ってきます。入口でぶつかられて、ビビる男性は袁和平さん。
偉そうな態度に弟子の梁家仁さんは腹を立てて、手荒に扱おうとします。が、關德興さんは彼を叱り、山怪さんの治療をします。クセの強い山怪さんを豪快にいなす關德興さん。さすがです。そして、灸術で彼の病気とけがを一気に治してしまいます。治療費を払うことなく、帰ってしまった山怪さんを追わずに送り出します。關德興さんの一番の関心事は獅子舞でした。
「河南會舘」で爆竹が鳴っています。落成式に招かれた關德興さんたちは獅子舞を披露します。前が梁家仁さんで後ろが趙中興さん。關德興さんは太鼓を叩く役。「金銀如意」という難しい技を披露します。遠くから元彪さんが見ています。
吊ってある魚をゲットしたら、終わりなのですが、横槍が入ります。金獅子の高飛さんたちです。魚を巡って、バトルになります。
足に鉄の爪を付けて、マジ蹴りしてくる高飛さんを見て、關德興さんは入れ替わります。(ダブルの方がやっています。)前に關德興さん。後ろに梁家仁さん。
激しいぶつかり合いの末、關德興さんが勝ちます。卑怯なことばかりしていた高飛さんは捨て台詞を残して、逃げ出します。めちゃくちゃかっこよく最後を決めた關德興さんたちに観客は大喜び。元彪さんも駆け寄ろうとしますが、集金ができずに凹んでいたので、駆け寄るのを止めてしまいます。
義兄弟の梁家仁さんが気づき、彼に駆け寄っていきます。そして、優しく励ましてくれます。
洗濯屋が出入りしている劇団。楽屋の隅っこに身表情のノブさんが。怖い・・・。座長がファンと写真を撮っているのを邪魔してしまい、先輩の李春華さんに殴られます。座長はノブさんを脅威に感じます。
何も知らずに集金にやってきた元彪さん。ノブさんは首にかけていた鈴を見て、一方的に元彪さんを狙い出します。元彪さんは梁家仁さんにお願いして、李春華さんからお金を徴収します。能力は高いけど、気持ちが優し過ぎる元彪さんは梁家仁さんにただただ憧れるばかりでした。
鈴の音によってスイッチが入ってしまったノブさん。暗い楽屋でメイクを施し、レベルアップします。梁家仁さんにボコボコにされて戻ってきた李春華さんを殺します。
臆病者の元彪さんを付け狙うノブさん。元彪さんは路地で襲われ、逃げ出します。めちゃくちゃ追われますが、どうにかこうにか逃げることができました。
劇団の方では警察が調査に入っていました。メンバーは魚頭雲さん、袁祥仁さん、袁振洋さん、そして、捕頭の樊梅生さん。樊梅生さんは男女関係のもつれだと判断し、魚頭雲さんにこの件を任せることにします。
高飛さんは獅子舞で負けたことでどこの祝い事にも呼ばれなくなり、激怒。仲間を關德興さんのところに送り込みます。
明日、誕生日の關德興さん。仕立て屋さんがやってきます馮克安さんでした。採寸をするふりをして、攻撃するという設定がいいなと思いました。巻き尺、はさみ、布、針など様々な道具を駆使して、攻撃してきますが、それを華麗にかわして、倒す關德興さんがかっこよかったです。
元彪さんは洗濯をしていました。元彪さんの家では洗濯を使った拳法が使われていました。ここでいくつか披露します。
梁家仁さんは元彪さんは遊郭「雅翠楼」へ連れていきます。魚頭雲さんも接待で樊梅生さんを連れてきます。樊梅生さんが梁家仁さんについていたホステスを連れて行こうとして、トラブルになってしまいます。梁家仁さんにいいように操られ、樊梅生さんを攻撃することになってしまう元彪さん。
バトルになってしまいます。樊梅生さんのダブルはノブさんがやっているように見えます。梁家仁さんは彼をKOした後、持っていた印から捕頭だと気づき、焦ります。
「福興樓」で食事を楽しんでいる關德興さんのところに梁家仁さんが元彪さんを連れていきます。弟子入りを願いますが、却下。落ち込む元彪さんは熱い薬缶の近くで遊んでいた子どもたちを助けるために薬缶を素手でキャッチします。が、事情を知らない母親にビンタされます。それを見ていた關德興さんは彼の弟子入りを許可します。
かわいい女の子を探しに来た男性が店内にいた唐晶さんに目を付け、わざと鳥籠をぶつけます。小鳥が逃げたを彼女のせいにして、絡む男性。手下が袁龍駒さんだ~。
關德興さんは小鳥を湯呑でキャッチしていました。元彪さんは小鳥を持って、男性に文句を言いに行きます。ビビる元彪さんを關德興さんがサポート。元彪さんが1人でがんばった感じになります。
唐晶さんが財布を落としていったので、梁家仁さんは元彪さんに返しに行くように促します。恋のチャンスを応援する梁家仁さん、めっちゃ優しい兄貴だ!
オドオドしながら、追いかける元彪さん。なんと、梁家仁さんはデート設定までしてあげます。關德興さんの服を借りてきて、師父らしくさせます。(唐晶さんは元彪さんを師父だと誤解しているため。)
更にデートでは雰囲気を盛り上げるために梁家仁さんはノブさんがメイクと同じ仮面を被って、元彪さんたちを襲う真似をします。しかし、これがとんでもないことに・・・
梁家仁さんはやられたふりをして、早々に退場しますが、元彪さんの鈴の音を聞いたノブさんがやってきてしまいます。元彪さんは気づかず、呑気に戦おうとします。
本物だと気づいて大慌てで逃げます。途中でノブさんに遭遇した道士さんは殺されます。元彪さんと唐晶さんたちは逃げることができました。
弟子入りの儀式をしている途中、樊梅生さんがやってきます。トラブルの際、元彪さんを黃飛鴻として認識していたので、ここでまた揉めます。梁家仁さんと元彪さんがやらかしたと気づいた關德興さんは梁家仁さんを説教し、元彪さんとの師弟関係を止めることにします。
關德興さんは樊梅生さん&部下と会食し、謝罪します。弟子入りが立ち消えになってしまった元彪さん。責任を感じた梁家仁さんは何とかしようとします。元彪さんを殴り、強盗に襲われたふりをして、關德興さんの同情を買おうとします。が、思惑を見抜かれ、元彪さんは逃げ出します。
時間になったので、部下の袁祥仁さんと袁振洋さんが帰ります。途中で立小便をしているときにノブさんに襲われます。その場にいた元彪さんはノブさんの殺傷能力に驚き、逃げます。
そして、關德興さんたちに知らせます。現場の様子から仮面役者だということがわかったので、樊梅生さんは仮面役者を集めます。上演中の役者を追いかけて舞台に上がってしまい、劇をめちゃくちゃにしてしまいます。樊梅生さんは諦めようとして、楽屋を出る直前、異様な雰囲気のノブさんを見かけます。しかし、彼はノブさんが犯人だとは思わず、スルーしてしまいます。
梁家仁さんは1人で調べていました。座長に話を聞きますが、話の途中で出番になってしまい、中途半端な情報しか得ることができませんでした。
高飛さんは關德興さんへの怒りが収まらず、ノブさんを刺客として放とうとしていました。南洋への逃亡が報酬です。
關德興さんの誕生会が開かれている最中、梁家仁さんは中座して座長に会いに行きます。元彪さんも一緒に行きたかったのですが、残るように言われて、残ることに。元彪さんは首にかけていた鈴をお守りとして渡します。
真っ暗な劇団に入っていくと、座長が殺され、逆さ吊りにされていました。そして、白黒の舌の長い変な者に襲われます。これはノブさんの扮装でした。梁家仁さんは倒されてしまいます。
誕生会の最中、天井から梁家仁さんの遺体が落とされます。さすがの關德興さんも激しく動揺します。元彪さんも落ち込みます。
元彪さんは仇を討つことを誓い、単身で劇団へ乗り込みます。樊梅生さんが拘束されていました。高飛さん、登場。そして、關德興さんも登場。元彪さんに負けないくらい激怒していました
ミニ血滴子で襲ってくる高飛さんと戦います。高飛さんを追い詰めますが、命乞いする彼に油断します。
樊梅生さんを助けると、下から矢が出る仕組みになっていました。元彪さんを庇い、關德興さんの脚に矢が刺さります。そんな中にノブさんが登場。カオスな状況になります。
どんな状況でも弟子を想う気持ちを失わない關德興さん。ヘタレな元彪さんにもようやくスイッチが入ります。失敗を重ねながら少しずつノブさんを倒す方法を作り上げていきます。
すっかりおかしくなってしまったノブさんは高飛さんを攻撃して、殺してしまいます。
元彪さんはノブさんへの攻撃を続け、ようやく倒します。「もう大丈夫だよ。」と關德興さんと樊梅生さんに声をかけられ、正気に戻った元彪さん。でも、自分がやったことに興奮して、倒れます。終わり。
ノブさんの怪演が光る作品でした。ホラー映画だったよ、私にとっては。(怖いの苦手)謎な展開のお話でしたが、ノブさんの迫力で押し切ってます。
あまりにもノブさんの迫力がすごいので、元彪さんの洗濯技法を活かした拳法が目立たなかったのがちょっと残念でした。いいアイディアだったので、もうちょっとクローズアップしてもよかったと思います。
關德興さん、このとき76歳。動きがとても素晴らしかったです。そして、愛と面白さがあり、怖さが先行しそうな雰囲気を和らげてくれました。