1973年の香港映画。邦題は「空手ヘラクレス」。武術指導は成龍さん。
暗い道場で陳惠敏さんが激しい練習をしています。灯りを点けたのは師匠の娘 江帆さん。彼女の兄 江島さんは性格が悪く、みんなに嫌われていました。なので、江帆さんは陳慧敏さんのストイックで真面目な姿に好感をもっていました。
2人で道場を後にします。が、江島さんたちが通りかかり、見つかってしまいます。夜に2人でいたことにキレる江島さん。彼の弟分は莊威さん。
江島さんは陳慧敏さんをいじめます。我慢します。しかし、「犬。」と言われ、激ギレ。勢い余って、江島さんを殺してしまいます。
陳惠敏さんはショックのあまり、逃げ出してしまいます。海をさまよい、自分の手を岩で殴り、血だらけにし、「絶対に戦わない。」と呟きます。
「利發碼頭」で人夫たちが荷下ろしをしています。陳惠敏さんはリーダーの李天鷹さん&金帝さんに素性を明らかにしないまま、人夫として働き始めます。
陳惠敏さんは人の何倍も荷物を運んで、高い賃金をもらいます。意地悪な上司 李文泰さんはお金を投げて渡します。
倉庫の陰で貧しい男女2人が荷物から米を抜き取っているところを警備に見つかってしまいます。2人は殴られ、蹴られ。
みんなが駆けつけます。警備は手加減なし。警備員の中に元奎さん&成龍さんが。李文泰さんはそのまま暴行を続けるよう言います。彼らは死んでしまうでしょう
金帝さんは盗んだ分の米代を払うから、止めてほしいと頼みます。が、米は大量にこぼれており、彼の持っているお金では補えない量でした。見かねた陳慧敏さんは自分の給料を出し、2人を救います。
しかし、李文泰さんは陳惠敏さんにお金は十分でないからもっと払うように意地悪を言い、警備を彼に差し向けます。経営者 梁天さんが現れ、煽ります。遂に暴行が始まってしまいました。元武さん、袁日初さん、袁振洋さんが出ています。
李天鷹さんは梁天さんに暴行を止めてほしいと頼みます。話し合いはまとまらず、戦いになってしまいます。
中間管理職の黃宗迅さんがやってきて、止めに入ります。黃宗迅さんは梁天さんに頼み、陳惠敏さんへの暴行を止めてもらいます。梁天さんの護衛は元彪さん、徐忠信さん。文句があるなら、出ていけと梁天さんは告げて、帰ってきます。
黃宗迅さんは部下に梁天さんはとても危険な男だから、振る舞いに気を付けるように忠告します。陳惠敏さんは手当てをしてもらいますが、ぶっきらぼうな態度で立ち去ります。黃宗迅さんたちは陳惠敏さんが真面目でいい奴だと気づいていました。
が、この異常な環境。どうなるのでしょう。
陳惠敏さんがボロ部屋で休んでいると、お米2人組が謝りにやってきます。陳惠敏さんは貧しいからって盗みをしてはいけないと諭します。
「利發碼頭」に方野さんがやってきます。楊斯さん、元奎さん、張午郎さんが同行していました。
方野さんは梁天さんにすごい要求をします。密輸かな。断ろうとすると、元奎さんに大量の金を持ってこさせ、納得するように言われます。断ったら、殺されるな。
梁天さんはこれまでと取引先が変わることを黃宗迅さんに知らせます。彼は抵抗を示します。
港で李文泰さんと李天鷹さん&金帝さんはトラブルになります。梁天さんはみんなの憩いの場所「利發飯店」をいきなり壊し始めます。
梁天さん派と黃宗迅さん派に分かれます。遠くで苦悩する陳惠敏さん。港が機能しなくなり、生活に困窮する人々。
黃宗迅さんはこれといった策を思いつくことができず、困り果てていました。李天鷹さんは梁天さんの屋敷を襲う計画を立てます。ビビる金帝さんを置いて、1人で乗り込みます。
梁天さんの手下の1人として、錢月笙さん。1人で乗り込むとは無謀過ぎた。李天鷹さんは殺されてしまいます。
黃宗迅さんが李天鷹さんの姿が見えないことを心配していると、梁天さんがやってきます。袁信義さんがちらりと映っていました。
そして、梁天さんは李天鷹さんの遺体を見せます。陳惠敏さんはショックを受けます。
怒った彼は梁天さんを呼び止めます。戦おうと思ったのですが、過去を思い出すと、テンションが下がります。そんな彼を梁天さんは殴ったり、蹴ったりします。
自分の気持ちに正直な彼の姿を見て、黃宗迅さんは梁天さんに過去を打ち明け、戦う宣言をします。実は黃宗迅さんは陳惠敏さんと同じような過去があり、暴力を封印していたのでした。
激しい戦いが始まります。なんと黃宗迅さんは梁天さんを倒してしまいます。
方野さんは事態を知り、役立たずの梁天さんを楊斯さんに殺させます。もう全ては方野さんのもの。
方野さんは黃宗迅さんと話し合いをします。が、話し合いは決裂。楊斯さんは彼をボコボコにします。
港に助けになる船が到着。お米2人組が黃宗迅さんを探しに行きますが、彼はもう虫の息でした。2人に方野さんがヤバいことを知らせます。
助けになると思われた船でしたが、拳銃などは積んでいませんでした。がっかり。ですが、江帆さんがいきなり下船してきました。慌てる陳惠敏さん。彼女はずっと彼を探していたのでした。人夫たちに陳惠敏さんのことを尋ねます。
しかし、ここでは一切戦っていなかったので、それが陳惠敏さんであるとは誰も気づきませんでした。
割とすぐに江帆さんと遭い、バレてしまいます。人違いだと言い張り、また逃げます。
黃宗迅さんのことを知った金帝さんたちは彼の様子を見に行きます。もう生きる力は残っていませんでした。陳惠敏さんは窓の外から彼の最期の言葉を聞いていました。黃宗迅さんは陳惠敏さんが自分たちを救ってくれるだろうと言っていました。
みんな、リーダーの死に激しく落ち込みます。特に金帝さんの落ち込みは酷いものでした。陳惠敏さんは遠くから葬式を見守ります。
江帆さんは金帝さんたちの活動に加わります。
ずっと悩んでいる陳惠敏さんはお米2人組から江帆さんが戦いに参加していると知らされます。それでもウジウジしていると、2人から発破をかけられます。彼はいつ決心するのでしょうか。
方野さんもこの件を終わらせたいと思っていました。楊斯さんは方野さんの手下をボコボコにしてパワーアップここで董瑋さんが。控えめな出演でした。
彼らは港にいる金帝さんたちのところにやってきます。元彪さん、今度は金帝さん側になっている。そして、袁日初さん、鍾發さんもいる~。方野さん側に梁小熊さんもいるような。
楊斯さんに襲いかかる袁振洋さんと袁日初さんと元彪さん。あっさり倒されます。江帆さんも戦おうとしますが、方野さんにバカにされます。
大乱闘に発展していきます。難しそうなアクションシーンには袁兄弟、元奎さん、元彪さんが登場。後半、元武さんがかなり大きめに映っていました。吳元俊さんもいる?
江帆さんは方野さんにかなりやられます。お米2人組が陳惠敏さんを呼びに行きます。
金帝さん側は降参します。港付近に住んでいた人たちは出ていくことにします。
金帝さんは何もしない陳惠敏さんを罵倒し、唾をかけます。江帆さんは逃げてばかりの彼を詰ります。江島さんを殺したことよりもこの困難に何もしないでいることに対して怒りをぶつけます。
立ち去る陳惠敏さん。実は江島さんは亡くなってはいませんでした。江帆さんは当初はそれを知らせようとしていたのですが、ツラいことから逃げまくる彼を見て、変わってほしいため、そのことを告げませんでした。(えっ、告げた方がいいのでは。)
すっかり寂れてしまった港。方野さんと楊斯さんがやってきて、佇んでいる陳惠敏さんをいじります。ラストバトルが始まります。が、割とあっさり陳惠敏さんが勝ちます。本当のラストバトルは方野さんと。ちょっとワクワク度が下がりますね。方野さんを倒した直後に金帝さんたちがやってきます。方野さんは逃げます。
港は再開。賑わいが戻ってきました。江帆さんは受付として働き、陳惠敏さんは荷下ろしをがんばっています。幸せそうな2人の様子で終わりです。
1970年代前半の功夫映画にありがちな展開でした。耐え忍ぶ主人公。耐え忍び過ぎて、ヘタレな感じがしました。そもそも、陳惠敏さんってすぐに暴れそうな感じ。笑
つまらないという評価が一般的のようですが、私はいい作品だと思いました。登場人物のキャラがしっかりしているところと情景描写が丁寧に描かれているところが気に入りました。
楊斯さんメインのポスターがありますが、彼は脇役です。陳惠敏さんのヘタレっぷりを中心にして観ると、そんなに悪い作品ではないように思います。