「南俠展昭」 | kiyokiyo world Ⅱ

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昔の功夫映画ばかりです。

1975年の香港映画。田鵬さんが監督です。

 

真珠で飾られた冠が何者かによって盗まれるシーンから始まります。

 

江彬さんと手下4人が山中を歩き、休憩しています。江彬さんの手には冠が。展昭こと田鵬さんが彼を追っていました。現場には彼の簪が残っていました。それを手掛かりにここまで追ってきたようです。

 

手下の荊國忠さんたちが田鵬さんを倒そうとしますが、あっさりやられます。逃げる江彬さん。江彬さんは舟に乗って川を渡りますが、もう1人の客は田鵬さんでした。

 

田鵬さんに従うと見せかけて、ダーツ攻撃をし、舟から突き落とします。逃げた江彬さんは兄貴分の陳鴻烈さんに冠を渡します。陳鴻烈さんは用心深い人でしたが、江彬さんはちょっと見通しが甘い。田鵬さんを殺したと言うけれど・・・。不安を感じた陳鴻烈さんは江彬さんを始末します。

 

田鵬さんは唐寶雲さん親子の家の近くで倒れているのを発見されます。唐寶雲さんは彼のことが大好きになります。ラフな恰好だったのにすごくかわいらしい服を着るようになります。

 

さて、陳鴻烈さんは田鵬さんの恋人 胡茵夢さんと1年前に結婚しました。が、彼女は一向に心を開いてくれません。それもあって、田鵬さんを激しく憎んでいました。

 

唐寶雲さんの家から田鵬さんが置き手紙をして、突然いなくなります。唐寶雲さんは探しに行きます。その間に陳鴻烈さんの手下たちがやってきます。疑うことを知らない父は田鵬さんが杭州へ行ったことを言ってしまいます。口封じに父は殺されてしまいます。

 

田鵬さんが暗闇を歩いていると、馬場さんと矮子王さんの凸凹コンビに襲われます。どうにか追い払うと、今度は鎖を持った3人の刺客に襲われます。彼らの本拠地「覇王莊」へ来いと言うボスからの要望を突っぱねます。1人が嘉凱さんでした。が、夜の場面だし、画質が悪いしで殆どわかりませんでした。涙

 

3人を倒して、ほっとする間もなく今度は白玉堂こと田鶴さんが登場します。いろいろと正反対な2人ですが、自分の生き方を貫くという点では似ているようです。田鶴さんはけがを負っている田鵬さんに薬をあげます。

 

陳鴻烈さんと一緒にいた男性が柯受良さんに仕事を命じます。田鵬さん、気を付けて!柯受良さんと手下たちは街に1つだけしかない客棧を買取り、仕掛けを施して田鵬さんを待ちます。

 

田鵬さん、登場。柯受良さんは2階に案内します。彼をやっつけようとしますが、どうもうまくいきません。お見通しだった田鵬さんに全員倒されてしまいます。

 

唐寶雲さんが森の中で男性2人に襲われています。田鶴さんが彼らを倒してくれます。1人ぼっちになってしまった唐寶雲さんは田鵬さんに会いたくて、杭州に向かっていました。

 

田鶴さんは唐寶雲さんと杭州へ向かいます。唐寶雲さんが乗っていた籠。ちょっと席を外したら、覇王莊の髭の手下が奪っていました。賃金を2倍払うから、絶対乗せろと譲らない髭。田鶴さんは籠ごと持ち上げて彼を脅します。しかし、まだ調子に乗っているので、田鶴さんは唐寶雲さんを先に杭州に向かわせ、勝負します。髭はあっさり負けます。

 

杭州で髭は唐寶雲さんと再会します。田鵬さんを探していると言うので、髭は陳鴻烈さんのところに彼女を連れて行きます。彼は田鵬さんの友達だと嘘をついて彼女を滞在させます。胡茵夢さんと出会い、2人は仲良くなります。

 

田鵬さんは胡茵夢さんの話を唐寶雲さんにしていました。胡茵夢さんは父の取り決めで無理やり結婚したそうです。悲しげな表情は変わりません。

 

田鵬さんが杭州に着いた情報が入り、陳鴻烈さんは気合いが入ります。陳鴻烈さんの妹は武術が得意。でも、兄たちからはあまり頼られず、不満をもっていました。今こそ、活躍をするとき。

 

公衆浴場へ行って、田鵬さんを探します。公衆浴場の従業員は葛小寶さん、黃冠雄さん。横柄な態度の妹にキレる黃冠雄さん。しかし、彼女には勝てません。従業員も客もみんな、逃げ出します。残っていた田鵬さんは妹の挑戦を受けますが、彼女の腕を捻り、彼女の服を切って立ち去ります。ボコり過ぎない紳士。

 

提灯を持った変な刺客たちが空を飛んでいます。田鵬さんは屋根の上を移動しています。

 

陳鴻烈さんは胡茵夢さんをDVしていました。彼はある派閥のトップの義理の息子であり、富も名誉もほしいまま。しかし、彼女が全く心を開いてくれず、イライラしていました。首を絞めます。いつの間にか捕まっていた田鵬さんが陳鴻烈さんを必死に止めます。今度は田鵬さんの首を絞めます。

 

胡茵夢さんは田鵬さんを守るため、仕方なく陳鴻烈さんと関係をもちます。その後、密かに田鵬さんを解放し、来世で一緒になりたいと告げて亡くなります。空っぽの胡茵夢さんの部屋を見て、キレる陳鴻烈さん。

 

それ以上にキレている田鵬さんが乗り込んできます。陳鴻烈さんを捕まえ、冠の返却と出頭を求めます。

 

しかし、妹が唐寶雲さんを人質にして、陳鴻烈さんの解放を求めます。唐寶雲さんは簪を腹に刺して命を絶ちます。田鵬さんの重荷になることを避けたのでした。口にはしませんでしたが、ずっと田鵬さんのことが好きだった唐寶雲さん。報われぬ想いを抱きながら亡くなります。「あなたは私を傷つけた。」と一言。気の毒でした。

 

陳鴻烈さんを捕まえて、宮廷に戻る途中、陳鴻烈さんの義父の部下5人が田鵬さんを襲います。僧の唐威さん、道士の易原さん、学者の游天龍さん、尼の龍君兒さん、物乞いの翼さん。かなり豪華な面子。1人1人倒していきます。龍君兒さんが木魚に鎖を付けた武器で攻撃していたのが面白かったです。易原さんはシンバルを武器にしていました。

 

逃げた陳鴻烈さんを探していると、田鶴さんが出てきます。陳鴻烈さんを取り押さえていてくれました。そして、バタバタしているのに冠を返してほしいならば自分と戦えと言うのです。田鵬さんは戦うことにします。

 

すると、棺の乗った荷台が誰も押していないのにこちらへ向かってきます。驚く田兄弟。棺が爆発し、中から吸血殭屍の金剛さんが飛び出してきます。

 

最後は陳鴻烈さんとの戦いかと思ったら、陳鴻烈さんは吸血の金剛さんに襲われて、あっさり殺されてしまいます。

 

田兄弟は力を合わせて、金剛さんを倒します。気合いいっぱいの田鶴さんに金剛さんはいきなり襲いかかります。死んでませんでした。って、既に死んでいるからな。

 

目が見えないのですが、それ以外の感覚は発達しているので、田兄弟を執拗に攻撃してきます。

 

竹槍を大急ぎで作って、彼に刺しましたが、次の瞬間、金剛さんはいなくなっていました。どこ?

 

田鶴さんがめっちゃ襲われます。田鵬さんは崖から落ちそうになっている田鶴さんを助け出します。金剛さんは崖から落ちて爆発します。

 

もう戦い必要ないべ?ということで、田鵬さんは冠をもって、宮廷へ向かいます。助けられた田鶴さんは彼を見送り、別方向へ去ります。終わり。

 

田鵬さん監督の映画って、テンポがいいのは少ない気がします・・・。メリハリのあるラスボス対決がなくて、不満が残りました。

 

この映画の原作「三侠五義」をもっと理解していれば、田鵬さんと田鶴さんの関係がよりわかったのではないかと思います。彼らは猫ねずみですもんね。

 

迫力ある金剛さんとひょうきんな柯受良さんが印象に残りました。