1979年の台湾映画。
武林界のトップである男性の家が複数の者に襲われ、殺されます。唯一生き残ったのは盲目の娘 唐寶雲さん。彼らは唐寶雲さんは何もわからないと判断したのか、殺さずに去ります。ちらっと映る張鵬さん。錯乱状態の彼女を田鵬さんは救い出します。
新しくトップになった老人の家で数名が話し合っています。田鵬さんは娘の代わりに犯行に関わった人たちを見つけ、仇を討っていました。老人の護衛が茅敬順さんでした。
みんなは田鵬さんが人殺しをしていることをよく思っていません。この事件は秦士雷という男の依頼で行われたようですが、真相は未だ不明。老人は真相を明らかにすることが大事だとして、様子を見るようにみんなに言います。
茅敬順さんたちは事件関係者を見つけましたが、逃げられてしまいます。後ろにいる人が王圻生さんに見える。老人は古錚さんの助言を受け、田鵬さんを捕まえることにします。
古錚さんは田鶴さんに田鵬さんを捕まえるように依頼します。武林界のトップになりたいと熱望している田鶴さんは田鵬さんをライバル視していたので、引き受けます。
ホームレスの少年が子どもたちに襲われ、ボコボコにされています。誰かが飛んでくるのを見て、子どもたちは逃げます。
ホームレスの少年が木の陰で様子を見ていると、王鍾さんが4人の男性に襲われていました。手足に鎖が絡まります。突然、田鵬さんが現れ、鎖を切ってあげます。「必ず借りは返す。」とお礼を言って、王鍾さんはいなくなります。
少年は田鵬さんを尾行し、弟子入りを願います。正直、真犯人探しに少年は足手まといです。しかし、身寄りがなく、生きていくのがやっとの少年を見捨てることもツラい・・・。必死の思いで断って、トランポリンジャンプで立ち去ります。追いかける少年。
田鶴さんと古錚さんは田鵬さんをずっと尾けています。
自然豊かな場所にある立派なお屋敷で唐寶雲さんが悲しそうに箏を演奏していました。でも、田鵬さんが来ると嬉しそう。田鵬さんは父の暗殺に関わった人物を見つけたことを報告します。
彼女は「殺しは問題を解決しない。復讐をしたいとは思っていない。」と言います。それよりも田鵬さんと一緒に過ごしたいと。
しかし、そう言ってはいましたが、寝言で「お父さん・・・。」と呟いたり、常に剣を近くに置いていたりと唐寶雲さんの心は不安定そう。田鵬さんは夜中に出かけます。
唐寶雲さんが起きると彼はいませんでした。一緒に寝ている猫ちゃんかわいい
弟子入りを諦めきれないでいる少年に田鶴さんが接触します。胸倉をつかんで情報を聞き出そうとする田鶴さんを田鵬さんが止めます。
田鶴さんは事件に関係した「聾啞雙殘」と「陰陽令婆」の情報を伝えると、「今は戦うときではない。」と話し、立ち去ります。田鶴さんは少年に唐寶雲さんの見守りを頼みます。
情報を元に遊郭へ行きます。「聾啞雙殘」がやってきます。片方は許不了さん。聞こえない&話せないことを2人で補い合っています。従業員とかみ合わない会話が続きます。田鵬さんが登場し、彼らがお金目当てで殺しをしたことを非難します。店内で戦う3人。ここは珍しくコミカルな要素もありました。許不了さんパワーですね。
少年の面白い話に笑う唐寶雲さん。少年の明るさ、素直さに心が癒されたようです。2人は仲良しになりました。
田鵬さんは火の玉が漂う場所を歩いていました。そして、ヤバそうな茶樓に入ります。「陰陽令婆」を探しにやってきました。彼女は幽霊のようです。一応、倒せたようです。
場面が変わり、老人の家です。高額の報酬をくれるなら、自分が田鵬さんを倒すと言う若者が訪ねてきていました。交渉は決裂し、若者は去ります。古錚さんは老人に何か耳打ちします。
盲目の占い師に会いに行く田鵬さん。この占い師は目が不自由なふりをしていましたが、実際は見えていました。石天さんが演じていました。寄り目もないし、ホクロから毛もないので、しばらく気づかなかったです。
彼は秦士雷から殺人の依頼をされたのですが、指示は手紙で来ていて、彼のことは一切わからないということでした。背中を向けた瞬間、杖を投げてきたので、跳ね返します。石天さんは杖が喉元に刺さって、亡くなります。
先ほどの若者が田鵬さんに会います。バトルが繰り広げられます。若者の服を切ったところでほぼ勝負がつきました。そこに田鶴さんがやってきます。田鶴さんと若者、田鵬さんを倒せるのはどちらでしょうか。
王鍾さんは老人にもお世話になっていました。老人は彼に田鵬さんを殺すよう頼みます。王鍾さんは田鵬さんにもお世話になっていたので困りますが、老人の願いを受け入れます。
古錚さんは唐寶雲さんの侍女を殺して、屋敷に侵入していました。少年はろうそくを消して、わざと物音を立てて、唐寶雲さんを守ります。が、唐寶雲さんは捕まり、誘拐されます。少年だけ逃げることができました。
田鵬さんは田鶴さんに戦いを挑まれます。戦っている最中に彼の帰りを待つ寂しそうな唐寶雲さんを思い出します。激闘の末、田鶴さんを倒します。人生の目標を失って、自害しようとする彼を止めます。
帰宅すると泣き疲れた少年が。
老人の元に若者からの投げ文が届きます。
呼び出された老人。若者は実は捕頭でした。1年間の調査で彼は秦士雷なる人物が老人であることを突き止めたのでした。秘密を守るため、老人は彼を殺して、口を封じます。
老人宅へやってきた田鵬さん。古錚さんが唐寶雲さんを軟禁しています。彼女に近づこうとすると、扉が閉まり、王鍾さんが出てきます。戦いたくないけれど戦わねばならない王鍾さん。しかし、田鵬さんが老人の手下に囲まれたとき、助けに回ります。そして、古錚さんが唐寶雲さんを殺そうとしているのを見て、古錚さんを倒します。王鍾さんはできるだけ、田鵬さんを守ろうと努力したのでした。かっこいい亡くなり方でした。王鍾さん、ステキ。
老人が帰宅します。
田鵬さんは唐寶雲さんを連れて、帰っていました。老人が来たっぽい予感。田鵬さんは少年に唐寶雲さんを自室に連れて行くように声をかけ、老人との戦いに向かいます。
老人が変装と解くと、なんと張鵬さんでした!秦士雷は架空の人物ではなく、張鵬さん自身ということでした。冒頭にちらっと出ていたのは首謀者という意味だったのですね。ずっと出てこないから、忘れていました。
剣がぶつかり合う音が響き、怯える唐寶雲さん。長時間に及ぶ戦いを制し、田鵬さんが勝ちます。
戦いを終えた田鵬さんは唐寶雲さんに父の仇を討ちたいかを聞きます。やはり心の奥では自分の手で仇を討ちたいと思っていました。彼は唐寶雲さんに剣を持たせ、大きな部屋に父を殺した犯人がいると告げます。
彼女を連れていきます。そして、父の仇を討つように声をかけます。それに合わせて、唐寶雲さんは突進していきます。田鵬さんに・・・。
唐寶雲さんは苦しそうな彼の様子に真犯人が誰であるかをようやく理解します。
田鵬さんは気軽に張鵬さんから引き受けた悪い仕事で一生を後悔することになりました。仲間を殺し、田鵬さんを殺しました。しかし、自分の罪の償いとはなりませんでした。少年が自分を慕ってくることも申し訳なく感じていました。死ぬことでしか罪を償えないと思い至ったのです。泣きながら様子を見ている少年。
唐寶雲さんも後を追って自死します。折り重なるように亡くなっていました。暗闇の中、少年は猫を抱いて、家を立ち去ります。終わり。
ミステリードラマが好きな私としてはラスト10分の急展開がたまらなく楽しかったです。
老人と張鵬さんの入れ替わり方がよくわかりませんでした。老人を殺して、張鵬さんが成りすましていたのかな。それとも途中から架空の人物をつくり上げて、生活していたのかな。まぁ、いいか。
田鵬さんの気持ちを考えると切なさでいっぱいになりました少年を弟子にしなかったのは彼を傷つけたくないと思うが故だったのですね。
少年の未来が幸せであることを祈りたいです。