1977年の台湾映画。出だしがあまりにも変なので興味をもってしまいました。
宋の皇帝が馬を走らせています。クマのような姿の着ぐるみが襲ってきます。口から爆弾も。
将軍が助けにやってきて、クマは倒されます。
林伊娃さんの部屋が光り出し、風が吹きます。さっきの変なクマが登場します。クマは自分が宋の皇帝に殺されたことを知らせると消えます。彼女にとって大切な師匠でした。嘆き悲しみ、リベンジを誓います。
林伊娃さんを溺愛している秦の皇帝 陳星さんがやってきて、助けを申し出ます。そして、易原さんを呼び出します。激昂する陳星さんに対して冷静に対応します。彼と数名の部下で皇帝とその家族の殺害に乗り出します。
傷を負った皇帝。傷には毒が入っているようで、苦しんでいます。医者が治療していると、煙を出して易原さんたちがやってきます。そして、襲ってきます。
妃に知らせが届きます。兵士は易原さんのことを「悪魔」と呼んでいました。妃は皇帝の死を知り、ショックを受けます。そこに易原さんがやってきて、妊娠中の妃も侍女も殺してしまいます。
将軍と手下たちが易原さんたちを追っていると木の上から易原さんの手下たちに襲われます。
黒い服を着た老人が草原から出てきます。若者を連れて歩いていると向こうから易原さんの手下たちが連なって歩いてきます。老人は数年後の将軍でした。必死に戦いますが負けそうです。若者が自分の命をなげうって、彼を逃がします。
逃げ疲れた将軍は川で水を飲みます。すると、後ろから白い猿がやってきて、彼を羽交い絞めにします。首が締まる~
秦祥林さんが猿を払い飛ばすと、老人をターザンみたく抱えて助けます。(猿は好奇心で老人に絡んだだけで基本的にいい奴。)ビー玉のようなものがぽろっと落ちます。猿と老人が手にすると秦祥林さんが自分のだから返すように言います。
ビー玉を見た老人は感激して秦祥林さんに跪き、「師匠」と呼びます。あの事件から20年経っていました。将軍だった老人は妃から5人の子どもたちのこと、彼らが皇帝の仇を討つ手伝いを頼まれたのでした。秦祥林さんは子どもの1人でした。話を聞いた秦祥林さんも感激します。
さて、食事を終えた陸一龍さん。お金がないからつけ払いにしようとして給仕とトラブルになります。街の人ではないので信用できないと突っぱねられます。経営者の司馬玉嬌さんは陸一龍さんの食事代をチャラにし、更にお金をあげようとします。彼は申し出を断り、信用の証として大切な刀を司馬玉嬌さんに預けて店を出ます。
外では易原さん側の兵士たちが女性に絡んでいました。ある男性が女性を助け出します。が、すぐに殺されます。
兵士たちが去った後で龍少飛さんは彼を埋葬する仕事を店主から引き受けて、遺体を運びます。店の前に遺体があったら商売にならないので。
司馬玉嬌さんが歩いていると衛子雲さんがやってきます。軽薄な態度にイラッとした彼女は攻撃をしますが、衛子雲さんは武術が堪能。かわされてしまいます。イヤリングを奪われ、からかわれます。
そこに棺を引きずっている龍少飛さんが通ります。彼は埋葬するのが仕事。衛子雲さんは彼を追います。棺ごと飛んで移動するので、衛子雲さんも飛んで移動します。
棺と一緒に穴に入った龍少飛さんを衛子雲さんは風を起こして埋めてしまいますが、龍少飛さんはモグラのように移動して簡単に出てきます。衛子雲さんは「火」で龍少飛さんは「土」かな。っていうか、どうして龍少飛さんを埋めるの?
秦祥林さんは老人と猿と様々な集落を訪ねていました。しかし、思ったような収穫は得られず。街に行くことを提案します。老人は秦祥林さんの意欲的な態度に感動し、街に行くことに決めます。
大道芸人が捕まえられていました。陳星さんが武器の所持を禁じているためです。役人はきまりはきまりと態度を変えません。秦祥林さんは斧を取り出して、役人たちと戦います。
武器の所持だけでなく、お酒もいずれ禁止になりそうです。街の人たちも締め付けの厳しい情勢にうんざり。
秦祥林さんたちが酒樓にやってきます。張繼龍さん、一瞬だけ登場。司馬玉嬌さんにぶつかる役でした。
王太郎猿は給仕が持ってきた料理をお盆から降ろして、秦祥林さんと老人が取りやすいように置いてから、食べ始めてました。気が利く~。
4人の兄弟を探さないことには何もできないな~と話をしていると易原さんがやってきます。取り囲んで、逮捕しようとする易原さんたち。秦祥林さんたちは抵抗します。
司馬玉嬌さんも助けに入ってくれます。しかし、易原さんは強い。司馬玉嬌さんは店内にある大きな壺に入ります。易原さんが壺の蓋を取ると中から煙が出てきます。その隙にみんなは逃げます。
陳星さん、登場。めちゃくちゃ機嫌が悪い。反抗する人たちが多いし、易原さんが戻ってこないからです。林伊娃さんに慰められ、落ち着きます。
易原さんが戻ってきて、秦祥林さんに手こずっていることを話します。陳星さんは秦祥林さんと老人の逮捕を命じます。
古い寺で休む2人と1匹。林伊娃さんが突如現れ、秦祥林さんを薬で眠らせて連れ去ります。王太郎猿が気づいて老人を起こします。
イケメンなので林伊娃さんは気に入ったようです。王太郎猿は必死に探します。意識が戻ったけれど体が動かない秦祥林さん。林伊娃さんに迫られて、困っているところを王太郎猿が助けてくれます。
衛子雲さんはメイク濃い目の変な2人組に狙われます。火を使って、彼らを倒します。
衛子雲さんが食事をしていると、噂を聞き付けた易原さんが彼に接触してきます。皇帝のために働くことは断りますが、秦祥林さんと老人の暗殺で報酬がもらえるので引き受けます。成功したらボーナスも。10日以内に行うことで契約成立~!
易原さんが酒樓を出たところを司馬玉嬌さんが通りかかります。易原さんは彼女に犯罪に手を貸していると警告します。街中からいきなり林に場面が変わり、2人は戦います。易原さんに押され気味なところを陸一龍さんが助けてくれます。なぜか龍少飛さんもいました。なぜかなぜか司馬玉嬌さんは彼の剣をずっと持っており、剣を返します。陸一龍さんは彼を追い払うことができました。
龍少飛さんは陸一龍さんと一緒にいれば埋葬の仕事にありつけると思ってついてきていたのでした。不謹慎なので陸一龍さんは彼に襲いかかると、彼はいなくなります。
陳星さんが林伊娃さんとイチャイチャしていると易原さんがやってきます。陳星さんは首都に見知らぬ功夫の達人たちが増えていることを気にしていました。易原さんはすぐに彼らを排除することにします。
夜、司馬玉嬌さんの店に気持ち悪い被り物をした人が飛び込んできて、襲いかかってきます。司馬玉嬌さんは堂々と戦います。私なら絶叫して逃げるな・・・変身していた林伊娃さんは元の姿に戻ります。
司馬玉嬌さんと林伊娃さんの戦いが続きます。陸一龍さんが駆けつけ、林伊娃さんを斬り付けて、やっつけます。
寝台で侍女に手当てをしてもらう林伊娃さん。易原さんは傷口に毒が入っているのを見て、彼女の腹部の傷にいきなり口をつけます。林伊娃さんは激しく抵抗します。易原さんにやましい気持ちはなかったようですけど。どうなんだろうと思ってしまいました。
一方、司馬玉嬌さんも陸一龍さんに手当てをしてもらっていました。
苦しみながら外に佇んでいた林伊娃さんは心配する侍女の首筋に噛み付きます。血を吸ったら、回復します。ドラキュラなの?
そして、自分の弟分と妹分を呼び出し、陸一龍さんの刀を奪うよう命じます。
陸一龍さんと司馬玉嬌さんは剣が敵を倒す強い力をもっていることに気付き、秦を倒すためにがんばろうと励まし合います。しかし、妹分が彼女に憑りつき、剣を取り上げてしまいます。今度は弟分が陸一龍さんに憑りつき、司馬玉嬌さんに襲いかかります。2対2で戦い、陸一龍さんと司馬玉嬌さんはやっつけられてしまいます。
2人が亡くなったと思い込み、埋葬しようと張り切る龍少飛さん。しかし、2人とも気を失っていただけでした。陸一龍さんを助け起こしたときに「金」を書かれたビー玉が落ちます。残り2人もビー玉を持っていました。自分たちは何か繋がりがあると感じます。
陳星さんたちは妹&弟分の到着を待っていました。彼らは持ってきた剣を見せます。林伊娃さんにとっては脅威の剣。すぐに処分をしなくてはなりません。
龍少飛さんは棺屋さんでもありました。あまり探す人はいないだろうということで陸一龍さんたちは仕方なく、そこで休むことにします。
衛子雲さんは秦祥林さんの殺害を易原さんから依頼されていたので、彼を狙います。龍少飛さんは珍しく戦いを止めます。3人で揉めていると誰かからビー玉が落ちます。3人とも同じものを持っていることがわかりました。やはり衛子雲さんたちも兄弟のようです。これでやっと5人揃いました。
易原さんは棺屋で陸一龍さんたちを発見し、捕まえようとしていました。易原さんに殺されそうになりますが、陸一龍さんの顔から妙な光が出て易原さんを攻撃。助かります。
しかし、司馬玉嬌さんは連れ去られてしまいました。司馬玉嬌さんは易原さんに協力することを拒み、閉じ込められます。
龍少飛さんは将軍に変装し、易原さんに面会します。嘘をついて彼女を助け出そうとしますが、すぐにバレます。衛子雲さんが乗り込んできます。易原さんは彼を仲間だと思っています。易原さんが油断しているときに秘孔をついて気絶をさせ、龍少飛さんと司馬玉嬌さんを救出します。
遂に遂に5つのビー玉が揃いました。老人は5人に説明をします。5人は気合いを入れて、リベンジに臨みます。
「金」が陸一龍さん、「木」が秦祥林さん、「水」が司馬玉嬌さん、「火」が衛子雲さん、「土」が龍少飛さん。鉢巻きにそれぞれのビー玉をつけていました。
5人と猿と老人でどんどん中へ入っていきます。
易原さんが何かを投げると同じ服装をした手下たちが出てきます。孫悟空的な感じ?
透明人間になって攻撃してくる林伊娃さん。龍少飛さん、王太郎さんと戦います。
易原さんは衛子雲さん、、陸一龍さん、司馬玉嬌さんと戦います。
林伊娃さんは逃げまくります。空からよくわからない光が出て、例の剣が急に彼女を刺して、倒してくれます。陸一龍さんが抜いて弟分に刺すと、鬼みたいな変な姿になって倒れます。光は「この剣はたくさん人を殺したから預かる。これがあると話がまとまらないし。」と言って回収します。
秦祥林さんは陳星さんと戦っていました。陳星さんに腹を蹴られ、動かなくなります。衛子雲さんたちが相手になります。このときの衛子雲さんがえっらいかっこよかったです4人も倒されます。
スケジュールの関係か途中で離脱していた秦祥林さんが目を覚まします。勝った気でいる陳星さんに再び挑みます。
王太郎猿が陳星さんにつかみかかって押さえている隙に秦祥林さんが斧で彼の腰を斬り付けて倒します。動けるようになった4人は死んでいる陳星さんと相討ち状態で亡くなった王太郎猿の姿を発見します。
突如、再登場した老人が「宋の復興を目指そう!」と5人に呼びかけて終わります。
クマみたいな被り物のキャラたち、あれは結局何だったのだろう。かなり衝撃的でした。陳星さんの側近たちは実は悪魔だったってことなのかな。
林伊娃さんが秦祥林さんに迫っていた場面は全く話の内容に繋がっていかなかったな。
陸一龍さんの剣も途中であまり重要じゃなくなるし。後半、見えない力に持っていかれる始末。
重要な登場人物と設定が多過ぎて話がふくらみ、回収し切れなくなった感があります。
そんな中でキャラもアクションも光っていたのは衛子雲さんと王太郎さんだったと思います。2人とも本当に身軽でした。
そして、全員の衣装もよかったです。「木」と「金」はちょっとダブって見えたけど、悪役たちもカラフルで楽しめました。
この映画の正式題名は「金木水火土猿」でしょう!
いろいろと突っ込みどころ満載の映画でした。