1983年の韓国映画。黄正利さんが監督しています。
ある親子3人が韓国に帰ろうとしていました。そこへお世話になった人たちが悪党を倒してほしいとお願いに来ます。
お世話になったので、そのお返しをするために彼は悪党と戦います。その悪党が黄正利さんです。
激しい戦いの末、黄正利さんは勝ち、男性は命を落とします。
母と子は男性の死にショックを受けていたところ、たまたま黄正利さんの家に寄り、傷を負った彼を発見。どこへも行く場所がないので、元気になるまで看病することにします。(親子は黄正利さんが仇だとは知りません。)
黄正利さんは根っからの悪党ではなさそう。どういう背景があったのか・・・。実は黄正利さんは幼い頃、お金がなかったために母親を殺された過去があったのです。お金と人を憎んで育った彼はお金と引き換えに人殺しをするようになってしまったのでした。
黄正利さんは親子が自分が殺した男性の家族だと知り、距離を置いて暮らします。でも、男の子はかっこいいオーラがだだ漏れしているのにすぐに気づき、距離をぐいぐい縮めてきます。
気を遣って家の外で寝ていると、一緒に寝に来るんです~。かわいい
仇を憎み、父を恋しく思って涙する男の子。黄正利さんは幼いころの自分を見ているような気持ちになります。だけど、そんな状況にしたのは自分です。かわいさと申し訳なさで悩み、苦しむ黄正利さん。
自分を仇だと知らずに無邪気に慕い、一生懸命武術を習う男の子。母をしっかり弔うことだけを生きる目的としていた黄正利さんの心は揺れに揺れます。
自分を殺させるために黄正利さんは真剣に教えます。
ラストシーンの「お前に自分の人生を捧げることにした。」という台詞。なんて男前な言葉でしょう・・・男の子がいい演技をしていて、最後は涙が出てしまいました。
黄正利さんが街に買い物に行って、親子のために新しい服を買ってきてあげるシーンがありました。あまり演出はされていませんでしたが、きっとお母さんのことも好きだったんじゃないかなと私は推察しています。
予想はついていましたが、それでもやはり悲しい終わり方に胸が痛くなりました。どこをどうすれば、こんなことにならずに済んだのか。人生って難しいな~と思ってしまいました。