生態調査班の仕事は、相変わらず忙しい。パソコンのキーボードを叩く音だけが、静かにオフィスに響いている。

「……目が疲れた」

タクトはマグカップを片手に立ち上がった。

「コーヒー?悪いけど、私のぶんもお願いできるかしら」

ヒナタがまともに振り返りもせず、自分のマグカップを持ち上げる。

「ああ、はい。分かりました。相変わらず、めちゃくちゃ大変そうですね」

「室長なんだもの、このくらい当たり前よ。今度の社員旅行までには仕上げておかなくちゃ」

すさまじいスピードでキーボードを叩きつつ、ヒナタは呟いた。

 

「え、社員旅行?」

両手にマグカップを持ったタクトが立ち止まる。

「来週よ。カレンダーにも書いてあるし、社内メールも来てたでしょう」

軽く振り返ってそっけなくそう言うと、ヒナタは再びパソコンに向き直った。どうやらこれでは詳しく聞けそうにない。

部屋のすみのポットからお湯を注ぎインスタントコーヒーを入れる。入れすぎると苦くなるので、タクトはカフェスプーンにきっちりすりきり1杯の粉をはかりとっていた。疲れていたので粉のミルクと砂糖は多めに追加する。ヒナタはブラックが好きなのでそのままだ。

 

「ありがとう」

コーヒーを受け取って一口すすると、ヒナタはようやくまともにタクトの目を見た。

「1か月くらい前よ、メール。広報室から。気分転換に読んでみたら」

タクトはその言葉を手がかりにしてメールを検索する。思いのほかあっさりと見つかった。

「【重要】2274年度 本社社員親睦旅行について」というタイトルがついている。重要という文字があるにもかかわらず見落としていたのは、普段送られる広報室からのメールが自分の業務に関係ないことが多いからだろう。

 

2泊3日、曽利国(そりこく)本社の社員は基本的に全員参加の旅行らしい。さまざまな会社の研修施設としても使われている立派なホテルに泊まるようだ。添付されている写真を見ると、新しく小綺麗で良さそうである。四木島(しきしま)という本土に近い自然豊かな島にあり、エビなどの海産物などが売りのようだ。

 

ドアが開く気配がする。ガクがひょっこりと現れた。

「失礼しまーす。兄ちゃん、いる?ああいた!ラーメン食べに行こうよ。今日の帰り。カイ兄がおごってくれるって」

ガクは目が合うと、にっこりと笑った。

 

 

 

 

 

〈おまけ〉

カイトがあまりコーヒーを飲めない設定なのは、少し前に書いてあったかと思います。キムチは大好きなんですけどね。韓国人の血がそうさせるみたいです。

 

ヒナタは逆に、ブラックが好みのよう。コーヒーって、人それぞれ好みが違っていて面白いですよね。

 

私自身は、ドリップしたての香りが好きです。香りが部屋に広がる感じも好き。

 

 

ステンレスフィルターを使っています。あまりゴミが出ず、手入れが簡単でしかもおしゃれ。気に入っているのですが、ジャン菅上手に使いこなせていない時も。

 

 

まあ、こんな感じで派手にこぼすこともありますね。適当だからこうなるんです。そんなわけで忙しい時は、タクトと同じようにインスタントコーヒーを使うこともありますよ。

 

最近飲んでいるのがこちら。

 

 

ビオセボンで買ったものです。忙しい時は、インスタントが楽ですね。あと、基本的にはブラックでなく豆乳入れて飲んでいます。

 

 

 

 

 

 

「インセクト・パラダイス」は完全フィクションの小説です。

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