「ルパンの消息」 | 今日という日、そして来し方行く末

今日という日、そして来し方行く末

定年退職後の日々(おそらく20年ほどの残された日々)
の出来事や思うことを徒然に綴っている残日録です
~日残リテ昏(クレ)ルルニ未ダ遠シ~

を図書館で借りて読む。横山秀夫さんの小説は割と好きで今までも何冊か読んでいるのだけど、これが処女作なのだそう。この作品は「サントリーミステリー大賞」の佳作に選ばれたのだけれど、長い間出版されなかったのだとか。でも、処女作とは思えないほど面白くって、一気に読了。

 

ある高校が舞台なのだけれど、「こんなひどい学校ってある?」っていうくらい校長以下ひどい先生ばかりで、その高校で15年前に女性教師の死体が発見され、屋上から飛び降りた自殺として処理されたのだけど、それが実は殺人だったというタレ込みが入る。それが何と時効の1日前!(確か、現在は殺人に時効はなくなったんでしたよね?)。

 

たった1日で事件を解明して犯人に行きつく大勢の刑事たちの奮闘!現実にはあり得ないストーリーなんだけれど、そして、「そんなバカな・・・」と思う箇所もいくつもあるんだけれど、グイグイ物語に引き込まれて行く。そこに、過去に三億円事件の犯人として警察に疑われていた人物も絡んで来て・・・。そして、最後はお涙頂戴の大団円。

 

先日読んだ「カササギ殺人事件」とは大違いでスイスイ読んで行けました。やっぱり、私はイギリスの本格ミステリーより日本のミステリーの方が性にあっている。大勢登場する刑事たちや容疑者たちの名前がみんな漢字なのも有難い。翻訳ものは登場人物がみんなカタカナ表記なので、私のような歳になると、そのカタカナ表記の大勢の登場人物を覚えるだけで大変・・・。