106回 ミッドウェー海戦の悪夢 ~負けるはずの無い戦力差で負けた~ | 日本人のための近現代社会

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今回は104回で解説した珊瑚海海戦の半月後に起こったミッドウェー海戦について解説していこうと思います。

ようつべ https://www.youtube.com/watch?v=Ew29Vg8UbSs

ニコニコ http://www.nicovideo.jp/watch/sm30240723

 

 まずはこの表をご覧ください。艦これ公式作戦記録に載っている両軍の編成一覧を見ながら数え上げてみたものなんですが、さてここで問題です。右と左はどちらが日本でどちらがアメリカでしょう。

 ミッドウェー海戦は日本が負けた事で有名な戦いなんだから、左がアメリカで右が日本に決まってるじゃないですか。これだけの戦力差があって左が負けるとか普通に考えてありえないしもし負けたんだとしたらどんだけアホなんだよって話です。

 空母は倍いますし戦艦なんて9VS0ですよ。その他の艦艇も全て左が多いですからね、まさに圧倒的戦力差です。この戦力差だったら負けたってしょうがないって思いますよね。

 

 ところがどっこい、実は左が日本なんですよ。ミッドウェー海戦は情報戦で負けたとよく言われますし、実際その側面はあります。しかし、情報で負けていたとしてもこんだけの戦力差があったらたとえ暗号解読して手の内が分かったとしてもどうにもならないですよ。逆に日本軍は敵を見つけさえすれば圧倒的戦力差で粉砕できたはずです。

 

 今話題のトランプで例えるなら、ポーカーをやっててアメリカはワンペアなのに対し、日本はロイヤルストレートフラッシュが揃ってるようなもんです。たとえ、相手の手札が分かったとしても勝負にならないですよね。

 

 ではなぜ日本はこんな勝って当たり前の戦いで負けてしまったのか。最も大きな理由は4隻の空母率いる機動部隊がなぜか一番先頭を進んでいて、しかも護衛となる船も高速戦艦2隻、重巡洋艦2隻、駆逐艦12隻だけでした。これじゃあアメリカより護衛が少ないですよね。他の船は何をしていたか。

 戦艦大和を含む主力艦隊は遥か500キロも後ろをミッドウェーに向けて進んでいたんですよ。こんなんじゃいざ戦いが始まっても参加できないしただの役立たずじゃないですか。

 

 おそらくは機動部隊だけで勝てる前提で、その後にアメリカがミッドウェーを取り返すためにハワイから出してくる主力艦隊との決戦のために後ろからついて来ていたんじゃないかとは思うんですが、何でもうちょっと空母の護衛の数を増やさなかったのか。速度の遅い大和とか長門みたいな戦艦は足手まといにしかならないかもしれないですが、巡洋艦や駆逐艦の護衛はもっと増やせるんじゃね?と思ってしまいます。

 

 また、ミッドウェーと並行してアリューシャン方面へも空母を2隻出して戦力を分散させてしまった影響もかなり大きかったでしょう。せっかく戦力で圧倒的に勝っているんだからミッドウェーに集中させればよかったのに、なぜか敵と同じ程度の戦力しかミッドウェーには出さず、アリューシャンに陽動を出したり、空母部隊の遥か後ろで何もせずにただ見てるだけの艦隊を出したりといったよく分からない艦隊運用をやっていました。

 

 こうなると、ほぼ同じ戦力での戦いとなってしまいますから、日本の数的有利は無いわけです。その状態で、アメリカは暗号を解読して日本の手の内を全て知っています。さっきのトランプの例で言うなら、日本がわざわざ手札を崩してお互いワンペアの状態でアメリカだけが日本の手札を知っていたら絶対に負けないですよね。

 

 どうしてこんなアホな状況を自ら作り上げてしまったのか。作戦自体が目標が明確でなかったとか理由はいろいろあるかと思いますが、やはり日本海軍、特に第1・第2航空戦隊の慢心が大きかったんじゃないかと思います。

 104回動画でも話しましたが、「5航戦でも勝てるアメリカ軍なんて大したことはない。俺たち第1・第2航空戦隊が戦えば必ず勝つ」と思っていました。だからこそ、500キロ後方の主力艦隊という意味不明な状況が発生したのではないでしょうか。

 

 結果としては米軍の正確な急降下爆撃によって赤城、加賀、蒼龍の3空母を一瞬にして沈められ、残った飛龍が奮戦して敵空母1隻を大破に追い込みはするものの結局は沈められてしまい、大敗北を喫する結果となってしまいました。この急降下爆撃の脅威というのも半月前の珊瑚海海戦で空母祥鳳が沈められた時に身を持って体験していました。にもかかわらず、戦ったのが5航戦だから仕方ないで片づけられてしまい、対策が練られる事はありませんでした。

 ともあれ、この海戦の結果、日本は主力の空母4隻と航空機300機近くを失う事になってしまい、もはや攻勢を仕掛けるのは厳しい状況に追い込まれてしまいます。逆にアメリカはチートレベルの生産能力で建造していた空母が次々と完成し、物量の差で日本軍を圧倒するようになっていきます。後に解説するマリアナとかレイテ辺りになるともはや勝負にならない物量差ですからね。

 次回は3度にわたるソロモン海海戦について話をしていきます。動画の読者登録及び、チャンネル登録・お気に入り登録をよろしくお願いします。

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