子供が自分の感情を出すと 「ワガママだ」 と感じる親は多いと思います。子供の自己主張や飾らない感情というものは、親からみて不快・不安な事が多いのではないかと思われます。
我儘な子は表記される字の如く、「我がまま」 なのであって自分の意に従って行動しており、あるがままの自分を認めてもらいやすく、周囲の者に対する気配りには鈍感である事が多いです。
一方、我慢する子は、堪え忍ぶ・辛抱する・忍耐強い子です。子供は 「我儘」 と 「我慢」 に潜むものを実にうまく表現しています。
ある子が、不登校になった時、母親に 「妹がうらやましかった。妹は、我儘だけど、可愛いから、家族は何でも妹の我儘を許してきた。私は、もともと我慢する方だから、いつでも我慢してきた。言いたい事も言えず、欲しい物も我慢した。私が我慢する事で、家族みんながうまくやってこられた。本当は私だって我がままでいいのなら我儘になりたい。こんな不公平には、もう私は我慢しない。」と。
子供の身勝手な自己主張は、親にとって不愉快である事が多いため、「我儘」な子はダメ、「我慢」のできる子は善しという構図が出来上がってしまったと思います。
お大師様は、生きとし生けるものは皆平等、とおっしゃっています。
「我慢」がよくて「我儘」がダメという構図は、全てが一考する価値があるのではないかと思えてきます。
南無大師遍照金剛
留辺蘂町 金毘羅霊院 髙田 有修 僧正