
『黄金のアデーレ 名画の帰還』 WOMAN IN GOLD 2015・アメリカ・イギリス
クリムトの作品は知っていても、背景を全く知らず。
この「黄金のアデーレ」という絵は知っていても、その逸話を全く知らなった。
だから、大いに驚いた。
泣いた。
泣ければいいというものではなく、クスクスもあった。
第二次世界大戦中に、ナチス・ドイツがユダヤ人から多くの物を奪ったのは周知の事実だ。
命もそう、財産もそう、そして、この絵画も。
この映画は、接収された絵画を取り戻そうとする一人の女性の闘い。
実話である。
実話であればいいというものではない。
ちゃんとエンタメだから、ズドンと響く。
ヘレン・ミレンが素晴らしい!
愛嬌たっぷり、可愛らしくて毅然として大拍手。
東京国際映画祭でモニター越しに、その美しさに失禁した思い出。
美容整形はしないポリシーで、華麗に加齢する姿を見せてくれている。心強くて、ありがたい。
若手弁護士のライアン・レイノルズは、イケメン隠しの役作り。
とってもいい!地味でいい!
見るたびに違うので、この人もそろそろ覚えたい。
ダニエル・ブリュールは善人の役が多いのに、ついつい悪人に見えるのはナゼだ。
サイモン・カーティス監督は丁寧、丹念、それでいて飽きさせない。
エピソードの配置が完璧で、時間は飛ぶのに違和感がない。
画面が美しく、陰鬱でないのも嬉しい。
誤解を承知で、完全なる私見ながら、ナチス・ドイツの罪とされていることや数字が、本当に全て史実なのか。と、疑うことがある。
あれだけの悲劇を体験したユダヤ人が、どうしてパレスチナ人を殺しているのか、と感じるからだ。
世界的にも、映画業界においても、ナチス・ドイツは絶対悪だ。
殊に、ハリウッドを始め、映画界にはユダヤ人が多い。
今作ももしかしたら、そういう含みがあるのではと身構えていた。
だが、違った。
これは、82歳の女性が、世界に戦いを挑んだ話だ。
奪われたものを取り戻す。
その姿の凛々しさよ。
彼女の意志が、過去を照らし出していくのだ。
人間の罪と、奪われた時間をあぶりだすのだ。
実に、晴れがましい秀作だ。
スクリーン
[関連作品]
ダニエル・ブリュール 『ラッシュ/プライドと友情』『コッホ先生と僕らの革命』
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