おわりの入り口 | 劇団 貴社の記者は汽車で帰社

作・演出と、犬塚信乃などなど役の千野です。

この度もどうにか無事に終演できました。

すべての皆様に感謝申しあげます。

 

今回、ラストシーンでついに言ってしまいました。

「いよいよ最後の局面がやってきたみたいだ」

「南総里見八犬伝の/続きの話が/さいごまで、したい!」

……ということで、次回、完結編です。

そんなところまで来てしまいました。

どうか、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

 

そんな今回はひたすら親兵衛が主役のお話でしたね。

館山城の戦いはともかく、京都編は漫画やドラマなんかでも省略されることが多いので、逆に、絶対にやってやるんだからな!の意気込みで入れ込みました。

京都編いいですよね。親兵衛無双。ラノベ感あって最高です。

親兵衛って最強犬士ではあるけれど、未熟なところもあって、ちゃんと成長していくんですよね。そういうところも描けていたらよかったなと思います。まぁ原作通りなんで、面白いと思っていただけたなら、ただただ馬琴先生が素晴らしいってだけなんですが。

そうそう、冒頭は殿の回想から始まりましたが、あれも完全に原作通りです。前回の台本を書いているときから、「次回はここからやればおさらいできてちょうどいいね!」と思ってました。さすが馬琴先生だよ……!

 

役者としては、信乃はもう慣れたもんです。前回あたりからトリッキーな単独行動が目立つ信乃くん。今回は丶大さまを危険にさらしている間にお米を取ってきました。

あのタケノコご飯のくだりは、本筋に全く関係ないから「こんなことやってる場合じゃないのでは(上演時間的な意味で)」と思ってたんですが、出番の少なかった七犬士の個性が出たので、やってよかったなぁと思いました。

(あと、もうひとつだけ「こんなことやってる場合じゃ(以下略」なのに無理やり入れ込んだくだりがあります。そうです、掛田和奈三(かけた・わなぞう)の話です。名前が好きすぎて…)

信乃くんのほかにはモブ水主(毒入りの酒飲んじゃった人)と巽風(虎の絵の人)をやってました。どっちも楽しかったです。特に巽風は映像音響照明小道具ぜんぶの力が結集されていたのでめちゃくちゃ気持ち良かったですね。いや、まぁ、おいしくなるって分かってたんでやらせてもらったんですけど笑

巽風の前日譚はYouTubeで配信してるので、よかったらご覧ください。波瀾万丈クズ。実に千野好みのキャラクターです。

こちらからどうぞ!

 

さて、いつもはひと公演ぐらいはさんで続きをやっていた八犬伝シリーズですが、もう一挙にたたみかけます!

11月、いよいよ完結。どうぞお楽しみに!!

 

2023.1.26 千野裕子