


ブログネタ:
先週末なにしてた? 参加中
ごきげんよう、劇団の合宿を控えてウキウキの元帥です!
今年は熱海ですよ!熱海まで行って、宿に引きこもって稽古ですよ!(笑)
さて先週末。夫婦で帰京しておりました。
夫の知人がダンサーとして出演する舞台、
『天地流転』 を観るためです!
お話を簡単に説明すると、奴隷出身の男女3人が、赤チーム(男)と青チーム(男女)に分かれ、それぞれのやり方で国政の内外から非道な国王の打倒を謀り平和な世界を目指すというもの。天の使者である麒麟が不思議な力をもって介入し、3人の運命を翻弄するという仕掛けがあります。
古代中国思想を元にしたファンタジーで、話の筋として真新しさはなかったものの、人間の強さや弱さ、愛情や友情を丁寧に描いていて好感の持てる作品でした。
とりあえず良かったところを挙げていきましょうか。
まず、目についたのは衣装。
衣装さんものすごい頑張られましたね!ファンタジー衣装って作るの大変ですよね!特に軍人さんたち、細部まで格好良くて素晴らしかったです!
あと衣装カラーを赤チーム・青チーム・その他に分けたことで、誰がどういう立場なのか一目で判って良かったです。最後に裏切りが発覚する青チームの1人が紫の衣装だったのは、つまり赤を含んでいる、という、そういう趣向ですよね!
それからダンサーの皆さん。
すごく華やかで素敵でした。やはり踊りをやる方はアンサンブルの芝居でも体の使い方がキレイというか、形がキマッているのが流石と思いました。
個別の役者さんについては、なんといっても
中谷智昭 さん。
出番の間はセリフがなくともひたすらに小芝居をくり出し続ける様は、さながらガトリングガン。細かな表情や一挙手一投足すべてが登場人物のキャラクターを物語り、背景描写の多い主人公たちをも凌駕するほどの情報量をもって存在感を放っていました。
ほかの演技も観てみたいと思わせる素晴らしい役者さんに出会えて感動です。
それから主人公格の1人、
木村敦 さん。
イケメンでお芝居も上手でいらっしゃる。というか、うちの看板女優の
千野裕子 に激似でいらっしゃる。千野が男の子だったらきっとこんな感じ。この方がいれば『とりかへばや』の上演も夢じゃないと思えるほどに似ていたのですよ…!
しかも赤の衣装で殺陣もやってらっしゃったので、千野のハマリ役『伊勢物語』在原業平とイメージが被って面白くなってしまい、真面目な戦闘シーンなのにニヤついてしまいました。
いやしかし、二人を並べて見てみたい。
あとは全体的に間の取り方が上手いな~と感心しました。2時間の上演時間、おしりは痛くなりましたが長いなと感じたり飽きたりすることがなかったのは、とてもテンポよくお話が進んでいたからだと思います。演出さんのセンスと役者さんの順応力が高かったんでしょうね!
な・ん・で・す・け・どぉ~。
ついつい細部が気になってしまう私、重箱の隅つつくの介。
・天も麒麟も地上に干渉しないと言っていたのに、なぜ「血の契約」を提案してきたのか。そもそもなぜ、そのようなものが存在するのか。そのあたりの説明が欲しかった。
・30年前に即位したはずの王が若くてビックリ!というシーン、あんまりビックリできなかった。役者さんが、たとえば6歳で即位して今36歳ですって言われたら、そうかなって思えるくらいの容姿だったから。あと六条天皇みたいに生後7か月で即位させられちゃうパターンもあるしな~、なんて。いっそ50年とか大きく言ってしまった方が説得力があった。
・冒頭、主人公3人のシン君→レイリちゃん→リシュウ君という恋の矢印は分かったが、リシュウ君がレイリちゃんをどう思っていたのかいまいち伝わってこなかった。恋愛感情なのか家族愛的なものなのか、ハッキリとした描写がないので、リシュウ君がシン君に奪われたと思ったものの中にレイリちゃんがいたのかどうか曖昧なまま終わってしまった。(個人的には力も女も取り合ってくれた方が胸熱)
・セリフなどの言葉選びがダサい。
例)「お前のそういうところが、虫が好かないんだよ!」
格助詞の【が】が連続して出てくるのでゴロが悪い。「嫌いだ!」「気に入らねェ!」「好かん!」ではダメだったの?
転換に挿入される『焔国史書』の文章といい、全体的に古めかしい、堅い、平たく言えばカッコイイ言い回しにしようとして失敗している感じがある。特に『史書』は古文を読み慣れている人が見たらそれっぽく書いてあるだけなのが分かってしまうので、古典文法に明るい人にチェックしてもらって違和感のないよう体裁を整えるべきだった。
パンフレットひとつ取っても読点があったりなかったり、見出しに統一性がなかったり。
演出も役者陣の演技も素敵だったので、根幹たる脚本上の粗が目立って仕方なかったです。
・衣装についてもひとつ。
奴隷の衣装ですが、ちょっとガーリーすぎやしませんか?生成りや麻色を多用して粗末さを演出したい意図はよーく分かります。でも、明らかにレースや女物と分かる服を男性に着せたらダメでしょう。赤ずきんちゃんのおばあさんを食べたオオカミみたいで笑ってしまいました。
・あと、新籾ひまわりさん。女優さんなのに日焼けしすぎ…!子役さんなので学校行事とかで仕方ない面もあるかと思いますが、日焼け止めを持たせるとか、周囲の大人の方がビジュアル管理して差し上げてください…!
超長くなってしまいましたね(笑)
でもね、良いことでも悪いことでも、言いたいことが多いのはその作品をきちんと楽しんだ証拠ですから。
好き放題言いましたけど、個人的な趣味嗜好を多分に含んだ感想ですから、的外れかもしれませんがご容赦くださいね(ウフフ
最後になりますが、出演者ならびにスタッフの皆様、大変お疲れ様でございました!!!