こんにちは、花井まゆみです。🌝
受け入れることは難しい
先日
ここに書かせていただいた
92歳の利用者さまのその後です
ご家族が点滴の続行を希望され
毎日2回の訪問を行っていました
点滴を行い
お口の中に溜まる唾や痰を綺麗にして
ビニールチューブで痰を吸い
背中の床ずれの処置
お尻やオマタを綺麗にする
保湿や細かいところのケア
でもさすがに
点滴も入らなくなってきた
食べていない(食べられない)ので
血管も筋肉も全てが萎縮している
確実にエンドステージへと向かう身体
でも
呼吸と酸素濃度はキープ
そんな中で
息子さんの一言
『点滴をしてください』
どういう意味かと言えば
おそらく
点滴をすれば
ある程度もとに戻る、と
思っているのではないか
往診医とも相談
息子さんのご希望を叶える
なんとか点滴が入り
400ccほど入ったところで
喘鳴(ぜーぜーと喉元が鳴る)が出現
この場合
胸にも水が溜まっていることが多い
入った点滴は胸に溜まった様子
受け持ち看護師が
『音を聞いてみますか』と
聴診器で促すが
息子さんは聞かなかった
代りに嫁さんが聞いてみる
『すごい音!』
息子さんはわかっているのだ
この音が聞こえたら
点滴は出来ないことを
つまり、なす術はないことを
それでも血圧も酸素濃度も保っている
もう死期は近い
このなんとも言えない時間
ご本人はどんな思いなんだろう
まだ逝けないのは
きっと息子さんのことを
気にしているからに違いないと
受け持ち看護師は言う
こういうとき
別の世界への旅立ちを
引き止める、視えない力が働く
息子さんは
お母さんの期待に背いて
音楽への道に進んだ
有名商社への就職を蹴って
自身の好きな道に進んだ
だから
お母さんも先を見届けるまで
まだまだ逝けないと思っていたのか
息子さんも
そのことを気にして
逝かせたくないと思っているのか
ちゃんと音楽の道で食べてきて
ご家族も養って
しっかりされてる息子さん
もう
苦しまなくてもいいんだけど
そこは
母と息子の間のこと
わたし達がとやかく言うことは無い
ただひたすら
受け入れを拒んでいる
ご本人が旅立たれた後
どのように気持ちを
整理されるのだろう
わたし達の支援は
亡くなった後も続きます
長くなりましたので
今日はこのあたりで
ここまでお読みいただき
ありがとうございました
次回の記事もお楽しみに🌛
基本は『心と身体は繋がっている』の考え方。