これは迂闊であった、ころりと忘れていた | 如月隼人のブログ

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うううむ
10年かそれ以上前に
「これはよい本があった!」と思って購入したのだが
自室内の本の山に埋もれていて
今日の今日まで忘れていた

迂闊であった、ころりと忘れていた

私にとって
なぜこの本が大切かと言うと
現在の中国を知るには
清朝のことを知ることが不可欠と考えるから

編者の岡田英弘先生は
清朝は中国の伝統王朝ではなく
元朝に続いて
外部の異民族が樹立した別の系譜の王朝
と考えられた

私もほぼそう思う
それでもって
現代の中華人民共和国も
「別の系譜の王朝」という側面があると考える

と言うのは
中華人民共和国を支配しているのは中国共産党であり
中国共産党の最高幹部は
ほとんどの場合に血筋からすれば漢人ではあるが
思想面では外部から来たマルクス・レーニン主義思想が基本

マルクス・レーニン主義思想をそのまま受け継ぐのではなく
「中国での現地化」も大きく推し進めていることはその通りだが
中国の伝統思想で理論武装された
「伝統王朝」とは別もの

ということで
長い長い中国史における
「別の系譜の王朝」と考えてよいのではなかろうか

「中華人民共和国は世襲制の王朝ではない」との反論はあるだろうが
それだったら
「別の系譜の体制」と言い直してもよい

さてさて
編者の岡田英弘先生にはお会いしたことが何度かある
いずれも短い時間ではあったが


岡田先生は歴史学で独自の見解を多く述べていて
「なるほど」と思うことも多い一方で
「それって極論では?」と思えることもあった

一つ言えることは
岡田先生は例えば中国史を考える際にも
必ず「アジア史」あるいは「ユーラシア史」の立場から考えられた

だから
いわゆる中国史の専門家とは異なる
新鮮な切り口で歴史を論じておられた

お会いできる機会はそれなりに多かったので
「いずれまとめて質問しよう」と思っているうちに
お亡くなりになってしまった

いかんなあ
人生で大切なことを後回しにすると
取り返しのつかない状況になることが多い

さてさて
この「清朝とは何か」は
使っている活字も小さくて
情報量がとても多そうだ

とてもではないが一気読みは不能
ということで
少しずつひも解いていくことにする