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料理や食べ物関係の記事を掲載しているサイトから
欧米語からの翻訳であることは間違いない
ただ原文サイトは見つけられなかった。
日本語訳文はまずまず
機械翻訳では今のところ
このような日本語文は書けないから
人の手が入っているのは明らか
それはよいとして
こんな一文があった
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トマトは、jianbing (香ばしいクレープ)やroujiamo (サンドイッチの一種)など、中国の屋台料理にもよく使われる食材です
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ううううむ
この表現で読者が理解できると思っているのだろうか
“ jianbing ”の中国語原語は「煎餅」
“ roujiamo ”の中国語原語は「肉夾饃」なんだけど
翻訳者がそれを知らなかったことは全く問題ない
中国語の専門家じゃなければ知らなくて当たり前
問題なのは
「jianbing (香ばしいクレープ)」と書くだけで
あとは何もしなかったこと
翻訳をしていて
自分の知らないものとか
自分の知らない概念に出くわすことは
しょっちゅうある
でもそれを放置したら
読者には伝わらない
それから
自分自身が知らなかったり
自分自身がが理解していなかったら
原文に問題があってもそのまま素通り
私がやっているのは中国語の日本語訳だけど
中国語原文に問題がある場合がけっこう多い
特に歴史や文化、あるいは古生物学なんかでは
「中国では広くそう考えられているが
中国以外ではほとんど認められていない」
てな学説を定説のように扱っていたりする
それならまだしも
日本の歴史なんかの細かい部分では
全くの間違いを書いていたりする
翻訳という作業は
例えば単行本なんかでは注釈を入れるべきだし
そうでない場合には
その部分を敢えてカットしたり
ぼかしたりすることも必要だと思う
読者に対して定説ではないことを
定説のように紹介する方が
弊害はずっと大きいと思うから
さてさて
内容を確認すると言っても
完璧にはできなくて普通
ただ
いろいろと調べて
「この程度のことならば自信を持って読者に伝えられる」
という状態にまではする
そうそう
「完璧にはできなくて普通」とはどういうことかというと
例えば
「jianbing (香ばしいクレープ)」の( )内の部分は
おそらく英語を訳したものと思うけど
「本当に香ばしいかどうか」の確認まですることは困難
ただ“ jianbing ”がどのような食べ物かが分かれば
「香ばしい」と書いて
まず間違いない
と確信できるまでには持っていける
さてさて
例として挙げた文章の翻訳者は中国語を理解できないとして
“ jianbing ”やら“ roujiamo ”が何者か
さらに漢字ではどう書くかを調べられるのか
これが実は
意外に簡単にできる
“ jianbing ”なり“ roujiamo ”でググってみればよい
「煎餅」や「肉夾饃」を紹介する
日本語なり英語なりのサイトがヒットする
写真だってヒットするから
どんな食べ物かも視認することができ
「これなら『香ばしい』と表現しても間違いないはず」と
納得できるはず
さきほど自分でやってみたけど
“ jianbing ”でも“ roujiamo ”でも
「煎餅」や「肉夾饃」にたどりつくまでに
それぞれ1分もかからなかった
(というか一瞬だった)
それを怠ったということは
文章を発表する際の
「読者にしっかり伝える」という
基本の基本がなっていないということ
要するに
志のない仕事をしていることが
バレバレなのである
元記事は【こちら】 からどうぞ