1917年
四川省・灌県
米国人シドニー・ギャンブル(1890-1968年)撮影
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撮影場所は現在の行政区分では
四川省・都江堰市
写っているのは中国の都市部で盛んにつくられた
牌坊または牌楼と呼ばれる建築物だ
礼教を宣伝したり宗教上の功徳を示すために作られ
また
功績を上げる人物が出現したり科挙の合格者が出たりしたきっかけに
建てられる場合も多かったという
本来は牌坊と牌楼は建築様式が異なり
牌楼は本格的な建物の特徴をより多く備えていた
例えば「枓栱(ドウゴン)」と呼ばれる
柱などの最上部に複雑な木組みをほどこして
軒桁を支える部分などの存在だ
ただし一般庶民は「楼」と「坊」の区別が分からないので
両者が同じものと考えられるようになった
なお
「枓栱」の技法は日本にも伝わり
今も「枓栱(ときょう)」と呼ばれて
寺社建築などで受け継がれている
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ギャンブルはまだ10代だった1908年に両親と共に中国旅行をした
その後、1917年から1932年にかけて
キリスト教団体の幹部として中国に3回行き
長期滞在をして中国社会や家庭を調査した