翻訳でミスしやすい単語っていうのは
多くの場合
言語によって分類概念が違っている場合です
ここでご紹介するのは
「无人机」(Wúrénjī、無人機)
要するに
操縦者が搭乗していない航空機のことですね
ところで
日本あるいは欧米では
揚力を得るために
ヘリコプター式のプロペラが何枚かついている
無人機のことを
ドローン(drone)と呼ぶことが多い
この場合の「ドローン」はもともと
ハチなんかが飛んでいく時の羽音
「ブーン」っていう音を指すそうです
ドローンが飛ぶときには
「ブーン」という音がするから
でもって
無人機には固定翼タイプ
つまり
飛行機の胴体の両側に
揚力を得るための主翼を取り付けている
構造のものもある
偵察や爆撃など軍用機として使われる場合が多く
こちらはドローンとは言わない
ということで日本人の言語感覚では
無人機と言えば固定翼タイプのものを
普通はイメージするんじゃなかろうか
つまり
無人で空を行く飛行機に
「ドローン」と「無人機」という分類概念が生じたことになる
ところが
中国語話者の概念だと
どちらも「无人机」ということになる
これ
どちらかというと
中国人が中国語を日本語訳する時に
間違えることが多いみたいです
原文に「无人机」の語があると
何も考えずに「ドローン」と訳す場合が多い
恐らく
日本語の「ドローン」という単語を学んだ際に
辞書には「ドローン」の訳語に「无人机」と書いていたので
「なるほど、ドローン=无人机かあ」と思ってしまう
だから固定翼タイプの無人機も「ドローン」と日本語訳してしまう
中国語の文章で「无人机」の語が出てきたら
固定翼のタイプを指すか
ハチの羽音「ブーン」のタイプかを
確認せねばなりません
ニュース記事の場合には
画像検索が役立つことが
かなり多くあります