【本】『奇岩館の殺人』を読んで設定にわくわくする | ミステリな日常。

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 先日『奇岩館の殺人』(高野結史)を読んだ。

 タイトルから本を選ぶことも多いけれど、これもその内の一冊。

 館ってあると……弱いね。

 そんなこの作品、いきなり「ミステリーファンの皆様」に向けた「挑戦状」から始まる。

 まだ、本編を読んでもいないのに!

 と思ってページをめくると、「第一幕 解決篇」。

 え、いきなり?

 あらすじは公式サイトから引用。

 

 孤島に立ついびつな形の洋館・奇岩館に連れてこられた日雇い労働者の青年・佐藤。

 到着後、ミステリーの古典になぞらえた猟奇殺人が次々起こる。

 それは「探偵」役のために催された、実際に殺人が行われる推理ゲーム、「リアル・マーダー・ミステリー」だった。

 佐藤は自分が殺される前に「探偵」の正体を突き止め、ゲームを終わらせようと奔走するが……。

 密室。 

 見立て殺人。

 クローズド・サークル――ミステリーの常識が覆る!

 

 先が気になって一気読み。

 主人公は日雇い労働者の佐藤。

 同じく日雇い仲間であった青年が突然姿を消した。

 彼が「美味しいバイト」の話をしていたことを思い出し、そこで見つけたのが、外国のある豪邸で三日間過ごすだけで百万円の報酬が貰えるというバイト。

 早速応募し、「佐藤」と名乗るように指示され、孤島へと向かうことに。

 けれど、そこで実際に殺人事件が起き、これが探偵のための推理ゲームであることを知ってしまう。

 自分が被害者になるのではと、佐藤は一体誰が探偵なのかと探り始めるというお話だ。

 

 リアル脱出ゲーム的なものはよく耳にするけれど、これは、リアルマーダーミステリー。

 実際に殺人事件が起きる推理ゲーム。

 場所は孤島に建てられた奇岩館。

 そこで起きる殺人事件。

 設定はかなり好み。

 アクシデントにあたふたする運営側の姿も描かれていて、それはそれでツッコミどころ満載。

 ラストは少しもやっとしたけれど、全体的には面白かった。

 とりあえず、三日で百万円のバイトには、応募しないに限るね。