【本】『オイサメサン』を読んで視えないことに安心する | ミステリな日常。

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 先日『オイサメサン』(神津凛子)を読んだ。

 主人公は霊が視える女性、鈴。

 自分にだけ視えるのって怖いよね。

 あらすじは公式サイトから引用。

 

 小学生の夏休みに霊が「視える」ようになった鈴。
 初めて視たのは、赤い服を着た爪のない不気味な女の霊。

 怖い、怖い、怖いーー。
 怯える鈴を救ったのは、祖母がくれた「オイサメサン」の指輪だった。
 だが9年後のある日、バイト先のファミレスで「祓える」男に出会う。
 彼はオイサメサンは詐欺師だと吐き捨てた。
 オイサメサンは、詐欺師なんかじゃない。
 しかし、赤い女は9年経った今でも鈴のことを追いかけていた。
 鈴はある殺人事件に巻き込まれ、予想もしない運命に呑まれていく。

 

 怖かったー。

 物語は主人公の鈴と、「祓える」男である要、そして幼馴染の類を中心に進んでいく。

 「視える」って、いろんな意味で不安だし怖い。

 霊が登場するたび、読みながら、どきどきする。

 そもそもオイサメサンって、タイトルも怖い。

 オイサメサンってどういう意味なのか、どういった存在なのか謎。

 敵なのか味方なのかわからないし、周りの人たちの誰を信じていいのかもわからない。

 そういった部分がだんだんとわかってくる過程も面白い。

 霊が出てくるのでホラーだけど、一応、犯人あての部分もありミステリでもある。

 なぜこの場面でこういうセリフが…と、意味がよくわからない言葉をそのままにして読み進めると、あとから「そういう意味だったのか!」となってすっきり。

 先が気になって一気読み。

 続きそうな終わり方だったけど、どうなるのだろう?

 そこは、すっきりしてくれないと!