【本】『きこえる』は耳でも楽しめる(作中にQRコードついてるよ) | ミステリな日常。

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 先日『きこえる』(道尾秀介)を読んだ。

 面白かったー。

 道尾さんの体験型ミステリ。

 小説の要所要所にQRコードがあり、それを読み取ると音声が楽しめる仕様。

 もちろん、その音声にはいろいろと仕掛けられているんだけれど。

 あらすじは公式サイトから引用。

 

 あなたの「耳が」推理する。

 「音」が導く真相に驚愕する。
 読者を1ページ目から未知の世界へ連れて行く。
 謎が「きこえて」くる。
 衝撃が、あなたの耳に直接届く。
 物語×音声。

 小説を立体的に体感する、まったく新しい「謎解き」の新体験型エンタメ、誕生!
 突然死んでしまったシンガーソングライターが残した「デモテープ」。
 家庭に問題を抱える少女の家の「生活音」。
 言えない過去を抱えた二人の男の「秘密の会話」。
 夫婦仲に悩む女性が親友に託した「最後の証拠」。
 古い納屋から見つかったレコーダーに残されていた「カセットテープ」。
 私たちの生活に欠かせない「音」。
 すべての謎を解く鍵は、ここにある。

 

 久しぶりにわくわくしながら読書しました!

 道尾さんは以前にも、写真と連動したミステリ『フォトミステリー』や、ラスト1ページに隠されたもう一つの真相を楽しむ『いけない』など、体験型ミステリを書かれている。

 目で楽しんだあとは、耳で楽しむ。

 ということで、今回は小説の中にQRコードが出てくる。

 もう、待ち遠しい。

 「聞こえる」「にんげん玉」「セミ」「ハリガネムシ」「死者の耳」という五つのお話が入っているのだが、どれも普通に読んでも楽しめる。

 けれど、QRコードから音声を聞くと、新たな発見……というか真相が。

 読みながらあれ?と思った違和感が、音声を聞くことで「そういうことか!」となったり、きっと今回のQRコードでの音声はこの部分に違いないと予想したものが当たったり、音声以外の部分にも驚かされて、思わず声が出そうになったり。

 満喫しました!

 こういう楽しみ方があるのかー。

 個人的には、「にんげん玉」がこの体験型ミステリにぴったりだと思った。

 怖かったのは「死者の耳」だけど(ぼそ

 前回も思ったけれど、体験型ミステリって、これってこの解釈で合ってるよね?と誰かと答え合わせしたくなる。

 友達作るところから(遠