【本】『現役弁護士作家がネコと解説 にゃんこ刑法』を読んで判例に親しむ | ミステリな日常。

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 先日、『現役弁護士作家がネコと解説 にゃんこ刑法』(五十嵐律人)を読んだ。

 よく見たら、著者は作家の五十嵐律人さんじゃないか!

 しかも、にゃんこ刑法って……にゃんこ……。

 読まなくては。

 あらすじは公式サイトから引用。

 

 法律の世界を学ぶことは、社会を俯瞰してものを見ることができたり、論理的・合理的な考え方を学ぶことができます。
 数ある法律の中でも、憲法や民法と並んで、もっとも目にする機会の多い「刑法」。
 刑事ドラマや、小説の中でもおなじみの刑法を、なんと「可愛いネコ」を使って学んでしまおうという、そんな本が誕生しました。
 名付けて「にゃんこ刑法」!!
 著者は、現役弁護士作家で、デビュー作『法廷遊戯』が映画化された五十嵐律人。
 そして、さまざまな事件を起こす可愛い「ネコ」たちを描いたのは、これまたベストセラー『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』のイラストを担当した多田玲子。
 ユルカワだけど、中身は本格派。
 難しい法律の世界がスイスイと頭に入ってくるので不思議です。

 

 という、面白い上に、とてもやさしく刑法が語られている本。

 登場するのがすべて猫なので、事件も猫風にアレンジされていて、その内容に思わずくすっとなる。

 「はじめに」の中でも、書かれているが「さまざまなトラブルに巻き込まれたり、一線を越えて罪を犯すのが、人間ではなくネコ」なのだ。

 しかもその一線というのが、また猫らしい。

 「ハムスターに襲いかかったり、マタタビの裏取引が行われたり、ネコパンチをお見舞いしたり」と笑っていいのか、恐ろしい事件だと震えていいのかよくわからない。

 ……が、とりあえず笑っておく。

 

 ケースごとのタイトルも、気になるものばかり。

「余命30分事件」や「マタタビ殺人事件」、「ネズミ・モルモット取り違え事件」なんてものも。

 もちろん、きちんとした法律の本でもあるので、様々な法理についても説明されている。

 罪刑法定主義、因果関係、間接正犯、原因において自由な行為……等々。

 

 モデルとした判例が実在するものもある。

 有名な判例らしいが、知らなかったので検索してみた。

 普段、判例を読む機会がそんなにないので、とても興味深かった。

 現実にそういう事件があったとは!となる。

 せっかくなので高津くんに話してみたら

「きさらが、かなり楽しそうに判例を話しているなということは伝わった」と言われた。

 そこか。