【本】『テウトの創薬』を読んで説明したくなる | ミステリな日常。

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 先日『テウトの創薬』(岩木一麻)を読んだ。

 タイトルにもあるように、創薬業界を舞台にしたミステリだ。

 あらすじは公式サイトから引用。

 

 世界の新薬の6割を生みだす、創薬ベンチャ―の知られざる世界!
 カイコを利用する新技術でバイオ医薬品の生産を目指すトトバイオサイエンスの研究開発部長の進藤颯太郎は、工場で起きた事件をきっかけに同社の科学顧問で上州大学医学部教授でもある加賀義武の本性を知る。

 事件後、加賀と袂を分かったトトバイオと進藤は、新たな科学顧問探しと新薬開発を進めるが、加賀の妨害工作でトトバイオの株価は下落する。

 さらに帝央製薬と手を組んだ加賀の狙いは――。
 研究の理想とベンチャー企業の綱渡り経営の現実がせめぎ合う、リアル創薬業界物語!

 

 ということで、主人公はバイオベンチャー企業で働く進藤。

 カイコが大量に殺害される事件が起き、しかもそれが密室だったということで調べ始める。

 それがきっかけとなり、話は進んでいくのだが、そこから対立していくのは、医学部教授の加賀。

 この男があまりにも酷い人間で驚いた。

 創薬がテーマとなっているため、専門用語も多いが、興味深く読める。

 大変な世界であることはわかる。

 個人的には進藤のかつての親友でライバルでもあった上河内との関係が良かった。

 仲間である、リンや直江の存在もいい。

 密室の事件あり、パワハラあり、友情や裏切りや、いろいろなものが詰め込まれた小説で、面白かった。

 

 高津くんに、加賀がいかに酷い人物かを熱く語っていたら

「でもさ、薬の話って、専門的でわかりにくかったんじゃないの?」と言われた。

「大丈夫。加賀が悪い奴すぎて、それどころじゃないから」

「?」

「それに、企業同士の株価の話は、以前FPの勉強したから、すごくわかりやすかったよ」

「え、そこ?」

 メインではないけれど(当たり前

 カイコを見る目は変わったかも。

 …見る機会、ないだろうというツッコミはなしで。