▲ 看守さんに見えるひとは、マネキンです
夫と結婚するまで、
わたしの中の北海道のイメージは
一大リゾート地
食べ物がおいしい
寒い
雪が降る
寒い
野生動物がいる
寒い
くらいなうすっっっっぺらいものだったことを
正直に告白いたします。
はい、寒いのが苦手です。
あとは、国文学科出身ということもあり、
『アイヌ神謡集』の千里幸恵のことは知っていました。
北海道のひと、ごめんなさい。
でも、夫と結婚して、
義母から
「わたしのおじいちゃんは屯田兵だったんだ」
と言われて、
日本史の教科書の中の出来事だと思っていた北海道の歴史が
急に現在のじぶんとつながったんです。
だから、帰省中には
いま現在の北海道はもちろん
できるだけ過去の北海道も知りたい
と考えています。
それで、網走監獄まで足を伸ばしてみたわけです。
とはいえ、網走監獄も「網走番外地」のイメージが強すぎて、
ほかの刑務所で手を焼くような男たちを集めた
なんだかすごく怖い場所
という印象でした。
でも、展示を見ていくうちに
それは誤解だったということがわかったんです。
結論から言うと、「網走監獄」は
北海道開拓の歴史
を記念する博物館でした。
当時は未開の地だった北海道を開拓するため、
義母のおじいちゃんのような屯田兵や
移民による開拓は日本史の教科書にも触れられおり
ご存知の方も多いかと思います。
それに先駆け、
囚人による開拓
があったことはあまり知られていません。
しかもその導入の経緯が
現代の感覚からすると衝撃的でした。
網走監獄のホームページから引用してご紹介します。
開拓のために道を作るといってもこの原始林では民間に頼めばとんでもない賃金となるだろう、だが囚人を使えば費用は半分以下ですむし、悪人なのだから作業で死んでも悲しむ者もない、囚人の数が減れば監獄費の節約にもなる、まさに一挙両得であり今後も困難な作業は、囚人を使うべきだ。
ええええっ！？
一挙両得って！！？？
監獄に入っていたからには
当時の解釈に則って
なんらかの罪を犯したと判断されたひとたちだったでしょう。
だからといって、
この考え方は極端すぎやしませんかね？
そんなふうに
頭をガツーンと殴られたような衝撃を受けてから
監獄見学はスタートいたしました。
見学しながらつらつら考えたのは、
歴史なんてものはだいたい
誰かの犠牲の上に成り立っているもの
現在を生きるわれわれは
その恩恵を受け取っているに過ぎない。
そのことを忘れたくないな、と思ったのでした。
網走監獄の内部で撮影した写真をいくつかご紹介しますね。
当時、ここに収容されていた囚人、
あるいは、それを監護する看守たちでもいいかもしれません。
彼らの気持ちになって
この風景をぜひご覧ください。
