ちょっと前ぐらいにツイッターやネットニュースで見かけました。
私もパーソナルトレーナーをやってそこそこ長い(10年ぐらい)ですが、総合的な意見としては、一般人の知識とトレーナーの知識と学問的な知識のズレが原因で起こっているのではと言ったところです。
つまり、非常に難しい問題です。
一般人は、パーソナルトレーニングは安全に体を痛めずに、それでいて短期間で筋肉がついたり体重が減ったり、というイメージを抱いていると思います。
トレーナーはピンキリなので何とも言えないのですが、宣伝を見てみると、一般人が抱くイメージに出来るだけ近いキャッチ&コピーでまずは集客をということで、そんな広告が多いと思うのですが、そういうイメージでやっているからこそ実際のパーソナルトレーニングも短期間で効果を出そう、という内容でやっているところが多いのではないかと思います。
学問的には、先ず何事にも「確実な安全はない」と言うことが分かっていて、短期間で効果を出すということが、体にどれだけの負担を強いるのかと言うところが推測でき、そもそも一般人が見てわかるほどに筋肉がついたり体重が減るには長期間かかることが分かっています。
要するに事故の原因は「学問的な見解」が無視されているパーソナルトレーニング事情と言うものがあるからです。
と、難しい話をしましたが、当ジムのトレーナーである私は、大学の授業で運動や体についてしっかり学び、それ以外の書籍、資料、ネットで見ることのできる論文などを出来るだけ読み、その中から、ではこの方にはどういう方法が良いのか、この方の希望されるものがどれだけのリスクがあるのかを説明できるように心がけています。
割ときちんとした見解を述べると「ヒトの体は短期間で大きく変わることは正常ではない」ので、そこからではどうやってリスクを減らしてやっていけるか、結局時間というコストを払うことになりますよ(と同時にお金というコストもかかるが)、と言うことを説明して、それで身体改善の計画を比較的長期的に見積もる訳です。
全てのトレーナーがそれが出来れば良いのですが、やっぱりこの世界いはピンキリなので、では事故のリスクを減らすにはどうしたらよいのかと言うと、ご自身が少しでも学問的な知識を身に付ける、というところでしょうか。
実は中学・高校レベルの授業の内容が役に立ちます。
人間の消化・吸収・そこから栄養素が体に反映されるまで、また食べた量に対してのどれぐらいがタンパク質になるのかというのは、栄養成分表を見れば重さが書いてあります。
そのタンパク質が全部筋肉になってもたかだか知れているのは想像がつくと思います。
実際には内臓や皮膚、血管、爪や髪などにも使われるので、筋肉に使われるタンパク質なんてあるかないかぐらいです。
痩せていくことを考えていきます。
人は常に食事をとって体の変化が少ないように維持しています(恒常性を保つと言います)。
脂肪を減らしたいと思っていますが、ヒトが活動をしてまず使われる物質は血中にある「糖」です。
血中の糖が枯渇すると次に筋肉が分解されてそこから糖を生成して、それをエネルギー源として使います。
脂肪が使われるのは比較的後です。
と言うのも、脂肪から糖を生み出すのは、タンパク質から糖を生み出すよりも手間がかかります。
また、脂肪はタンパク質に比べて同じ体積であれば軽いので、例え脂肪が減ったとしてもあまり減った感は出ません。
と言うように、これらは学問ですべて説明がつく話で、学問的に考えると、一般人の持つイメージやパーソナルトレーナーの宣伝文句がいかにおかしいかに気づけます。
ですので、パーソナルトレーニングで怪我を防ぐ方法は「学問で勉強する」ことです。
また、すべての事柄において言えますが、安全は作ってもらうものでなく、自分自身で心掛けて初めて生まれます。
良いトレーニングライフをお送りください。
当ジムでもパーソナルトレーニングをやっております。
■お勧めトレーニング