[あらすじ]
孤高のデュエリストNO-NAME。大学時代よりカードゲームを始め、その魅力にのめりこんでいった彼は現在、COJのプロとして戦い、生計を立てていた。ある日、不運にも後攻23連に巻き込まれ、引退の狭間をさまよった彼は薄れゆく意識の中で、DOBに新たなデッキを見出す。しかし、生活費と交通費に全ての稼ぎをコスチュームガチャに使ってしまう彼には、その新デッキを始めるカード資産がない。このデッキが実現すれば、たくさんのAPを確実に手に入れられると確信したNO-NAMEは、Sデッキの虎達にAPをもらうべく、面接会場へと足を運ぶのであった…。
むっく
「むっくです。これまでこの番組はいろいろな挑戦者を迎えてきました。しかし、今日の挑戦者は今までにない発想と熱意、そして揺るぎない自信を持ち、これまでと全く違った方法でデッキを立ち上げようとSデッキの虎達に立ち向かいました…。」
ナレーション
「その男が部屋に入ってきた瞬間、室内は異様な空気に包まれた。…怪しい。誰がどう見てもこの男は怪しい。しかも真夏だというのにその男は暑い顔1つせず、紺色のジャンパーを着ている。…何故だ?Sデッキの虎達は一斉にその男をにらみつける…。」
砂時計
「それが確実にAPが盛れるという保障はありますか? ないでしょう? 確実にAPが盛れないとダメなんですよ! アナタはまだタマゴにもなってないんだ!」
NO-NAME
「アナタは私のデッキがわかっていないんです!どうしてセレクトショップを入れないといけないんですか!? このデッキは確実に成功しますよ! 俺はタマゴからかえったひよこですよ!」
ナレーション
「さらにその男は自前のデッキから最終兵器を取り出し、それを虎達に振る舞った。…次の瞬間、虎達が猫になる…。もう1度言おう、虎達は猫になったのだ!!」
IKE
「…すんっげーつよい!!」
ナレーション
「結論から言おう。この男は結果、APをつかむ。部屋に入って来た途端にSデッキの虎達に総スカンされたこの怪しい男がAPをつかんだのだ! それではその一部始終をご覧いただこう…。」
むっく
「それでは挑戦者の方、どうぞお入りください。」
NO-NAME
「失礼します。」
むっく
「最初にルールの確認を行います。最終的にあなたの希望したAPに1APでも満たなかった場合、または成立した場合でも、ここでのあなたの言葉に嘘、偽りがあった場合はそれが発覚した時点でランカー不成立となります。よろしいですね?」
NO-NAME
「わかりました。」
むっく
「それでは何APを希望しますか?」
NO-NAME
「22万APを希望します。」
むっく
「その使い道は?」
NO-NAME
「はい。Q3にあがってドヤ顔します!」
もやし
「…Q3でドヤ顔…ですか? 私にはよくわからないんですが、具体的にどういったデッキなのか説明していただけますか?」
NO-NAME
「前のバージョンでSデッキが流行ったじゃないですか!緑単S、ニケバアルS、黄緑S、黄単S・・・でも今の環境でSデッキ作りにくくなったけど、トリコンSはまだ生きているんですよ!」
砂時計
「…ふ~ん。で、それでどういったデッキを展開しようというんですか?」
NO-NAME
「はい。非常に強いトリガーカード、レアリティの高いトリガーカードを40枚入れて運ゲーに持っていくんですよ」
もやし
「…アナタね、さっきから聞いてると全くAP盛りに関係ない話をしてるように聞こえるんですよ。じゃあ例えばですよ? ダークマター3積みにマッチしたらどうするんです?」
NO-NAME
「そういう場合は捨てゲーすればいいんです。」
砂時計
「…まあ、待ってください。アナタは今、お仕事は何をされてるんですか?」
NO-NAME
「はい。今はアパレルの仕事をして生計を立てながらCOJのSデッキプロとしての活動を行っています。」
ナレーション
「…アパレル。この言葉を聞いた瞬間、株式会社SHIPS代表取締役社長・砂時計が厳しい言葉を挑戦者にあびせかける…。」
砂時計
「…アナタね! アパレルの仕事をしているんだって?アパレルの事、わかってるんですか? あなたのデッキの中にセレクトショップが入っていない。君はアパレルの事を何もわかっちゃいないんだ。そんな考えでAPが盛れるなんて考えが甘いよ。」
ナレーション
「…考えが甘い。この言葉を聞いた瞬間、関ヶ原の戦いで反旗を翻した小早川軍のように、今度は挑戦者が虎達にするどい牙を突き立てる。…そう、この男はものすごい男だったのだ…。」
NO-NAME
「私には確固たる自信があります。アルカナカップと言えど、3回に1回なら確実に優勝できるだけの戦術、実力を持っています! 今、私に不足しているのはその3回目のアルカナカップがないということだけなんです!」
砂時計
「第3回アルカナカップで成功するという保障はありますか? ないでしょう? 確実に成功しないとダメなんですよ! アナタはまだタマゴにもなってないんだ!」
NO-NAME
「アナタは私のデッキがわかっていないんです!どうしてセレクトショップを入れないといけないんですか!? このデッキは確実に成功しますよ! 俺はタマゴからかえったひよこですよ!ぴよぴよ」
ナレーション
「…衝突。Sデッキの虎・砂時計と挑戦者が真正面からぶつかり合う。しかし、この紺色のジャンパーの男の自信はどこから来るのか…。Sデッキの虎達の焦点はそこに集中していた。…その時、意外なSデッキの虎が口を開く…。」
GN電池
「トリガーコントロールのSデッキは嵌れば強いよ。でも嵌らなかったら強くないんだよ?わかるかこの俺の気持ち。あぁわからないよなぁ・・・ハンデスが今の環境で流行っているよね?ハンデスを弱くすればいいという意見もある。でもね、ハンデスを今よりも弱くするとそれこそコンボ系が止まらなくなる。そしてその状況があんたにとって都合がいいだけだ」
むっく
「えっと・・・この時点であなたの希望するAPに達しなかったのでノーナメー(NO-NAME)でフィニッシュです」