久遠の愛 15 | KIRAKIRA☆

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こちらはスキップビートの二次小説ブログです。CPは主に蓮×キョ-コです。完全な個人の妄想の産物ですので、原作・出版者等は全く関係ありません。また、文章の無断転載は固くお断り致します。

※ 10万HITリクエスト!てん様から頂きました☆

必ず読む前に注意☆ に目を通してください!




蓮に強引に抱かれた翌週、初めて蓮は来なかった。
体調が優れないからという理由でやってきた代理の講師に指導を受けながら、心のどこかで納得した。


同時に・・・心の奥底に隠した自分が歓喜の声をあげそうになり、その自分自身を殺した



許されない感情は



決して最後まで許してはいけないから




尚と挨拶に回って、頃合を見て演奏の準備に入る。

ふと目を向ければ蓮が、奥様と来客の中の顔見知りらしい人物を談笑をしていた。


綺麗な人


心から蓮を慕っているのがわかる。


あんな素敵な人を自分は蓮に裏切り続けさせていた。



更に罪を重ねるのは、この魂だから



これが最後だから



彼の前で演奏させて


今だけ彼との日々を想って演奏する事を許して



いつも行為が終わった後に蓮が弾くピアノの音

あのピアノが好きだった。

私は聴いているとわかると貴方はすぐに弾くのをやめてしまうから、いつも寝たフリをしてこっそり聞いていた。

すぐにバレてしまったけど


気づいてくれる事さえ本当は嬉しかった。



あの音を思い出して



演奏は無理でも、奏でる音は少しでも近づけられる様に



想いを込めた






始まった女主人のもてなしの演奏に、一同耳を立てて聞き入っていた。

その中で、蓮はじっとその姿を見つめる。


最初の頃よりもずっと上達した彼女の演奏


だけどその音は



蓮にとって、とても切なくて



曲は違えど真っ直ぐな彼女の音に込められた想いは、自分がずっとあの離で情事の後弾いていたピアノの音だった。


ずっと



言葉に出来ない想いをあの音に


あの旋律にぶつけていた



だから彼女に聴かせる事をずっと恐れていた


想いからも罪からも逃げきる気もないくせに逃げ続けた卑怯な自分と違って



君はこんな堂々と弾けるんだね


眩しいくらい



ねえ、君はその音に込めていた俺の想いを知っているの?

意味もわからずただ真似ただけ?


知りたいと思い・・・・知る必要のない事だと思う。



やっぱり君には最後まで振り回されたな



フッと口元が緩む






その時



蓮の隣にいた綾はふと、その気配に視線を上げた。

横にいる夫の顔を見上げて


まっすぐに前方で演奏する京子を見ている蓮に



その視線に


その表情に



目を見開いた



その時蓮がどんな顔をしていたのか



その時綾がどんな顔をしていたのか




目撃した者はいなかった







「お疲れ様、京子さん。とてもいい演奏だったよ」


演奏が終わって、京子が一人着替える為に小部屋に入った所を見計らって蓮はやってきた。

ホールではまだ歓談が続いているだろう。

京子も、すぐに戻らなければいけないと判っていた。


でも、同時に蓮がわざわざ京子が一人になるタイミングを見計らってやってきた理由も判っていた。


「ありがとうございます。先生・・・・奥様は?」

「知人に会って話し込んでいるよ。」

「そうですか・・・・」


ふと、一度視線をはずして


息を吸ってもう一度蓮を見た。



「先生、私・・・・飽きちゃいました。ピアノにも・・・あなたにも」

「・・・・・・・・・」

「今回練習して、すごく大変で、もうやりたくないんです」

「・・・・・・・・そう」


「はい!だから辞める事にします。演奏はこれで最後です」

「うん、それがいいね。俺もお暇をもらおうと思っていたんだ。高貴な貴婦人の暇つぶしには色々疲れてしまったから」



微笑む彼に、私も微笑む


気づいていた。

彼がそう言うだろうと


だから私が言うの



「蓮にはピアノ以外にもたくさん奉仕してもらったし・・・こういう時って手切れ金?お金を渡すんでしたっけ?」


せめて表面上は後腐れなく、「そういう事」にして終わろう・・・・そう思ったのに


蓮は一瞬何かを考えて



「なら最後に・・・・」



腕を引かれ唇を奪われた。



深く奪われる唇と貪られる熱が、今自分たちが繰り広げた淡白なやりとりとは裏腹に熱く、激しくて

胸の奥からせり上がってくる激情に答える様に京子も反応していた。


抱きしめられた身体が痛いのは、キツく抱きしめられているからだ

触れ合う熱が熱いのは、単なる反応だと


何度も舌を絡ませ合いながら、漏れる声に


この一瞬は心のままに求め合い


なごり惜しげに離れ、すぐに距離をおいた



「これを手切れ金代わりにもらっていくよ。いい思いをさせてもらったのはお互い様だからね」

「・・・・・・・・・後でお金をせびりに来ても知りませんから」

「二度と会わないよ」

「そう願います」



一瞬顔を見合わせて



いつもの別れ際みたいに口付けを交わしそうになり、慌てて離れた。

何も言わずに部屋を出て行く蓮の後ろ姿を見て



やっと涙を流せた



それでも



声をあげる事は許されなかったから、ひたすら声を殺して


涙を流し続けた。



その涙の意味なんて



知らなくていい。




蓮が先週避ける様に休んだ時、あの時強引に自分を抱いた理由が決定的になってしまった。

そして、自分はその蓮の激情に、その激情の源に歓喜しそうになって


自分自身の傲慢さに恐怖した



許されない関係


許されない想い



ならば



綺麗に終わる事は許されない



この感情にあんな綺麗な名前をつけてはいけない


この思いを神聖なものにしてはいけない




認めてしまったら




破滅は自分だけではないと


壊れるのは自分だけではないと



判っていたからこその決断





舌の根も乾かない内に負けてしまった自分が許せない





今でも









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