「野犬の子」さんは、
その山にいる野犬の全頭保護、そして全頭の看取りを公言されてます。
譲渡はしない。
保護したらうちの仔。
初めて聞いた時、譲渡しないんだ…と驚くより戸惑ったものです。
その覚悟は、一般人の自分たちをはるかに凌駕する、体力気力知力に裏打ちされているようでした。
と言っても、本当はAさんもYさんも一般人のはずなのですが(苦笑
保護に関わるある人は称賛と驚嘆を込めて、
あの人は、次元が違う、別格、と言われます。
そんな方の、ひとつのお別れ報告を読みました。
うさぎのミミちゃん。
そして、いつか来るであろう、わんさんたちとの別れの瞬間。
とてもとても切なくなりました。
私はわんこを家に迎える時、つい
今、3歳くらいだから、裕に10年は一緒にいられるなぁ、と考えます。
煌は引き取ったとき推定3~4歳で、10年9ヶ月と5日、一緒にいました。
でも、急激に衰えて行き、突然倒れ、わずか5日。
ちゃんと観察して入れば、もっともっと早くに、楽にゆったりと過ごす時間をあげられたのに、と後悔。
しかもずっと付き合っていた(手術大好き)医師からは心無い言葉を浴びせられ、二重の後悔でした。
来楠は煌の旅立ちから半年後に引き取ました。
推定で10歳前後。
フィラリアの虫が何本も巻いていて、激しい運動ができない身体でした。
途中、脱走されて6日間探し回り(センターの人が別の野犬を捕獲に来て、偶然つかまえてくれた💦)
さらに違うバージョンで逃げられ、多くの近隣住民を巻き込み、
32日かけて捕獲・保護したという経歴を持つ中型女子。
来楠は翌年の夏、突然貧血で倒れ、その日の午後に唐突に旅立ってしまいました。
彼女はフィラリアに負けたんです。
他には、ハムスターを1匹飼いで8匹、みんな送ってしまいました。
今は、ハムロスがひどすぎると、相方にハムスター禁止令を喰らっています。。。
頭では判っています。
いつか、おそらく自分より先に、この仔は逝くと。
口では言ってます。
いつでもその覚悟をできるように、日々可愛がるんだ、と。
でも私は、実は、本当には、全然デキてないです。
私を見てくれない。
手を舐めてくれない。
尻尾を振ってくれない。
頭を撫でられない。
それが、本当に身体の内部が捩れるような感覚をもたらします。
そして来る、火葬。
彼女らの身体が、目の前からなくなるという事実が、どうしてもイヤなんです。
自分が死ぬ方が、はるかに楽だなぁと思う瞬間。
間違いなくその時は、自分よりわんこの命の方が重く感じられてしまうんです。
同じ命のはずなのに・・・。
そんな別れと葬儀。
「野犬の子」さんは今後10年10数年を、そうした環境の中であの仔たちと過ごすのだと思うと、
もう本当に、どれだけ命を大切に思ってらっしゃるのか…と、
頭が下がってしまうのです。
「野犬の子」さんのシェルターにて 2022.夏(左はYさん)
「楽しめ、楽しめ」
そう語りかけるお二人の声なき声が、
動物と生きるこの世のすべての人の声になってほしいです。




