星宿海への道 (幻冬舎文庫)/宮本 輝
¥720
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50過ぎの壮年の男が
中国旅行の際に行方不明になり、
彼の弟が、行方を探がして
歩き回ります。


行方不明の男の生き方やら、
考え方やらを、
弟が紐解いていきます。


なぜ、兄は
中国で姿をくらましたのか。


キーワードは「星宿海」。
星宿海という地名は、中国の
はじっこにあるそうです。


その男は幼いときに、
母から聞かされた
「星宿海」という言葉が
ずっとずっと、
大人になっても、
心に残っていたようです。


はでなアクションや、
「おお、そうだったのか!」
というような驚きもとくになく、
たんたんと
男の歩んできた足跡が
つづられていきます。


幼い頃、
学生の頃、
社会人になってからのこと、


その足跡を追うごとに、
彼をとりまく人達の
内情や事情を織り交ぜながら、
話は進みます。


結局、
彼が本当は、
どう思い、
どう考え、
なんで中国で
行方不明になったのか。


わからずじまい。

いたるところに
仕掛けられた伏線から
想像することはできます。


彼は地味で目立たない人だったけど、
いろんな人に愛されていたようですね。
平凡だけど、人柄がよかったようです。


それと、

兄の話はたくさんでてきますが、
その兄を探す弟の話は
ほとんどでてこないんですよね。


ほとんどが弟目線の

物語なのに。
その弟がどんな人なのか、

よく分かりません。


そもそも、

この物語が、

なにを言いたかったのか

よく分かりません。



色がない、小説。
とでもいいましょうか。


ここでいう「色」とは、
「色恋沙汰」の色では
ありませんよ。
念のため。



うーん。
わたしにとっては、
読むのはまだ早かったのか。


わくわくするものや、
非現実的な話が
わたしは好きなようです。


小説を読んで楽しいと思う

ポイントは人それぞれですが、

わたしの場合、

せっかく物語を読むんだから、

現実では体験しえない

ことが起こってほしいと

思ってしまうのです。




幽霊刑事 (講談社文庫)/有栖川 有栖
¥770
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物語の設定がおもしろかったので、
手にとった小説です。


自分を殺した相手、そして
その相手の後ろにいる者。


かれらを幽霊独特の特技をもって、
ひょいひょいと解決していく物語だと
想像していたのですが。



うーん。
会話が多いですね。
東野圭吾氏の小説を読んだあとに、
この小説を読んだということも

そう感じた理由の一つかもしれませんが、
会話が多くて、物語がサクサク進まない。


「この部分って、
端的に言うと、こういうことでしょ?」
という部分をながながと
会話の中で進めるから、
とても長いし、ページ数も増します。


幽霊特有の
空を飛べる、とか
壁を通りぬける、という
特技もあまり活かされていないし。



こっちにいったほうがいいだろうに、
なんで、あっちにいくの?

というような主人公の行動も、
まわりくどくて、いらいら。


最後のほうはもう、
斜め読みしてしまいました。


プロットとしては
面白いですが、
それを活かしきれていない
感じがしました。


会話が多いので、
ドラマや映画には
しやすそうです。

放課後 (講談社文庫)/東野 圭吾
¥600
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「名探偵の掟」を読んだ次に、
この小説を読みました。

東野圭吾氏の初期の作品です。


のっけから、
「名探偵の掟」で
おちょくっていた
推理小説定番の「密室殺人」
がメイン。

さらに、
刑事が部外者(主人公)に
ぺらぺらと事件の内容をしゃべる
という的も得ています。


推理小説家は、
一度世に出た小説は、
30年たっても、
読む人がいるから、

いろいろと
大変だなぁと思います。


舞台は女子高です。
主人公は男性の教師。


主人公が男性だからか、
女子高生を純心無垢な
存在のように扱っている
部分がところどころにありました。


女子高生を経験したわたしから
みると、神聖化しすぎだよと
思ってしまいます。


どうも、
女子高生という存在に
他の女子とは違う思いを
抱く男性って多いですよね。


おっと、
話が脱線しました。


事件は女子高で起きた

密室殺人事件。


主人公も命を狙われます。

結果が二転、三転するのは、

やっぱり、いいですねぇ。


推理小説で、

アハ体験ができてしまいます。